新米を土鍋で炊く
材料
- ・米 2合
- ・水 360ml
- *3合の場合は540ml。4合の場合は720ml。
つくり方
米用の計量カップ(炊飯器などに付属しているもの)に山盛りの米を入れ、はしなどですりきる。これで1合(180ml)。一般的な計量カップ(200ml)とは分量が異なるので注意する。無洗米の場合は、同様にはかり、水量で調節するようにする。無洗米の場合は8の「水に浸す」へ。
ボウルにたっぷり水をため、別のボウルに入れた米に、一気に注ぐ。
最近では米を触っても、ぬかが手につくことがなくなった。精米技術が向上し、米には少量のぬかしか残っていない。今どきの洗米は「研ぐ」のではなく、「洗う」だけで十分。
サッとひと混ぜし、すぐに水を捨てる。米を流すのが心配なら、ざるにあけてもOK。
米は最初に注ぐ水をよく吸うので、ボウルにためた水を一気に注ぎ、すぐに捨てる。時間をかけると、米にぬかの臭いがついてしまう。
指を立て、米を4~5回混ぜるようにする。
水を蛇口から一気に注ぎ、サッとひと混ぜする。
混ぜたらすぐに水を捨てる。この「すすぎ」を3~4回繰り返す。
水が少し濁っているくらいですすぎは終了。濁りのもとは米から溶け出したでんぷんなので、水が透明になるまですすぐと、その分、甘みも減ってしまう。
ざるにあけて水けをきる。水が下から落ちなくなったら、土鍋に移す。
米は水に浸すとでんぷんが分解され、甘みのもととなる糖が出てくる。水量は米の容積の1.2~1.3倍が目安だが、米は洗ったときにも水を吸っている。洗った米と同容積の水を加える、と覚えておき、あとは好みで調節していく。
無洗米の場合は5~10%(1合当たり大さじ1程度)の水を余分に加える。
夏(水温30℃)は30分間、冬(水温5℃)は1時間が浸水時間の目安。秋なら45分間くらいでよい。ただし、新米は組織が柔らかく吸水もしやすいので、シャキッとしたご飯が好きなら、やや短めに。急いでいるときは約40℃に温めた水を注いでふたをし、15分間待てば吸水完了。このあと普通に炊く。水温が高いと吸水が早く、でんぷんを分解するアミラーゼもよく働くので、甘みも出る。
点火。強めの中火で約12分間。アミラーゼは40~50℃で最もよく働くため、ゆっくり温度を上げると糖がたくさんできる。温度上昇が早すぎると甘みが少なく、芯(しん)も残りやすい。
沸騰。弱火で約12分間。ふたの穴から蒸気が出てきたり、吹いて泡が出てきたら、沸騰してきた合図。
強火で1分~1分30秒間。おこげのでき具合は、ここの時間で加減する。
消火。火から下ろして約15分間。ふたの穴に顔を近づけ、少し「おこげ」の香りがしてきたら火を止める。離れていても香るようだと、「おこげ」が焦げすぎてしまう。米の表面に出ている水分と糖を米の内部に戻す。
鍋肌に沿ってしゃもじを入れ、グルリと1周させる。
蒸らし終わったら軽くかき混ぜ、余分な水けをとばすと、ご飯が水っぽくならない。すぐに食べない場合は、軽く混ぜたあと、ふきんをかけてからふたをすると、冷えた水蒸気が落ちてくるのを防げる。
切るようにしゃもじを入れ、鍋底から大きく混ぜる。
【新米と呼べるのは12月まで】
秋に収穫された米は、その年いっぱいは新米と呼ばれ、年がかわると古米に、さらに翌年には古古米となります。近年では保存・流通の状態がよいため、古米でも品質の劣化は少なくなっています。
【米の保存は冷蔵庫で】
精米した米は時間がたつにつれて、味わいや品質が落ちていきます。2~3週間で食べきれる分量を購入するようにしましょう。
また、常温では品質劣化が早いので、密封できる容器に移し替え、冷蔵庫の野菜室などで保存するのがおすすめです。ペットボトルのほか、密封容器(2kgの米で3リットル弱の容量が目安)も、すりきりなど米の計量もしやすいのでおすすめです。
【水の硬度とpH】
炊飯の際、市販のミネラルウォーターを使う場合は、軟水を選ぶようにします。硬水で炊くと、ご飯がパサついてしまいます。また、アルカリイオン水を使用する場合、pH9以上だとご飯がベタつく原因になります。
【余ったご飯は冷凍保存】
できれば炊いたその日のうちに食べきりたいものですが、翌日以降までおくなら、冷凍庫で保存するのがおすすめです。冷蔵庫では、でんぷんが老化してご飯が堅くなり、味も悪くなっていきます。
温かいうちにご飯を茶碗1杯分くらいずつラップで包み、粗熱が取れたらすぐに冷凍しましょう。食べるときは電子レンジで解凍し、温めます。
【炊く・蒸らす】
「炊く」とは、米に水を加えて加熱してでんぷんを分解し、糊のりのような状態にすること(糊化)。沸騰するまでの前半の段階で、でんぷんを分解する酵素のアミラーゼを働かせ、糖を増やすのが、甘みのあるご飯を炊くコツです。 炊く最後の段階では、火を強めて余分な水けをとばしますが、今回はここで少し時間をかけて、おいしい「おこげ」をつくりましょう。水けをとばすだけならば数十秒間で大丈夫です。
最後の「蒸らし」は、ご飯をおいしくする大きなポイント。米粒の表面に出ている水分を内部に浸透させ、均一にふっくらとさせる効果があります。また、ご飯の甘みのもとである糖は、この水分の中にあるため、しっかり蒸らすことで、かんだときに甘みを感じるご飯になります。
このレシピをつくった人
河野 雅子さん
大学で食物学を専攻後、料理研究家になる。4人家族の食事づくりを生かした、家庭的でつくりやすい料理のおいしさに定評がある。
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