ビーフシチュー
冬の洋食の王様、ビーフシチュー。プロの味が家庭でつくれます。寒さの厳しいこの季節に、極上の一皿をどうぞ。
写真: 久間 昌史
*全量。マッシュポテトは除く。
*全量。マッシュポテトは除く。
材料
(つくりやすい分量/4人分程度の量)
- 【ドミグラスソース】
- ・にんじん 1/2本(100g)
- ・たまねぎ 1/2コ(100g)
- ・ねぎ 1/2本(50g)
- ・セロリ 1/4本(50g)
- ・ミニトマト 6コ
- ・牛脂 100g
- ・牛すじ肉 800g
- ・トマトペースト 40g
- 【A】
- ・ジュニパーベリー 5粒
- *西洋ねずの実を乾燥させたスパイス。松の実に似た香りで、肉料理やジンの香りづけに使われる。
- ・タイム (生) 2g
- ・ローリエ 2枚
- ・コリアンダー (乾) 5粒
- ・たまねぎ 1コ(200g)
- ・牛バラ肉 (塊) 800g
- ・赤ワイン (漬け込み用) カップ1+1/4
- 【B】
- ・にんじん 1/2本(100g)
- ・たまねぎ 1/2コ(100g)
- ・ねぎ 1/2本(50g)
- ・セロリ 1/4本(50g)
- ・ミニトマト 6コ
- ・牛脂 50g
- 【C】
- ・薄力粉 30g
- ・強力粉 30g
- ・牛脂 50g
- ・赤ワイン (煮込み用) カップ1
- 【D】
- ・ポートワイン カップ3/4
- ・赤ワイン カップ3/4
- ・マデラ酒 カップ1/2
- ・バター (食塩不使用) 30g
- ・マッシュポテト 適量
- *全体備考参照。
- ・クレソン 適宜
- ・黒こしょう (粗びき) 少々
つくり方
にんじん、たまねぎ、ねぎ、セロリは1cm角に切る。ミニトマトはヘタを取って半分に切る。フライパンに牛脂50gを入れて強火で熱し、脂が出てきたら野菜を加え、焼きつけるように炒める。
別のフライパンに残りの牛脂50gを入れて強火で熱し、脂が出てきたら牛すじ肉を加え、しっかり炒める。
鍋(26cm程度)に1、2、トマトペースト、水1.5リットルを入れて強火にかける。沸騰したらアクを取り、【A】を加え、弱~中火で煮る。ヒタヒタより水分が減ったら水を足しながら6時間以上煮込む。(フォン)
余分な脂が入ると分離しやすいので、2は脂を取り除いて入れる。水分量は常にヒタヒタを保つこと。
さらしをのせたボウルにたまねぎをすりおろし、しっかり絞る。
小さめのフライパンに4の汁を入れて強火にかける。煮詰まったら水カップ1/2を加え、耐熱のへらなどで底面をこそげ落とすように水となじませる。さらに煮詰めて半量ほどにし、とろみがついたら火を止め、保存容器に移す。粗熱を取り、空気に触れないように表面にラップをして冷蔵庫におく。
牛バラ肉を縦に置き、上側をタコ糸で結ぶ。小包などを縛る要領で十文字になるよう数か所糸をかけて肉を固定し、最初の結び目で糸を結ぶ。
形くずれを防ぐ。肉にタコ糸を巻きつけるだけでは、加熱して肉が縮んだときに外れやすいのでしっかり結ぶこと。
6をジッパー付きの保存袋に入れて4のすりおろしたたまねぎを全体にまぶし、赤ワインを注ぐ。空気を抜いて口を閉じ、冷蔵庫で一晩漬け込む。
【B】のにんじん、たまねぎ、ねぎ、セロリは1cm角に切る。ミニトマトはヘタを取って半分に切る。フライパンに牛脂を入れて強火で熱し、脂が出てきたら野菜を加え、焼きつけるように炒め、火を止める。
耐熱皿に【C】を混ぜ合わせて広げ、ラップをせずに電子レンジ(600W)に1~2分間かける。取り出してフォークなどでかき混ぜたら、再び1~2分間かけ、これをあと2回繰り返す。薄い茶色になればよい。
強力粉が入るとつなぎがよくなり、とろみがつきやすい。
9をこし器でふるいながら8の野菜にふり入れ、全体を混ぜ合わせる。
粉の塊があると煮込んだときにダマになりやすい。
3に水1リットルを加えてなじませ、10にこし器を通して加える。全体を混ぜ合わせ、別の鍋に移す。
【ドミグラスソース】のベースが完成!
7の牛肉を取り出して汁けを拭き取る。漬け汁はとっておく。フライパンに牛脂を入れて強火で熱し、脂が出てきたら牛肉を加え、全面に焼き色がつくように焼く。
12の漬け汁は11の鍋に加え、弱火にかける。12、煮込み用の赤ワインを加え、肉が柔らかくなるまで3時間以上煮込む。
13の肉にスパゲッティ(分量外)を刺し、スッと通ったらバットに取り出す。ソースはこし器を通して別の鍋に移す。
究極の【ドミグラスソース】が完成!!
14に【D】を加えて弱火にかけ、半量になり、とろみがつくまで煮詰める。
ポートワインは甘み、赤ワインは酸味を加える。
仕上げにマデラ酒を加え、約5分間煮てアルコール分をとばし、バターを加える。
マデラ酒は香りづけに、バターはコクを出し、まろやかさを加える。
14で取り出した牛肉を16に戻し入れる。5で煮詰めたたまねぎの汁を加え、弱火で焦がさないように温める。全体が温まったら火を止め、肉を切り分ける。皿に盛ってソースをかけ、黒こしょう少々をふる。好みで塩少々をふってもよい。マッシュポテトとクレソンを添える。
たまねぎの汁で甘みと香りを加えつつ、色に深みを出す。
◆家庭版ビーフシチュー3つの極意◆
【極意1 牛脂】
野菜や牛すじ肉を炒め、牛肉を焼くときに使う。うまみの強い牛脂は、野菜や牛すじ肉、牛肉に風味を加え、味わいが増す。
【極意2 たまねぎ】
甘みや香り、“色づけ”に、たまねぎをすりおろして使う。すりおろしたたまねぎは、牛肉を柔らかくし、うまみをプラス。汁はキャラメリゼして仕上げの色づけに。深みのある色合いが加わる。
【極意3 キャラメリゼ】
糖分を焼いて香ばしくすること。野菜はこげ茶色になるまで焼きつけ、甘みを引き出すことで、ソースに深いうまみと色が加わる。野菜は小さく切ったほうがうまみが早く出る。
●マッシュポテトのつくり方(つくりやすい分量)●
じゃがいも2コ(300g)は皮をむいて大きめに切り、塩ゆでする。ゆで上がったら水けをきり、鍋に戻して弱火にかけ、鍋を揺すりながら水分をとばす。火を止め、マッシャーでつぶしてなめらかにし、塩小さじ2/3、こしょう少々をふる。バター70gを加え、溶けたら牛乳カップ1/2と生クリームカップ1/4を合わせ、少量ずつ鍋に加えて混ぜながら余熱で火を通す。練らないように均一に混ぜ、全体がポッテリしたらでき上がり。
【保存方法】
保存袋に入れ、空気を抜いて口を閉じ、冷凍する。2~3週間保存できる。
このレシピをつくった人
大宮 勝雄さん
フランス、イギリス、ニュージーランドで研さんを積み、その経験を生かしたアイデア豊かな洋食が人気。東京・浅草の仲見世通りの近くに洋食レストランをオープンして40年になる。
つくったコメント