ちらしずし
子どものころよく食べた、春のおすしです。高価な材料はなくても、ひとつひとつの素材を丁寧に扱ってつくられたおすしは、「特別な料理」として心に残るものです。家族とともに楽しんでつくり、いただいてください。
写真: 澤井 秀夫
*全量
*約120分。昆布を水につける時間、干ししいたけを戻す時間、洗った米をざるに上げる時間は除く。
材料
(5~6人分)
- 【すし飯】
- ・米 600ml(カップ3)
- ・昆布 (8cm四方) 1枚
- ・みりん 大さじ2
- 【すし酢】
- ・米酢 カップ1/3
- ・砂糖 大さじ3
- ・塩 小さじ2
- 【混ぜる具】
- ・かんぴょう 16g
- ・焼きあなご 2本(90g)
- *市販。
- 【A】
- ・だし カップ3/4
- ・砂糖 大さじ1/2
- ・しょうゆ 大さじ2/3
- 【B】
- ・酒 大さじ5
- ・砂糖 大さじ1
- ・しょうゆ 大さじ1
- 【上に飾る具】
- 【しいたけのうま煮】
- ・干ししいたけ (小) 12枚(40g)
- ・干ししいたけの戻し汁 約カップ2
- ・サラダ油 小さじ1
- 【C】
- ・砂糖 大さじ4
- ・しょうゆ 大さじ2
- 【酢れんこん】
- ・れんこん 80g
- 【D】
- ・だし カップ1/3
- ・酢 カップ1/3
- ・砂糖 大さじ1+1/2
- ・塩 小さじ1/2
- 【錦糸卵】
- ・卵 6コ
- ・塩 少々
- ・絹さや 100g
- ・紅しょうが (せん切り) 適量
- ・塩
- ・サラダ油
つくり方
昆布は水カップ4につけ、1時間ほどおいて昆布だしをとる。具の干ししいたけは、水カップ2強に1時間以上つけて戻す。
米は洗ってざるに上げ、40分間ほど水きりしながら芯まで吸水させる(洗い米)。
洗い米は、乾かないようポリ袋に入れて冷蔵庫で1~2日間保存可能。「乾物」である米に水を含ませ、もとの状態に戻してから炊くと、ご飯の味がワンランクアップする。
洗い米を計量カップで量って炊飯器に入れ、それより1割少ない量の昆布だしを加える。みりんを回し入れて炊く。
洗い米は乾燥の米の約1.3倍の体積に。ここでは780mlになるので、およそ700mlの昆布だしを加える。
かんぴょうは洗って塩少々をふり、弾力が出るまでもむ。
塩を洗い流し、グラグラと沸かした熱湯で2~3分間ゆでる。透明感が出て柔らかくなったらざるに上げ、細かく刻む。
鍋に入れて【A】を加え、中火にかける。煮立ったらごく弱火にし、落としぶたをして約8分間煮る。煮汁が少し残るくらいで火から下ろす。
焼きあなごは頭のすぐ下の中骨をすくうように包丁の刃を入れて、頭を切り落とす。身は縦半分にし、小口切りにする。
鍋に入れて【B】を加え、中火にかける。煮立ったら弱火にし、落としぶたをして約8分間煮る。焦がさないように注意し、煮汁が少し残るくらいで火から下ろす。
ご飯の炊き上がりを見はからって、【すし酢】をつくる。小鍋に【すし酢】の材料を入れて弱火にかけ、砂糖を溶かす。
温めて砂糖を溶かせばよいので、沸騰させて香りをとばさないこと。
炊き上がったご飯を盤台にあけ、温かい【すし酢】を回しかけ、ねかせたしゃもじで切るように混ぜる。
かんぴょうを煮汁ごと加え、しゃもじでサックリと混ぜる。続いて8の焼きあなごも煮汁ごと加え、つぶさないように混ぜる。
うちわで風を当てて表面を冷まし、上下を返す。これを繰り返して手早く粗熱を取り、ひとまとめにし、堅く絞ったぬれ布巾をかけておく。
煮汁や具をご飯になじませておくことも、おすしをおいしくするポイント。
【しいたけのうま煮】をつくる。戻した干ししいたけは軸を落とし、薄切りにする。鍋に入れて戻し汁を加え、中火にかける。煮立ったらアクを取って【C】を加え、落としぶたをして弱火で20分間ほど煮る。
落としぶたを取って、サラダ油を回し入れ、煮汁がとんでつやが出るまでいりつける。
【酢れんこん】をつくる。れんこんは皮をむき、半月形の薄切りにしてサッと洗う。【D】とともに鍋に入れて中火で煮立て、透き通ったら汁ごとボウルに移して冷ます。
【錦糸卵】をつくる。卵をボウルに割りほぐし、塩を加えてよく混ぜ、ざるでこす。
卵焼き器を中火で十分に熱し、サラダ油を塗る。卵液を30~40mlずつ流し、片面をじっくりと、裏返して反対側をサッと焼き、取り出す。
粗熱が取れたら、四方の端を切り落として縦半分に切り、細切りにする。切り落とした端はみじん切りにして、【すし飯】に混ぜる。
絹さやはヘタと筋を取って色よく塩ゆでし、冷水にとる。
12の【すし飯】をめいめいに盛り、【酢れんこん】、【しいたけのうま煮】、【錦糸卵】をのせて、絹さやと紅しょうがをあしらう。
このレシピをつくった人
土井 善晴さん
おいしいもの研究所代表。長年にわたる多様な食の経験から、和食文化の伝統を踏まえた一汁一菜を提案。新しい発想で料理を楽しくするきっかけをつくったと評価され、2022年度 文化庁長官表彰に選ばれる。各大学にて教授、講師も務める。
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