紫梅(シーメイ)
中国で昔からつくられているという、梅の砂糖漬け。しその香りと、パリパリの歯ごたえが身上です。爽やかでさっぱりしているので、お茶請けにも箸休めにもぴったり。
写真: 松島 均
材料
(約16コ分)
- ・青梅 500g
- *3L程度の大きさで、堅めのものがよい。
- ・粗塩 15g
- *青梅の重さの3%。
- ・赤じそ (塩もみ、発色させたもの) 約20枚
- ・砂糖 300g
- *青梅の重さの60%。
つくり方
保存瓶はにぎやか梅酒の1の要領で消毒しておく。青梅は洗って水けをきり、粗塩をふって透明感が出るまで5~6分間ホウロウのボウルの中で転がし、30分間おく。
弾力が出るので、種を抜くときに割れにくくなり、実離れもよくなる。
洗って水けを取り、種抜き器で種を取り出す。筋に沿って種抜き器を深く差し込み、種をつかんだらぐるりと回して取り出すとよい。
赤じそを広げて包み、余分な葉は穴の中に収める。まだ隙間があるようなら、赤じそ適量を軽く詰める。
保存瓶に3と砂糖を交互に入れる。砂糖が3を覆うくらいになったら、残りの砂糖は入れずにとっておく。
砂糖は脱水作用があるため、一度に入れると梅が堅くなってしまう。
湯冷ましをヒタヒタに加える。
暗くて涼しい場所におき、朝晩揺する。砂糖が溶けてきたら残りの砂糖を数回に分け、溶けたら加えるを繰り返す。
砂糖がすべて溶け、水が上がってきたら食べられる。
冷蔵庫で1~2か月間ほど保存できるが、パリパリの歯ごたえを楽しみたい場合は早めに食べきること。保存中、青梅が水面から出るようならおもしをするとよい。また、ぬめりが出てきたら赤じそだけを取り除いて早めに食べきること。
今回使った保存瓶は1.2リットル容量のもの。砂糖は氷砂糖より早く溶けるので、パリパリした歯ごたえに仕上げることができます。種抜き器がない場合は、半割りにして種を除き、赤じそでくるんでもよいでしょう。
【赤じそについて】
赤じそは、5kgの袋漬け梅干し 赤じそ漬けの要領で塩もみ、発色をさせて使ってください。赤じそが出回る時期は全国で違うので、もし青梅が赤じそより先に出回ってしまったときは、昨年発色させておいた赤じそを使うこともできます。昨年のものを使うときは、形のよい大きい葉を使ってくださいね。漬けているうちに水分が吸われるので、小さい葉だとはがれてしまいます。
このレシピをつくった人
藤巻 あつこさん
大正10年生まれ。堀江泰子氏の料理教室に通ったことがきっかけで、川崎市内で45年にわたり自身の料理教室を主宰。京都料亭の当主(志の島忠氏)より本格的な懐石料理を学び、中国料理を基礎から陳建民氏に、西洋料理をホルトハウス房子氏に学ぶ。それぞれの道の先駆者に師事し得た知識を、教室では基本から伝えることを大切にしていた。保存食作りを始めて70年。毎年数多くの保存食をつくり、そのレシピを伝え続けていた。
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