梅干し(3)土用干し
梅雨明け後、晴れた日が3日続く夏の日ざしになったら、いよいよ土用干し。日のよく当たる風通しのよい場所で、しっかりと乾燥させましょう。
写真: 松島 均
つくり方
盆ざるの三方にひもを結び、物干しざおなどにつるせるようにしておく。大きなボウルにひもを結んだ盆ざるをのせ、本漬けした梅干しを1粒ずつ、汁けをきって、重ならないように並べる。赤じそもざるに移し、へらで押さえ、梅酢をよくきる。ボウルにたまった梅酢は漬物容器に戻しておく。
1を物干しざおにつるして干す。梅の表裏を時々返しながら、3日間を目安に天日にあてる。夜は盆ざるごと室内に取り込む。
夜露にあててしっとりと仕上げる方法もあるが、雨の心配があるので、夜は室内にとりこむと安心。
3日目には、容器に入った梅酢も屋外に出し、日光にあてる。
3日目の夕方、3の梅酢の温かさが残っているうちに、2の梅干しとしそを戻す。赤じそはふりかけ用(全体備考参照)に一部残しておくとよい。
容器を静かに揺すって梅酢を全体に行き渡らせてから平皿2枚程度をおもしの代わりにのせて、ふたをする。暗くて涼しい場所で保存し、半年くらいたって味がなじむのを待つ。
【土用干しのポイント】~土用干しは、梅がシワシワになるまで~
天候や時間の都合で、3日間続けて干すのが難しい場合、8月のお盆休みに入ってもかまわない。日ざしが強く2日間で干し上がるときも、くもり空で4~5日かかることもある。干し加減は梅の表面が乾いてシワシワになるのを目安にする。
【梅干しの副産物】
●赤梅酢
梅干し用には平皿をのせて梅酢がヒタヒタになるほどが適量なので、余分な梅酢は別容器に移して保存する。年が明けるころには、梅干しが梅酢を十分に吸って味が落ち着くので、梅干しを浸していた梅酢も別容器に移すとよい。赤じその色と風味と梅の風味が染み出した赤梅酢は、漬物や酢の物やすし酢などに利用できて重宝。
●赤じそふりかけ
土用干しした梅を梅酢に戻す際、いっしょに干していた赤じその半分ほどを盆ざるに残し、薄く広げて、上下を返しながらさらに2~3日間干す。カラカラに乾燥したら、ポリ袋に入れて手でもんで粗くほぐしてから、フードプロセッサーかすり鉢で粉末にする。瓶などに入れ、冷蔵庫で保存。1年間は色あせず、風味も落ちない。
◆こちらの手順も参考に◆
梅干し
梅干し(1)塩漬け(下漬け)
梅干し(2)赤じそ漬け(本漬け)
このレシピをつくった人
杵島 直美さん
和洋中問わず、家庭でつくりやすいおかずを提案。母である料理研究家の村上昭子さんから受け継いだ保存食づくりは得意中の得意。簡単にできるアイデア料理も好評。
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