本格おでん
寒くなる季節にうれしいおでん。手づくりのさつま揚げとがんもどきが絶品です。煮ては冷ます、を繰り返して具材にしっかり味を入れましょう。
写真: 南都 礼子
*全量
材料
(つくりやすい分量。4~5人分できる。)
- ・大根 1/2本
- ・米の研ぎ汁 適量
- 【さつま揚げ】
- ・白身魚のすり身 250g
- *たらなど好みのもので。
- ・れんこん 200g
- ・青じそ 10枚
- 【がんもどき】
- ・焼き豆腐 1丁(320g)
- ・ごぼう 25g
- ・にんじん 25g
- ・きくらげ (乾) 2g
- ・いちょう芋 25g
- *関東では「大和芋」とも呼ばれる。
- ・しその実の塩漬け 20g
- *あれば。
- ・しらたき 1袋(200g)
- ・卵 4~5コ
- ・はんぺん 2枚
- ・ちくわぶ 2本
- 【だし】
- ・水 3リットル
- ・昆布 20g
- ・削り節 80g
- ・溶きがらし 適宜
- ・七味とうがらし 適宜
- ・みりん
- ・うす口しょうゆ
- ・しょうゆ
- ・塩
- ・酢
- ・揚げ油
- ・ごま油
- ・砂糖
- ・酒
下ごしらえ・準備
1 焼き豆腐は紙タオルなどで包んでおもしをして、30分間ほどおいて水きりする。
2 きくらげは水に浸して戻し、石づきを取って細切りにする。
3 しその実の塩漬けは水に浸して、塩けがやわらぐまで塩ぬきをし、水けをしっかりと拭いてみじん切りにする。
4 卵は室温に戻しておく。
つくり方
【だし】をとる。鍋に水、昆布、削り節を入れ、中火にかける。沸騰したら弱火にしてアクを取りながら約10分間煮出し、さらし布巾や紙タオルなどでこす。
昆布は取り出して1cm幅に切り、結ぶ。おでんを煮る大きな鍋に、1の【だし】2リットル、みりんカップ3/4、うす口しょうゆ・しょうゆ各大さじ5を合わせて煮汁をつくる。【だし】とみりんとしょうゆの割合は、13:1:1が目安。
残りの【だし】は、食べながら汁が煮詰まったときに、調整に使うとよい。
大根は約3cm厚さの輪切りにし、外側の繊維が残らないように厚めに皮をむく。表に3mm幅で隠し包丁を入れ、裏返して90度回転させ、同様に隠し包丁を入れる。
皮は斜めに切って、ざるで干して切り干し大根にするとよい。
鍋に大根を入れ、米の研ぎ汁を大根が隠れるくらいに注ぎ、塩一つまみを加えてゆでる(面取りはしなくてよい)。
竹串がスッと通るくらいになったら大根を取り出して、熱湯で1~2分間ゆでてぬか抜きをして、ぬか臭さを取る。
れんこんは皮をむき、酢を入れた熱湯でサッとゆでて水けをきり、みじん切りにする。むいた皮は4cm長さの細切りにして、水にさらして水けをきる。青じそはせん切りにして、水にさらし、水けを拭く。ボウルに白身魚のすり身とれんこんのみじん切り、細切りの皮、青じそを合わせ、手でよく練り混ぜる。塩小さじ1/3、みりん大さじ1を加えてさらによく練る。
5等分にして薄い小判形にまとめる。
【さつま揚げ】と【がんもどき】は、薄い形にまとめれば、少ない油で揚げることができる。
180℃に熱した揚げ油で、時々上下を返しながらこんがりと色づくまで揚げる。
ごぼうは皮をこそげて斜め薄切りにしてから細切りにし、水にさらして水けをきる。にんじんは皮付きのまま細切りにする。
フライパンにごま油小さじ1を中火で熱し、ごぼうとにんじんを入れて炒める。戻したきくらげを加えてサッと炒め、砂糖小さじ1、酒大さじ1を加えてしんなりするまで炒める。フライパンを火から下ろしてしょうゆ小さじ1を加え、再び火にかけてサッと炒め、皿に広げて冷ます。
ボウルに水きりした焼き豆腐を入れ、泡立て器でつぶしながら混ぜる。砂糖・うす口しょうゆ各小さじ1/2を加えてさらに混ぜる。
いちょう芋は、割り箸などにさして火であぶって根を焼き、皮ごとすりおろして11に加えて混ぜる。さらに10と、水けをしっかり拭いてみじん切りにしたしその実の塩漬けを加えて混ぜ、5等分にして薄い円形にまとめる。
【さつま揚げ】を揚げた油を180℃に熱し、上下を返しながらこんがりと揚げる。
しらたきを長いまま少しつかみ、それを芯にしてクルクルと巻きつけて切る(自然にからむので結ぶ必要はない)。残りも同様につくり、熱湯でゆでて臭みを取る。ざるに上げて余分な水けをきり、味を入れやすくする。
室温に戻した卵を鍋に入れ、かぶるくらいの水を注いで強火にかける。沸騰したら中火で1分間ゆで、火を止めてそのまま冷ます。冷めたら殻をむく。
はんぺんは4等分の三角形に、ちくわぶは3cm幅で斜めに切る。
【さつま揚げ】と【がんもどき】は、熱湯にサッとくぐらせて油抜きをし、2の鍋に大根、しらたき、卵、ちくわぶとともに入れる。
弱めの中火で、煮立てないように20分間ほど煮ては冷ますという作業を、2~3回繰り返す。
温めることで具材のうまみが引き出され、冷ますことでそのうまみが各具材にしみこむ。
仕上げにはんぺんを加え、時々返しながら色づくまで煮る。土鍋に盛って昆布を入れ、卓上で温めながら食べる(煮詰まったら、2のとっておいた【だし】でうすめるとよい)。好みで溶きがらしや七味とうがらしを添える。
このレシピをつくった人
田村 隆さん
(1957~2020) 東京・築地にある日本料理店の三代目。日本各地の食材に精通し、個々の持ち味と特性を調和させた料理をこころがけている。
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