たいの刺身
材料
(つくりやすい分量)
- ・真だい 1匹(約2.5kg)
- ・大根 (細切り) 適量
- ・青じそ 適量
- ・むら芽 適宜
- *赤じその芽で、双葉に本葉が 出たばかりのもの。
- ・花穂じそ 適宜
- ・わさび (生/すりおろす) 適量
- ・酢
- ・しょうゆ
つくり方
流しに紙や新聞紙を敷き、たいをのせる。水でぬらし、頭のほうから、ウロコ取りで、全体のウロコをこそげ取る。
エラ、アゴ、背ビレの辺りなど、包丁が入る部分は隅々まで除く。
水けを拭き、まな板に頭を左、腹側を手前に置く。エラぶたを開き、エラの上下のつけ根を出刃包丁で切り離す。
流水を腹の中に当て、ささらか割り箸で血合いをかき出し、よく洗う。水けをきり、酢水で洗い、水けをよく拭く。
ささらとは、竹や細い木をたばねた道具で、洗浄などに使われる。
頭側を右、腹側を手前に置く。切り口から尻ビレの上に包丁を45度の角度で入れ、尾まで切り目を入れる。片手で上側の身を持ち上げ、中骨の上に包丁を少しずつ入れ、奥まで滑らせながら、切り目を開く。包丁が中骨の太い部分に当たったら、腹骨の関節を切って、はずす。
そのまま包丁を背のほうに滑らせていき、半身を骨から切り離す。
背を手前に置き、返し包丁(プロの技法2参照)で尾から頭のほうに向かって切り目を入れる。包丁を元に戻して頭側に45度の角度で入れ、包丁を中骨にのせ、尾に向かって滑らせて切り目を開く。腹骨の関節を切ってはずし、そのまま切り進んで骨から身をはずし、三枚に分ける。
中骨は「たい茶漬け」に使う。
骨抜きで小骨を抜く。
柳刃包丁で引く。背と腹の間に包丁を入れて切り分け、さく取りをする。
部位によって切り方を変え、皿に変化をつける。
皮を水でぬらし、尾のほうから身と皮の間に包丁を入れ、皮を引く。
皮が乾いていると、きれいに引けないので、ぬらす。
腹側の薄い身を切り離して細切りにする。厚い身は小骨を抜いた部分を細く切り取り、きれいに整える。背側の尾の部分をそぎ切りにし、さらに細切りにする。
細切りにしたり、細く切り取った身は、「たい茶漬け」に使う。
腹側の厚い身は2~3mm幅のそぎづくりにする。
背側は5mm幅の平づくりにする。器に刺身を盛り、青じそを敷き、大根、むら芽、花穂じそ、わさびをあしらい、しょうゆ適量を添える。
《プロの技法1 酢水で洗う》
水で洗うだけだと、表面のぬめりが完全に取れないので、酢水で洗う。酢水の割合は、水3リットルにつき酢大さじ2が目安。腹の中も洗う。
《プロの技法2 返し包丁を入れる》
返し包丁とは、包丁の向きを逆側に返し、通常とは反対に入れる技法。返し包丁を入れることで包丁の道筋ができ、おろしやすくなる。
《プロの技法3 刺身を引くテクニック》
皮を引くときは、片手で皮を動かしながら包丁を進めるのが、きれいに引くコツ。刺身は部位によって、切り方を変える。切り方は、そぎづくりと平づくりの2種類。そぎづくりは、たいの身を左の指で押さえ、包丁を刃元から斜めに45度の角度で入れて、手前に引き切る。平づくりは身を左の指で押さえ、身に対して、包丁を刃元から45度に当て、刃先まで使って一気に引き切り、右に送る。
このレシピをつくった人
田村 隆さん
(1957~2020) 東京・築地にある日本料理店の三代目。日本各地の食材に精通し、個々の持ち味と特性を調和させた料理をこころがけている。
つくったコメント