桜餅
小豆の皮を丁寧に除いてつくるこしあんは、なめらかでつややか。上品な姿とおいしさが、手の中、口の中で感じられる一品です。
写真: 蛭子 真
*1コ分
*小豆を一晩浸す時間は除く。
材料
(10コ分/1コ50g)
- ・小豆 150g
- ・白ざらめ糖 75g
- ・道明寺粉 100g
- ・砂糖 70g
- ・桜の葉の塩漬け 20枚
- *市販品。サッと洗い水けを拭いて使う。
下ごしらえ・準備
前日の準備
1 小豆はサッと洗い、たっぷりの水に一晩浸しておく。
つくり方
水に浸した小豆を流水で洗って鍋に入れ、たっぷりの水を注いで中火にかける。沸騰したら、ぬるま湯程度の温度(約40℃)になるまで水を注ぎ(びっくり水)、そのままアクが出るまで中火で煮立てる。
一度温度を下げると、小豆の中心にまで水分が入り、柔らかく、しわが寄らずに煮上がる。
アクが出たゆで汁をいったん捨て(渋きり)、小豆をきれいに洗って冷ます。
鍋に移し、たっぷりの水を注いで中火にかける。沸騰したら火を弱める。途中ゆで汁が半分くらいになったら水を足し、アクを取りながら2時間煮る。
ヒタヒタ程度まで湯を捨て、小豆の形がなくなるまで、玉じゃくしなどでつぶす。
つぶして皮を破き、中身を出す。
ボウルの上にこし器や目の細かいざるを重ね、細い流水に当てながら、へらなどでボウルにこし出す。
こし器をきれいにし、5をもう一度別のボウルにこし出す。
こし器の上にガーゼを敷いて6を注ぎ、きつく絞る。
鍋に1cm深さの水とざらめ糖を入れて中火にかけ、混ぜながらざらめ糖を溶かし、7を半量ずつ加える。
混ぜながら水分をとばす。ぽてっとした状態になったら、バットに上げて冷まし、ラップをかける。
焦げないように、鍋底を絶えずかき混ぜ、鍋肌のあんもこそげる。
ボウルに道明寺粉を入れ、水130ml(道明寺粉の1.3倍量)を注ぐ。3~4分間混ぜ、最低2~3時間おく。
前日に用意し、一晩おいてもよい。
蒸気の上がった蒸し器に、堅く絞ったぬれ布巾を敷く。10を入れてふたをし、中火で20分間蒸す。
ボウルに移し、砂糖を3回に分けて加え、混ぜ合わせ、粗熱を取る。
道明寺粉をたたむように混ぜると、粘りが出ず食感よく仕上がる。
9と12を、それぞれ10等分して、堅く絞ったぬれ布巾の上に並べる。
こしあんのでき上がりが多い場合は、270g量ってから10等分する。
生地を手にのせて少し平らにし、あんをのせる。人さし指と親指で口を閉じるように包んで形を整え、2枚の桜の葉ではさんで仕上げる。
◎小豆◎
こしあんは大粒の大納言小豆にこだわらなくてもよい。ただ小粒の小豆は皮の部分が多いので、仕上がりの量が少なくなることに注意。
◎道明寺粉◎
もち米を水に浸し、蒸して乾燥させ、粉状にひいたもの。口当たりがなめらか。大阪府藤井寺市にある道明寺が発祥とされており、米1粒の2つ割り、3つ割りなど細かさの種類がある。ここではおはぎより細かく口当たりが上品な6つ割りを使用しているが、ほかのものでもよい。
このレシピをつくった人
太田 達さん
老舗京菓子店の4代目当主。茶人。工学博士でもあり、菓子づくりの所作を科学的に分析するなどの新たな試みにも挑戦している。菓子文化にとどまらない、いにしえの文化継承・保存のため講演活動などに東奔西走する日々。
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