あじの押しずし
あじは塩とすだちの果汁でしめると、身がプリッとしてうまみがぐんとアップ。青じそやごま、蛇腹きゅうりで風味や食感を足して、この上なくさっぱり、すがすがしく仕上げます。
写真: 竹内 章雄
*全量
*全量
*あじをおく時間は除く。
材料
(内寸14×5.5×高さ5cmのバッテラ型1台分)
- ・あじ (刺身用/三枚におろしたもの) 1匹分(55~70g)
- ・すだち(または柚子(ゆず))の搾り汁 適量
- *すだち約15コ分。市販のすだち酢でもよい。
- 【白板昆布の甘酢煮】*つくりやすい分量。冷蔵庫で約1か月間保存できる。さばやます、サーモンなどの押しずしにも。
- ・白板昆布 (23cm長さ) 5枚
- *全体備考参照。
- 【甘酢】
- ・水 カップ1
- ・酢 カップ1/4
- ・砂糖 カップ1/4
- 【すし飯】
- ・ご飯 (温かいもの) 150g
- 【A】
- ・米酢 大さじ1弱
- ・三温糖 大さじ1/2
- ・粗塩 1/2
- ・白ごま 小さじ1
- ・すだち(または柚子)の搾り汁 小さじ1
- ・姫きゅうり 1本
- *長さ14~15cmの小さなきゅうり。
- ・青じそ 2枚
- ・焼きのり (14×1cm) 1枚
- ・木の芽 15~16枚
- ・すだち (半月形に切る) 適量
- ・塩
つくり方
三枚におろしたあじはバットに入れて両面に塩小さじ1/4をふり、暗く涼しい場所(または冷蔵庫)で2時間おく。水けを拭いて、あじが浸るくらいまですだちの搾り汁を注いで10分間ほどおく。
表面が白っぽくなるまでしめ、風味をつける。
鍋に白板昆布と【甘酢】の材料を入れて中火にかけ、煮立ったら弱火で20分間ほど煮る。
白板昆布を使うとあじのうまみがさらに高まる。あれば、銅の鍋で煮るときれいな緑に発色する。
姫きゅうりは塩少々をふって板ずりし、熱湯でサッとゆでて冷水にとり、水けを拭く。1/2程度の深さまで全体に斜めに細かく切り目を入れ、裏返して同様に切り目を入れる(蛇腹切り)。両端を切り落とす。青じそは縦に1cm幅に切る。
きゅうりをサッと熱湯に通すと青くささが取れ、色もさえる。
【A】を混ぜ合わせ、粗塩、三温糖を溶かす。ご飯に加え、しゃもじで切るように混ぜる。白ごま、すだちの搾り汁を加えて切るように混ぜ、人肌程度に冷ます。
あじの汁けを拭き、頭のほうから皮をひく。皮側を下にして1枚を型の底に敷き、均等な厚さになるように、残り1枚は適宜切って隙間に敷き詰める。
型に【すし飯】の2/3量ほどを入れ、平らにならす。中央を少しくぼませて青じそを敷き、3の姫きゅうりを軽く押し込む。
【すし飯】は型の縁と角までしっかり詰めると形よく仕上がる。
姫きゅうりの上に細長く切った焼きのりをのせる。残りの【すし飯】をのせて平らにならす。
ふたをして力が均等にかかるように両手で押す。
体重をかけるようにグッと押さえ、パッと離す。これを2~3回繰り返す。米粒がつぶれるほど押さないこと。
型から出し、裏返してあじを上にして置き、木の芽をのせる。2の【白板昆布の甘酢煮】を汁けをきって1枚のせる。食べやすく切り、すだちを添える。
【白板昆布の甘酢煮】は押しずしの大きさに切ってのせる。
【バッテラ型】
押しずし用の型。外枠、底ぶた、押しぶたで一組になっている。
【白板昆布】
昆布の加工品の一種で、昆布の表面を削り取ったあとの白い芯の部分。なければ、かつらむきにした大根を甘酢(水4:酢1:砂糖1の割合)に30分間ほどつけたものでもよい。
◇神田さん直伝プロの技◇
1、あじにかんきつの酸味と風味をつけ、ごまや青じその香りでアクセントを加える。
2、押しずしとはいえ、押しすぎない。
3、白板昆布の甘酢煮をのせて、あじのうまみを高める。
このレシピをつくった人
神田 裕行さん
パリの日本料理店で料理長を務め、帰国後、徳島と東京の料亭で研鑽を積み、東京で独立。
世界的なレストランガイドの東京版では最高評価を得、多忙な毎日を送っている。
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