だし
正月料理に使う昆布だし、一番だし、二番だしは、一連の流れの中でつくれば、苦になりません。辰巳流だしのとり方で、丁寧なうまみのあるだしを。
写真: 小林 庸浩
材料
(昆布だしカップ10、一番だしカップ10、二番だしカップ7)
- ・昆布 (5cm角) 20~23枚
- *標準的なもの。昆布5cm角1枚を水カップ1分とする。 5cm角の昆布2枚ほどをおまけとして加えておくと、だしがあまり出ない昆布でも補いとなる。
- ・削り節 50~60g
- *かつおの赤身がよい。
つくり方
昆布はあらかじめ鍋に入れ、40分~1時間、水約カップ20につけておく。
本来は、この水の味を確かめてみて、水加減、煮出し時間の見当をつける。
1を火にかける。しかし、最強の火は厳禁で8~10分間で煮立つようにする。
煮立つといっても、決してグラグラ沸かしてはいけない。80~90℃の間で煮ること。
この間に、5分経過、7分経過という具合にしてだしを味わってみて、昆布のくせが出てきそうなら、速やかに昆布を引き上げる(つまり、「この昆布ならこの程度のうまみを引き出せたところでよしとしよう」という見極めをもって、昆布を引き上げる)。これで昆布だしができ上がり。ここから半量の昆布だしを別器に移す。
弱火にして、3の残りの昆布だしに、杯1杯の水を加え、削り節40gを入れる。
削り節を入れたら、味わってみて、四呼吸、または五呼吸でだしをこす。これで一番だしがとれる。
一番だしをとったあとの昆布と削り節に、一番だしの約8割の水を入れ、中火の強で煮始め、煮えてきたら削り節10~20gを加える。
この追いがつおの量は、煮えたとき、その味を味わって決める。
火加減を弱くして20~25分間、大切に、濁らないように煮出す。これをこして二番だしとする。
一番だしは塩(またはだしが冷めてから梅干し1コ)、二番だしはしょうゆ・酒を控えめに加え、粗熱を取ったらすぐ冷蔵か、冷凍する(冷蔵庫で2~3日もつ)。
このレシピをつくった人
辰巳 芳子さん
1924年生まれ。料理研究家の草分けだった母、浜子氏のもとで家庭料理を学ぶ一方、西洋料理の研さんも重ねる。父親の介護を通じてスープに開眼。高齢者へのスープサービスにも力を注ぎ、鎌倉の自宅などでスープ教室を主宰している。食育も実践し、児童が種をまき、育て、食べる「大豆100粒運動」を提唱し、広めている。
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