里芋と豚の照り煮
コロリとした里芋と豚肉に甘辛い煮汁を照りよくからめた、気取りのないおかず。里芋が小さければ、真ん丸のまま煮ても。切ったものとは違ったおいしさです。
写真: 宮濱 祐美子
*1人分
*1人分
*里芋を乾かす時間は除く。
材料
(4人分)
- ・里芋 6~8コ(600g)
- ・豚バラ肉 (塊) 250g
- ・しょうが 10g
- 【A】
- ・水 カップ3+1/2
- ・しょうゆ 大さじ3+1/2
- ・砂糖 大さじ2
- ・酒 大さじ2
- ・絹さや 適量
- ・塩
- ・サラダ油 少々
- ・みりん 少々
つくり方
里芋は表面をたわしでこすって洗い、泥を落とす。水けをきり、時間があれば、ざるや新聞紙などに広げ、しっかりと乾かす。
◎洗って乾かしてから皮をむくのがおすすめ◎
里芋を洗ってすぐに皮をむくよりも、乾かしてからむいたほうがぬめりにくく、滑ったり手がかゆくなるのを防げる。
皮の繊維に沿って丸く皮をむき、大きければ2~3等分の乱切りにして水に放す。
なるべく同じ大きさ、同じ形に切ると煮上がりが均一に。小ぶりな里芋は切らずにそのまま煮ても。
◎こんな皮のむき方も◎
里芋をしっかりと持ち、包丁の刃を直角になるように当ててこそげると、皮だけが削り取れるので身がむだにならない。小ぶりな里芋の下処理におすすめ。
水けをきってボウルに入れ、塩適量をふって手でもむ。流水でぬめりを洗い流し、ざるに上げる。
◎必要に応じてぬめりを取る◎
照り煮のように味が濃いめの煮物の場合は、下ゆでせずに塩もみして洗うか、そのまま煮る。ぬめりをしっかり取りたい場合は、塩水で下ゆでする。
しょうがは薄切りにする。豚肉は2.5cm幅、1cm厚さほどの大きさに切る。
鍋にサラダ油をひいて強めの中火で熱し、4を入れる。豚肉を返しながら全体に焼き色をつけ、脂が多く出たら紙タオルに吸わせて除く。
先に豚肉を焼いて香ばしさをつけ、余分な脂を出しておく。
【A】を加え、煮立ったら里芋を加える。時々アクを取って混ぜながら、中火で約30分間、煮汁が少なくなるまで煮る。絹さやは筋を除き、サッと塩ゆでして湯をきる。
豚肉からうまみが出るので、だしは使わず水と調味料だけで十分。
里芋に竹串がスッと入るくらい柔らかくなったら、みりん少々を回しかける。
鍋を前後に揺すり、材料を底から返して汁けをとばし、照りを出す。器に盛り、絹さやを斜め半分に切ってあしらう。
◎「鍋返し」で照りをつける◎
両手で鍋を持ち、勢いをつけて中身を向こう側から手前へ返すことを「鍋返し」という。へらや箸で混ぜるより材料がくずれにくく、少なくなった煮汁が全体にからんで照り、つやが出る。
このレシピをつくった人
江上 栄子さん
東京都内で料理学校を主宰。料理学校の創始者、故・江上トミさんの教えを守り、家庭の料理の大切さ、その伝播に尽力している。
青山学院大学を卒業後、フランスのパリでル・コルドン・ブルー料理学校修士課程を修了。
佐賀県の有田・香蘭社の出身なので、食器にも造詣が深い。漆工協会理事、経済産業省の伝統的工芸品産地プロデューサーを務める。
一方、フランスチーズ鑑評騎士の全日本支部理事長を務めるなど、諸外国とのかかわりも深く、2002年3月、フランス政府より農事功労章シュヴァリエを受勲。2016年にはシュヴァリエをオフィシエに昇格。外食産業や食品会社の顧問としてフードビジネス全体に携わる。2015年には、女性で初めてアメリカの殿堂入りを認可された。
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