いちごのショートケーキ
難しいと思われがちなスポンジケーキも、生地の様子を見ながらていねいにつくれば、しっとりふんわり仕上がります。
写真: 浮田 輝雄
*全量
*卵を室温に戻す時間、スポンジケーキを冷ます時間は除く
材料
(直径18cmの底が抜ける丸型1台分)
- 【スポンジケーキ生地】
- ・全卵 (大) 150g(約2+1/2コ分)
- ・卵黄 20g(約1コ分)
- ・グラニュー糖 90g
- ・薄力粉 90g
- ・バター (食塩不使用) 20g
- ・牛乳 大さじ1
- 【シロップ】
- ・水 40ml
- ・グラニュー糖 25g
- ・キルシュ 小さじ1
- *さくらんぼのリキュール。
- 【ホイップクリーム】
- ・生クリーム 400ml
- ・グラニュー糖 60g
- ・いちご (中) 17~20コ
- ・バター
- ・強力粉
下ごしらえ・準備
1 卵は室温に戻す。
2 薄力粉はふるっておく。
3 【スポンジケーキ生地】用のバターと牛乳を合わせて、小鍋、またはボウルに入れておく。
4 オーブンを170℃に温めておく。
5 【ホイップクリーム】用のボウル2コを冷蔵庫で冷やしておく。
6 底が抜けるタイプの型を使用するので、底が動かないように、テープで2か所ほど固定する。
7 型の底と側面に、溶かしバター適量をはけでぬり、強力粉適量をまぶす。型をたたいて余分な粉をしっかりと落とし、冷蔵庫に入れておく。
8 いちごは飾り用7~8コ(1コはヘタをつけたままにする)を残して、縦半分に切る。
つくり方
ボウルに全卵と卵黄を入れ、泡立て器でよくほぐす。グラニュー糖を加えて、よくなじませる。
1を湯せんにかけ、泡立て器でよく混ぜる。指を入れてみて、風呂の湯くらいの温度(40~42℃)になったら、湯せんからはずす。その湯でバターと牛乳を湯せんにかけ、溶かしておく。
ハンドミキサーを低速にし、すばやく円を描きながら2を1分間泡立てる。次にハンドミキサーを高速にして、生地が少しだけもったりとするまで、同様に約1分~1分30秒間泡立てる。ハンドミキサーを持ち上げたとき、生地がスーッと絶え間なく落ち、まだリボン状の跡が残らないくらいが目安。
ハンドミキサーを低速に戻し、ゆっくりと円を描きながら1分間泡立ててきめを整える。ハンドミキサーを持ち上げたとき、生地がトロトロと落ちて、リボン状の跡ができたそばから消えていくくらいが目安。
ハンドミキサーを泡立て器に変え、50回グルグルと混ぜる。泡立て器を持ち上げたとき、リボン状の跡が残り、ゆっくりと消えていくくらいが目安。
泡立て器の先をボウルの底について、ゆっくりと混ぜる。さらにきめが細かくなる。
5に薄力粉の1/2量をまんべんなく加える。ゴムべらをボウルに沿わせるようにして、ボウルを少しずつ回転させながら10回ほど混ぜる。残りの薄力粉を加えて、同様に混ぜる。
生地がだいたい混ざったら、ボウルの中央を縦に通るようにゴムべらを動かし、向こう側に返すようにして混ぜる。ボウルを少しずつ回転させ、薄力粉が完全に見えなくなるまで混ぜる。
2のバターと牛乳をよく混ぜ、ゴムべらを伝わせて7に加える。ゴムべらをボウルに沿わせるようにしてよく混ぜる。
型のテープをはずし、8を高いところから流し入れる。ゴムべらについた生地は重いので、端のほうに入れる。
高いところから入れると大きな泡が消える。
170℃のオーブンで約45分間焼く。型と生地の間に透き間ができ、表面がしっかりとしていれば焼き上がり。また、中央に竹ぐしを刺してすばやく抜き、何もついてこなければOK。
型と生地の間にパレットを差し入れ、一周する。カフェオレボウルの上に置いて型を下に降ろして抜く。
粗熱が取れたら、型の底とスポンジケーキの間にパレットを差し入れて型をはずす。逆さにして網の上で完全に冷ます。
スポンジケーキの厚みの半分のところに、ナイフで軽く切り目を入れていく。一周したら、その切り目に沿ってナイフを差し込み、スポンジケーキを回しながら完全に2枚に切る。
【シロップ】をつくる。グラニュー糖と分量の水を小鍋に入れ火にかけ、グラニュー糖が溶けたら火を止めてキルシュを加える。はけを水でぬらし、シロップが熱いうちに、はけをねかせてスポンジケーキの断面にぬる。
ボウルに【ホイップクリーム】の材料を入れ、底に氷水をあてながら、ハンドミキサーで七分立て強に泡立てる。ハンドミキサーを持ち上げたときに、柔らかいツノが立つくらいが目安。
泡立て器に持ち替えて、グルグルと混ぜ、八分立てに泡立てる。泡立て器を持ち上げたときに、一呼吸おいてからポトリと落ちるくらいが目安。
焼いたとき上になっていた面が下になるようにスポンジケーキを置く。パレットで断面にクリーム適量をぬり、半分に切ったいちごを軽く押しつけるようにして並べる。
さらにクリーム適量で覆い、パレットでならしたら、残りのスポンジケーキをのせ、上から網で軽く押さえる。
スポンジケーキの上面にクリームをのせてパレットでならす。側面はクリームを置くようにぬって整える。最後に上面の端の立ち上がりを中心に向けてならす。
クリームが分離するので、パレットを動かすのは最小限に。
残りのクリームを絞り出し袋に入れる。ケーキの縁より少し内側から絞り出し、クリームが縁に届いたら、中心に向かってゆっくり引く。クリームが落ち着くまで冷蔵庫で休ませる。
中心部に、飾り用のいちごをバランスよくのせる。
生クリームを扱うときは、分離しやすくなるので、火の近くや、暖房のきいた部屋で作業しないこと。
《失敗から学ぼう!しっとりスポンジをつくるポイント》
1. ふくらんでからしぼんでしまった!
泡立てすぎが原因。泡が必要以上に大きくなると、きめも粗くなってしまう。2の湯せんで、卵の温度が高くなると泡立ちすぎてしまうので注意。また3~5で、生地の跡がリボン状にくっきり残るまで泡立てすぎないように。
2. ふくらまない!
泡立てが足りないのが原因。生地に空気が含まれないので、泡一つ一つにふくらむ力がなく、堅いスポンジになってしまう。3~5で、少しずつていねいに泡立てることが大切。
3. 大成功!
きめが細かく整っていて、全体が均一にふくらんでいる。口当たりはしっとりとしている。
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このレシピをつくった人
島本 薫さん
パリでの4年半の修業ののち、2005年に帰国。
兵庫県宝塚市で料理とお菓子の教室を主宰している。
管理栄養士時代に培った知識に基づいた理論を交えながら、楽しくつくるレッスンが人気。こどものためのクラスや出張料理教室も行っている。
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