カウボーイステーキ
大宮シェフのアウトドア料理をご紹介。究極の焼き加減は、ミディアムレアとミディアムの間のロゼ。肉らしいうまみに“焼き”の香ばしさが加わり、みごとに、おいしさが凝縮されています。
写真: 原 ヒデトシ
*全量
*肉を常温に戻す時間、休ませる時間は除く。
材料
(つくりやすい分量)
- ・牛リブロース肉 (塊) 2.5~3kg
- ・塩
- ・黒こしょう (粗びき)
- ・オリーブ油
つくり方
肉を指4本分(8~10cm)の厚みに切る。
冷えていたほうが切りやすいので、直前にクーラーボックスから出す。
全面に塩をたっぷりとふり、すり込むようになじませる。
肉の味を引き出すために、たっぷりの塩をすり込む。
塩同様に、黒こしょうもたっぷりとまんべんなくふる。
黒こしょうの香りと辛みを加える。
肉全体にオリーブ油を塗る。
油を塗ると肉が網にくっつかなくなるので焼きやすくなる。脂身が少ないときは多めに。
このまま1時間を目安にして常温に近い温度に戻す。砂ぼこりなどから守るため、ラップをするといい。
肉が冷たいと、焼いたときに火の入りが悪く、余熱に時間がかかる。
強い火で肉を焼く。しっかり焼き色がついたら裏返す。
火が弱いと肉汁が出て、おいしさが逃げるので、焼きすぎかと思うくらいガンガン焼く。焼き色の濃い部分が気になるときは、あとで取り除く。
側面もしっかり焼く。
側面も焼き固めることで壁が完成する。
炭のない場所に移動させ、1~2分間おいて落ち着かせる。
炭のない場所にレンガをのせて台をつくり、焼き網とバットを置く。8の肉をのせ、肉の熱が奪われないようにアルミ箔(はく)をかぶせて30分間以上休ませる。
“遠火”にすることで、肉を温めながら余熱で中まで火を入れる。
肉汁と脂が出始めたら、指で軽く押して弾力を確かめる。肉の中心まで火が入っていなければプニョプニョと柔らかい。それに対し、はね返すような弾力があれば火が入った合図。念のため、肉の中心まで竹串を刺し、10秒間ほどして抜き、下唇に当てて温度を確かめる。冷たく感じれば再びアルミ箔をかぶせ、竹串が温かければでき上がり。
肉の弾力と中心部の温度で火の通りを確かめます。
【用意する道具】
焼き台、豆炭(目安は焼き台の底面が半分ほど埋まる量)、新聞紙や割り箸、あれば筒型容器と着火剤、マッチ、トング、アルミ箔、竹串、レンガ2コ、バットと焼き網、鉄製のフライパン。
【プロの技法1】
大宮シェフが選んだのは底が丸型の焼き台。空気の流れがよくて火が回りやすいので、熱効率がよく、焼きやすい。
「よい“火”をつくる」
1.火をおこす筒型容器に豆炭を入れ、底部分にあれば着火剤と、新聞紙などを加えて着火する。筒型容器がなければ、焼き台の火をおこす場所に豆炭を山型に積み、うちわなどで空気を送りながら同様に着火する。
2.煙が出始めたら30~40分間で全体に火が回るので、やけどに注意しながら静かに焼き台に移す。炭を使うよりも豆炭だけのほうが火をおこしやすく、安定するので扱いやすい。2時間は十分にもつが(状態のいい火は1時間ほど)、火が弱まってきたら再び火をつけた豆炭を加える。
「火加減の調整」
火種の置き場所も重要。半分ほどのあきスペースをつくれば、焼いたものを休ませ、また、焼きすぎ防止にも役立つ。
【プロの技法2】
「強火で攻める」
迷わず強火で肉を焼く。炎を当てて表面をしっかり焼き固めることで、その焼き部分が“壁”となり、肉汁を逃さずうまみを閉じ込める役割を果たす。また脂身のある肉のほうが脂身そのものが溶けて表面を焼くので焼きやすい。赤身の場合は、つくり方4でたっぷりの油を塗り込むと焼きやすくなる。
「肉を休ませる」
余熱を使って火を通す。余分な火を入れず、保温状態を保つために、レンガと網でつくった“遠火スペース”へ肉を移す。外気で熱が奪われないようにアルミ箔は必須だが、全体を覆ってしまうと、肉が蒸されて焼き固めたところがゆるんで肉汁が出やすくなるので軽くかぶせるくらいに。風が強いときは、レンガを低くすれば影響を受けにくい。
【味のバリエーション】
わさび(刻みわさびがおすすめ)、粒マスタードを添えてもおいしい。
このレシピをつくった人
大宮 勝雄さん
フランス、イギリス、ニュージーランドで研さんを積み、その経験を生かしたアイデア豊かな洋食が人気。東京・浅草の仲見世通りの近くに洋食レストランをオープンして40年になる。
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