白菜漬け
本格的な白菜漬けで、下漬けと本漬けの二度漬けにして仕上げます。浅漬けから、酸味や塩けが増して滋味深くなる古漬けまで、日がたつにつれて変化していく味わいを楽しみましょう。
写真: 木村 拓(東京料理写真)
*全量
材料
(つくりやすい分量)
- ・白菜 1コ(約3kg)
- 【下漬け用】
- ・粗塩 約120g
- *白菜の重量の4%。
- 【本漬け用】
- ・粗塩 約20g
- *下漬けを完了した白菜の重量の1%。
- ・赤とうがらし (種を取って小口切り) 3本分
- *好みで加減する。
- ・昆布 (4cm×5cm) 1枚(5g)
下ごしらえ・準備
容器の消毒について
1 容器、おもしは使用する前に、焼酎に浸した紙タオル(またはふきん)で全体をふいて、消毒します。本漬けでは下漬けで使用した容器、おもしを再び使用するので、きれいに洗って水けをふいてから、再び消毒して使いましょう。
つくり方
白菜は外側の青い葉など堅い部分をはがす。根元から中ほどまで包丁を入れ、手で裂いて半分にし、しんを少し切り落とす。
半分に裂いた白菜を1と同様にして、さらに半分に裂いて四つ割りにする(白菜が大きい場合は、半分に裂いてから3等分にして六つ割りにする)。水で洗い、切り口をふせて盆ざるに並べ、水けがきれるまでしばらくおく。
白菜の切り口を上にして盆ざるにのせ、半日ほど室内において陰干しする(うまみを濃くし、食感をよくするため)。
漬ける容器の底に分量の塩の1/6量(六つ割りにした場合は1/8量)を均等にふる。
白菜1/4コの根元部分に塩の1/6量をふり、根元全体に均等にすり込むようにしてなじませる。
5を4に詰める。残りの白菜も5と同様にして塩をすり込み、根元と葉先を交互にして、できるだけ透き間がないように容器に詰める。すべて詰め終えたら、上から残りの塩をふる。
6に水カップ1を回し入れる。ここで水を入れるのは、白菜から水分を出やすくさせるため(呼び水)。
7の上に平らな皿などをかぶせ、ポリ袋をかける。その上に白菜の重量の2.5~3倍のおもしをのせる。風通しがよく日の当たらない場所に置く。
1~2日後、白菜全体がしっかりかぶるくらいに水が上がったら下漬け完了。いよいよ本漬けに入ります。
白菜を取り出し、水を捨てる。容器は洗って、下ごしらえ・準備を参照して焼酎に浸した紙タオルでふき、4と同様にして本漬け用の塩の1/6量(六つ割りの場合は1/8量)をふる。白菜の水けを軽く絞り、5~6と同様にして根元部分に塩の1/6量をすり込み、容器に詰める。
9に赤とうがらし、適当な大きさに切った昆布を散らす。
8と同様にして、10におもしをのせる。ただし、おもしは下漬けが完了した白菜の重量(約2kg)の2倍くらいの重さにする。風通しがよく日の当たらない場所に置く。
1日ほどたって、白菜がヒタヒタにつかるくらいに水が上がったら、軽いおもし(白菜と同じくらいの重さ)にかえる。
おもしをかえて3~4日したら、本漬け完了。冷蔵庫に入る大きさの密封容器に漬け汁ごと移しかえ、冷蔵庫で保存する。
《道具について》
〈容器〉
今回使用する容器はホウロウ製の2種類。下漬け、本漬けには容量10リットル、直径24cmの深めの容器。下漬けでは、四つ割りにした白菜1コ分を二段に重ねて漬けますが、おもしをして白菜から水を上げるのに最適なサイズです。本漬けを終えて冷蔵庫に保存する段階で、左の角形の容器に移しかえます。
〈おもし〉
白菜から効率よく水を上げるためにはおもしが必要。今回は重さの異なる2コを使用。5.5kgと2.5kg。下漬けでは白菜の重量の2.5~3倍のおもしが必要なので、2コのおもしを重ねて使います。本漬けは下漬けより軽いおもしでよいので、最初は5.5kgのおもし、途中で2.5kgのおもしに差しかえます。
《食べごろ》漬けて4~5日後(冷蔵庫に移す時から)
《保存》漬け汁ごと密封容器に入れて 冷蔵庫で約2か月間
《おいしく漬けるポイント1「下漬けで、水をしっかり上げる」》
あまり長く時間をかけずに、しっかりと水を上げることがコツ。時間をかけすぎると、うまみまで流れ出てしまいます。重めのおもしをして、短時間で余分な水分だけを外に出すことが大切です。
《おいしく漬けるポイント2「塩けがまろやかになるまで常温におく」》
漬けたては塩けが強く、とがった味なので、塩けがまろやかになじむまで常温においてから、密封容器に移して冷蔵庫で保存します。常温におく期間は4~5日間。冷蔵庫に移す段階からが食べごろです。
このレシピをつくった人
濱田 美里さん
1977年 広島県生まれ。中医学から日本の郷土料理まで好奇心旺盛に幅広く探求する一方、現代の食卓に合った「和モダン」なレシピを発表している。現在は神戸にてオンライン料理教室や動画配信など行っている。
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