スパイスレモン塩
旬のレモンを丸ごと塩漬けにします。果実も液体もさまざまな料理に使える、万能調味料になります。
写真: 野口 健志
*全量
*全量
*漬ける時間は除く。
材料
(つくりやすい分量)
- ・レモン (国産) 3コ
- *1コ約120g。
- ・粗塩 大さじ3
- ・クローブ (ホール) 3コ
- ・シナモン (スティック) 1本
- ・塩 適量
下ごしらえ・準備
1 保存瓶は耐熱で容量500mlのものを用意し、きれいに洗う。最初に40℃くらいのぬるま湯を回し入れて温め、一度湯を捨て、沸騰した湯を回し入れる。やけどに十分注意して湯をよくきり、清潔な布巾の上にねかせて蒸気を逃がしながら乾かす。
つくり方
レモンは表面を水でぬらして塩適量をまぶし、皮をよくこすって洗う。紙タオルで水けをしっかりと拭く。
まな板の上に置き、皮と果肉が柔らかくなるように、上から軽く押しつけるようにして転がす。
ナイフの刃元などでヘタを取り除く。
レモン1コは、塩となじみやすいように皮に数か所、浅く切り目を入れる(切り目の形は好みでよい)。完全に切り離さないようにして、放射状に8等分に切り目を入れる。
残りの2コは横半分に切る。そのうち1/2コは、放射状に4等分に切り目を入れ、別の1/2コは8等分に切り目を入れる。
使うときに量が調節しやすいよう、切り方、切り目の入れ方に変化をつける。残り1コ分は果汁を搾るので、切り目を入れずそのままで。
4、5で切り目を入れたレモンにクローブを1コずつ刺す。
4のレモンの切り目を入れた側から粗塩大さじ1を詰め、保存瓶に入れる。5で切り目を入れたレモンは、1/2コにつき粗塩大さじ1/2を詰めて加える。
シナモンを加え、残りのレモンの果汁を搾る。搾ったあとの皮も加え、粗塩大さじ1を詰め、ふたをして常温におく。
時々上下を逆さまにしてなじませ、1週間ほどたって粗塩が完全に溶け、液体になったら完成。室内の暗く涼しい場所(ない場合は冷蔵庫)におき、清潔なスプーンなどで取り出して使う。日がたつにつれ、酸味と塩けがまろやかに。
◆スパイスレモン塩◆
皮と果肉の塩漬け。料理によっては、一緒に漬けたスパイスとともに使う。
◆スパイスレモン塩エッセンス◆
塩の溶け込んだ果汁。皮のペクチンが溶け出しているので、少しとろみがある。
【2つのスパイスをプラス!】
◆クローブ◆
甘く刺激的な強い香りはかんきつ類との相性がよく、紅茶やハーブティーなどの風味づけにもよく使われる組み合わせ。「オイゲノール」という抗酸化力にすぐれた成分が含まれ、消化を促進して胃腸の働きをよくしたり、体を温める効果があるといわれている。
◆シナモン◆
甘い香りとほのかな辛みがあり、お菓子の風味づけによく使われるおなじみのスパイス。末端まで血流をよくする働きがあるといわれ、体の冷えを改善したり、胃腸や肌の調子を整えたりと、女性にうれしい効果で知られている。
【食べごろ】
漬けて約1週間後から。
【保存】
暗く涼しい場所で1~2か月間。
◆つぶつぶレモン塩◆
スパイスレモン塩の皮についている実の部分を除き、細かく刻んだものをオーブン用の紙に広げて1~2日間天日干しに。完全に乾燥させて瓶などに入れておくと、少量だけ使いたいときに便利。
◆このレシピを使ったおすすめの料理はこちら◆
豚肉とたまねぎのスパイスレモン塩煮
鶏もも肉のグリル スパイスレモン塩風味
根菜と豆のスパイスレモン塩ピクルス
温野菜のサラダ スパイスレモン塩ドレッシング
ふわふわレモン塩マヨネーズ
えびのスパイスレモン塩ピラフ
このレシピをつくった人
井澤 由美子さん
旬の食材の効能と素材の味を生かしたシンプルな料理と、江戸っ子らしい気さくで温かな人柄が表れた料理が人気。とくに発酵食品のレシピ開発はライフワーク。体を健やかに保つ薬膳と組み合わせた独自のレシピメソッドも提案している。
企業商品開発、カタログ、講演、著者多数。レモン塩、乳酸キャベツブームなどの火付け役としても知られる。
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