干し柿
渋柿は、皮をむいて数週間干すことで渋みが感じられなくなり、隠れていた甘みが前面に出て、甘柿に負けない濃厚な甘みを生み出します。干しはじめの3日間が大切なので、晴天が続く時季をねらって準備しましょう。
写真: 竹内 章雄
*1コ分
*1コ分
*ひもの準備、干す時間は除く。
材料
(24コ分)
- ・渋柿 24コ
- *干し柿用に、枝をT字に残して切ったもの。農産物の直売所やインターネットなどで入手できる。
下ごしらえ・準備
ひもの準備(両端に輪をつくる)
1 50cm長さのポリエチレン製のひもを6本、70cm長さを6本用意する。
2 端に小さな輪をつくり、その中に、残りのひもをU字形にして輪にくぐらせる。
3 片側の端を引っ張り、引き締めて結び目をつくる(反対側の端を引っ張ると、結び目がほどける状態)。
つくり方
渋柿は洗って水けを拭き、ヘタのヒラヒラしたところを料理ばさみで切り取る。
ヘタの付け根の皮をグルリとむく。
残りの皮を縦にむく。
用意したひもの輪に柿の枝をくぐらせ、根元をキュッと締めてくくりつける。
1本のひもの両端に柿を1コずつくくりつける。
鍋に湯を沸かし、4のひもを持って柿を沈め、10秒間たったら引き上げる。
戸外の風通しのよい場所に置いた物干し台のさおにかけ、柿が隣り合わず互い違いになるように干す。雨の日は、物干し台ごと室内に移動して干す。
ひもの中心からずらしてつり下げ、長さに長短をつけるとよい。
鳥にねらわれそうなら、あれば、家庭菜園用の鳥よけのネットをかけると安心。
干し柿を夜露に当てるとかびが生えることもあるので注意。夜は物干し台ごと室内に取り込むか、物干し台から外してざるに並べるとよい。翌朝また戸外に干す。
8~10日後に表面が堅く乾いてきたら、全体をやさしくもむ。翌日からは、1~2日おきにもむとよい。
雑菌がつかないように調理用の手袋をするか、清潔な手で。もむことで味も柔らかさも均一になる。
渋みが抜けて好みの堅さになるまで合計で2〜3週間干し、枝ごとひもを切り落とす。
●干し柿の保存
冷蔵庫で2週間、冷凍庫で6か月間。
冷凍用保存袋に入れ、しっかりと空気を抜いて口を閉じる。冷凍した場合は室温で解凍するか、耐熱皿に並べてラップをし、1コにつき電子レンジ(600W)に10~20秒間かける。
◆皮の活用法◆
皮も干し柿と同様に、2週間ほど干すと渋みが抜けるので、ぬか床に入れたり、白菜漬けなど漬物の風味づけにしたりと活用できます。ざるに広げ、日中は戸外の風通しのよいところで干し、夜間は室内に取り込みましょう。
※保存:清潔な保存容器に入れ、冷蔵庫で2〜3週間。
このレシピをつくった人
渡辺 あきこさん
各地に伝わる郷土料理に興味をもち、全国の「母の味」を訪ね歩くことがライフワークに。料理教室やテレビ番組、数々の著書を通して、ほっこりとした家庭料理のレシピを伝え続けている。
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