祝い肴三種
材料
- 【ごまめのあめ煮】
- ・ごまめ(田作り) 適宜
- ・酒
- ・しょうゆ 適宜
- ・砂糖
- 【数の子】
- ・塩数の子 適宜
- ・塩
- ・酒
- ・うす口しょうゆ
- 【たたきごぼう】
- ・ごぼう 適宜
- *土つきで、約40cm長さの、小指くらいの細めのものを選ぶ。
- ・白ごま
- *ごぼうの量の約1割。
- ・しょうゆ
つくり方
鍋に酒3、しょうゆ7の割合で入れ、砂糖を好みで加えて甘辛い味に調え、火にかけて、はしでかき混ぜて少し粘りけを感じるくらいで火を止めておく。
煮詰め方が過ぎると、冷めてからごまめが固まってしまうので注意すること。固まってしまった場合は、酒少々を加えて火にかけると、形をくずさないでほどくことができる。
別の鍋にごまめを入れ、乾物独特の臭気が取れるように、弱火で十分にいる。少し焦げてもよいから、カラカラによくいっておく。
1の煮詰めた調味料にごまめのいりたてを加え、平均にからめる。
ごまめを入れてから煮てはならない。生臭くなってしまう。
塩数の子は2~3日(堅いものは1週間ほど)、薄い塩水につけて塩出しする。
薄皮をむき、一口大に形をそろえて切り、分厚いものは厚みを半分に切っておく。
端の部分や形のよくないものは、別に粒を一粒ずつぽろぽろに離し、ふきんで包んで二杯酢、または三杯酢につけ、大根おろしに混ぜて酒の肴に。
酒とうす口しょうゆを同割に合わせ、数の子をつけておく。
しょうゆの味が塩辛い地方では、分量を控えめにすること。また、数日つけておく場合は、しょうゆを3割ぐらいに控えるとよい。削りたてのかつお節をガーゼで包んでいっしょにつけると、コクを増すことができる。または、手で細かくもんで加えておいてもよい。
食べるときに、つけ汁をきって盛る。
ごぼうは、皮をこそげ取ってしまわないように、たわしで水洗いし、土だけきれいに落とす。
「必ず皮を大切なものとお思いになって、この包丁の峰で取ったりなさらないように」
縦に半分、太ければ十文字に切り、まな板の手前に並べ、包丁を横にしてたたく。
食べよい長さ(4cm弱)に切り、水に放す。
アクも味のうちであるから、長い間、水に放しておく必要はない。
ごぼうの分量の約1割の白ごまを程よくふっくりといり、すり鉢に入れて粗ずりにする。
ごまがドロリとした状態になる程度に、しょうゆを加えておく。
たっぷりの熱湯を沸かして水けをきったごぼうを入れ、ゆっくりと1回深呼吸をする間ゆで、ざるにサッとあける。
ごぼうは包丁でたたいて繊維をほどき、歯ざわりを計算してあるので、ゆですぎてはいけない。
熱いうちに12のごまじょうゆをからませ、ふたをしておき、時々ごぼうを上下すると、味がよく回っておいしい。
このレシピをつくった人
辻 嘉一さん
(1907~1988)京都の茶懐石料理店の2代目主人。確かな技と美しく端正な料理で、多くの人に支持された。料理に関する著作も多数残している。
つくったコメント