マティーニ
世界中で愛される、カクテルの王様。口に含むとスーッとのどごしよく、あとでしっかりコクが感じられるうよう、ステア(かき混ぜる)の技法でつくります。
写真: 高橋 栄一
*1人分
材料
(1人分)
(120ml容器のカクテルグラス)
- ・オレンジビターズ 1滴
- *オレンジの皮を材料に作られた苦味のあるリキュール。
- ・ジン (コクと甘みが濃厚で、苦みなどの雑味が少ないタイプを選ぶ) 90ml
- *冷蔵庫でよく冷やしておく。
- ・ドライベルモット 1/2ティースプーン(2~3ml)
- *白ワインに、にがよもぎ などの香草、スパイスを配合して つくられる、辛口のフレーバード ワイン。
- ・オリーブ (緑/種付き) 1コ
- ・レモンの皮 (国産) 適量
- ・オリーブ (緑/種付き/大) 1コ
つくり方
ミキシンググラスに氷を入れる。ミキシンググラスに氷をきちんと並べ入れ、材料を順に注ぐ。
下段に大きい氷1コ、上段に小さめの氷を2コ並べて入れると、ステアしやすくなる。
氷がかぶるくらいの水を注いでミキシンググラスを軽く回し、ストレーナーをはめて水をきる。
氷に角があるとすぐ溶けて水っぽくなるので、水で洗って角を取る。
オレンジビターズ、ジン、ドライベルモットを順に加える。
ミキシンググラスの底のほうを片手で押さえ、バースプーンで100回ステアする(全体備考参照)。
ステアの回数を多くして、ジンのコクと甘みをじっくり引き出し、口当たりよく仕上げるのが特徴。バースプーンの背をミキシンググラスの内側に沿わせ、すべらせるように素早く回す。氷がぶつかり合う音がしないよう、氷を回転させながら混ぜる。
よく冷やしたグラスに注ぎ、オリーブを添えてレモンで香りづけをする。ストレーナーをはめて、グラスに注ぐ。
オリーブをピックに刺してグラスに入れる。
レモンの皮の中心をひねって、香りづけをする。オリーブ(大)を添える。
【プロの技法1】あらかじめよく冷やす。
カクテルは冷やすほどにおいしくなる。冷たさを持続させてゆっくり味わうために、ベースの蒸留酒やグラス(冷凍庫で耐冷性のあるもの)は冷凍庫で冷やすとよい。
【プロの技法2】「ビルド」と「ステア」
飲むグラスに直接、氷や材料を入れてカクテルをつくる技法が「ビルド」。材料の比重の関係で混ざりにくいことがあるので、グラスに注ぐ順番を守ることが大切。ミキシンググラスに氷と材料を入れ、バースプーンでかき混ぜる技法が「ステア」。材料を混ぜながら冷やし、混ぜたらストレーナーを使ってグラスにこし入れる。材料の比重が同じくらいのときには、ステアの方法でつくることが多い。
【プロの技法3】おいしい果汁を搾る。
ライムやレモン、オレンジなどかんきつ類を多く使うカクテルは、果汁のおいしさによって味が決まるともいえる。横半分に切り、切り口をスクイザーに押し付け、ぐっと握って搾る。このとき薄皮を破ると苦みや渋みが出るので注意。一回一回持ち上げ、残りの果肉部分を押し付けて同様に搾る。薄皮を破らずに搾ることで、香り高い果汁がとれる。
【プロの技法4】ステアは繰り返し練習してマスター
バースプーンは、中央のらせん状の部分を中指と薬指の間にはさみ、親指と人さし指をその上部に添えて持つ(親指と薬指が手前、人さし指と中指が向こう側になる)。ステアするときは、親指の腹と中指の腹で持つ、人さし指の腹と薬指の背で持つ、という指の動きを繰り返し、バースプーンのねじれを利用して回転させる。この方法なら、上下まんべんなく混ざる。難しい技術なので、指の動きに慣れるまで割り箸などで練習するとよい。
【プロのアドバイス】ジンにドライベルモットを混ぜて冷凍
ステアに自信がないときは、ジンにドライベルモットを混ぜて冷凍庫に入れておくとよい。750ml容量の瓶からジンを少し減らし、ドライベルモット15~20mlを加えてよく振り、冷凍庫で冷やす。カクテルをつくるときに再び瓶を振り、ミキシンググラスに入れる。この場合、ステアは20~30回でOK。
このレシピをつくった人
毛利 隆雄さん
日本を代表する名バーテンダー。東京会館のバーで働いたことがきっかけでこの道へ。数々の名店で腕を磨いたのち、バーの聖地、東京・銀座に店を構える。カウンターに立つかたわら、後進の育成にも力を注いでいる。
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