サムゲタン
冬の食べ物と思われがちですが、サムゲタンは夏バテ防止と暑さで疲れた体をいたわるための料理です。
写真: 坂上 正治
*1人分
*もち米を水につけておく時間は除く。
材料
(2~3人分)
- ・丸鶏 (頭と足先を落として内臓を除いたもの) 1羽分(約1.2kg)
- *スーパーや精肉店で注文できる。
- ・もち米 約カップ2/3(約130ml)
- ・朝鮮にんじん (生/小) 2本
- *または(大)1本。
- ・干しなつめ (小) 4コ
- *または(大)2コ。
- ・しょうが 1かけ(約10g)
- ・くり (鬼皮と渋皮をむいたもの) 2コ分
- *手に入らなければ省いてもよい。
- ・にんにく 2かけ
- ・ねぎ (白い部分/小口切り) 1/3本分
- ・塩 適量
- ・黒こしょう (粗びき) 適量
下ごしらえ・準備
つくる前にしておくこと
1 裁縫用の太い針(布団用など)とたこ糸を準備し、針は火でサッとあぶって消毒する。
つくり方
鶏に詰める具の下ごしらえをする。もち米は洗って水に30分間ほどつけ、ざるに上げて水けをきる。朝鮮にんじんは洗って水けをふき、縦2~3等分に切る。干しなつめは洗って水けをふく。しょうがは皮をむいて薄切りにする。
鶏は腹の中をよく洗い、水けをしっかりとふく。首のあたりの左右の皮を中央に寄せ、たこ糸を通した針で縫い合わせて穴を閉じる。
鶏に詰める具が飛び出さないように、左右の皮をきっちりと合わせ、たこ糸で縫って留める。
鶏の尾のほうの穴から、もち米・くり・にんにく各全量、朝鮮にんじん・干しなつめ・しょうが各半量を詰める。鶏に詰めた具がこぼれないように注意しながら尾の左右の皮を引っ張って中央に寄せ、たこ糸を通した針で縫い合わせて穴を閉じる。左右の足を中央に寄せ、たこ糸で縛る。
煮る間にもち米がふくらむので、パンパンに詰めずに少し余裕をもたせておく。具は均等に行き渡るように、左右に分かれるようにして詰める。
具を詰め終わったら、首と同様にして皮を引き寄せて、たこ糸でしっかりと縫い合わせて穴を閉じる。
仕上がりの見た目がきれいになるように、両足を中央に寄せて、たこ糸で縛っておく。
鍋に3の鶏を入れ、かぶるくらいの水を注ぎ、朝鮮にんじん、干しなつめ、しょうがの残りを加えて強火にかける。
4が煮立ったらアクを取り、弱火にしてふたをし、コトコトと3時間くらい煮る。途中、様子を見て、アクが出たら取り除き、汁が少なくなってきたら湯適宜を足し、鶏が水面から出ないようにする。
煮る間もアクが出てくるので、ていねいに取り除くことがおいしいスープに仕上げるコツ。
水面から出ると、肉が乾いてパサついてしまうので、汁が少なくなったら湯を差し、できるだけ水面から出ないようにして煮る。
鶏が柔らかくなったら取り出し、たこ糸を取り除いて器に盛る。鍋に残ったスープを注ぎ、食べやすい大きさに切って取り分ける。ねぎ、塩・黒こしょう各適量を小皿に入れて添え、各自で好みの加減に調えて食べる。鶏肉を骨からはずして別の皿にとり、塩と黒こしょうをふって食べ、そのあとにスープをおかゆのようにして食べてもよい。
鶏一羽をじっくりと煮たスープにはうまみがたっぷり。スープが余ったら、製氷皿に入れて冷凍し、チキンスープとして料理に活用しましょう。
このレシピをつくった人
金 裕美さん
韓国宮廷料理の人間国宝のもとで料理を学ぶ。韓国家庭料理から宮廷料理まで幅広い本場の味を、日本の家庭でもつくりやすいレシピで紹介している。大阪府八尾市で料理教室を主宰。
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