豚の角煮
箸でホロッとくずれるほどに、トロッと柔らか。豚肉は表面を焼いてからコトコトじっくりと下ゆでし、くせや余分な脂をしっかり取り除くのがポイントです。八丁みそのキレのあるコクが、豚肉によく合います。
写真: 野口 健志
*1人分
*1人分
材料
(3~4人分)
- ・豚バラ肉 (塊) 1kg
- ・しょうが (薄切り) 3~4枚
- ・ねぎ (青い部分でも白い部分でもよい/長ければ切る) 20cm分
- 【A】
- ・水 カップ4
- ・酒 カップ1/4
- 【B】
- ・ざらめ糖 (または好みの砂糖) 80g
- ・しょうゆ 大さじ2
- ・八丁みそ 30g
- ・ほうれんそう (または好みの青菜) 1/2ワ(150g)
- ・サラダ油
- ・酢 (あれば米酢)
つくり方
豚肉は厚い膜や余分な脂を取り除き(全体備考参照)、4cm厚さに切る。フライパン(直径24~26cm)にサラダ油大さじ2を中火で熱し、豚肉を脂側を下にして焼く。こんがりと焼き色がついて脂が出てきたら上下を返し、うっすらと焼き色をつける。側面も同様にうっすらと焼き色をつける。
表面を焼いて余分な脂を出し、すっきりとさせる。脂側以外は焼きすぎると表面が堅くなるので注意。
鍋に1を入れ、かぶるくらいの水、しょうが、ねぎを加えて中火にかける。10分間ほどして、水面から湯気が出て、小さな泡が立ちはじめたら火を弱める。この状態を保つ火加減で、豚肉が水面から出ないようにオーブン用の紙で落としぶたをして、1時間30分ほどじっくりとゆでる。
豚肉が水面から出ると乾いて堅くなるので、落としぶたをする。グラグラ煮立たせないように注意。水面から湯気がユラユラと立ち、小さな泡がわずかに出る火加減で、ゆで上げる。
たっぷりのぬるま湯(約40℃)をはったボウルに2の豚肉を入れ、やさしく洗って表面の脂を取り除く。豚肉をそっと取り出してざるに上げ、水けをきる。
豚肉が柔らかいので、形をくずさないようにやさしく洗う。
この状態で「ゆで豚」として楽しめ、保存もできる。冷めたら食べやすく薄切りにし、冷凍用保存袋に入れて冷凍庫で約3週間保存可能。
別の鍋に豚肉と【A】を入れて中火にかける。煮立ちはじめたら【B】を加え、軽く混ぜる。再び煮立ちはじめたら新しいオーブン用の紙で落としぶたをし、肉が躍らない程度の火加減でコトコトと30分間ほど煮る。
グラグラと煮立たせない火加減を保つ。ざらめ糖を使うと砂糖よりコクが出て、照りよく仕上がる。
煮汁をカップ1/4ほど取り分け、八丁みそを耐熱のゴムべらで溶き混ぜる。
八丁みそはダマにならないように、少量の煮汁でよく溶き混ぜる。
鍋に5を戻し入れてオーブン用の紙で落としぶたをし、10分間ほど煮て火から下ろす。
八丁みそを煮汁とよくなじませて煮る。
冷めたら煮汁ごと清潔な保存容器に入れ、冷蔵庫で3~4日間、煮汁ごと冷凍用保存袋に入れて冷凍庫で約3週間保存可能。
食べる分の豚肉と煮汁適量を小鍋に入れて中火にかける。煮汁が煮詰まってきたら、鍋を揺すって豚肉にからめ、トロリとするまで煮る。ほうれんそうは熱湯でサッとゆでて水けを絞り、食べやすい長さに切って酢少々をからめ、豚の角煮とともに器に盛る。
豚肉が柔らかくくずれやすいので、できるだけ触らずに仕上げる。
◆豚肉の下処理◆
豚バラ肉の身側にある膜や脂は火が入ると堅くなって口当たりが悪くなるので、加熱前にそぎ取る。
脂側の脂が厚い場合は、少しそぐとすっきり仕上がる。
◆前沢さん直伝プロの技◆
1.豚肉の下ゆでは、水面に小さな泡が立つ火加減をキープ。
2.ゆでるときも煮るときも落としぶたをして、豚肉を水面から出さない。
3.八丁みその酸味のあるコクで、味に深みを出す。
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このレシピをつくった人
前沢 リカさん
東京・渋谷区の和食店店主。旬の野菜や乾物を使った、体にやさしく味わい深い料理にはファンが多い。NHKテキスト『趣味の園芸やさいの時間』では、野菜を使った酒の供を紹介する「百年レシピ滋味酒菜」を連載中。
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