ブッシュ・ド・ノエル
ふんわり焼き上げた木目調のビスキュイ生地で甘酸っぱ~いババロアを包み込んだ、個性的なブッシュ・ド・ノエル。冷凍庫で冷やし固め、クリスマス当日まで保存できるところもうれしいポイントです。ぜひご家族で、手づくりに挑戦してみてください!
写真: 日置 武晴
*全量
*型紙をつくる時間、冷凍庫で冷やし固める時間は除く。
材料
(縦8×横22×高さ8cmの切り株形1台分)
- 【ビスキュイ】*ビスキュイは、ブッシュ・ド・ノエルをつくる、ぎりぎりの分量。
- ・卵白 (L) 2コ分
- ・グラニュー糖 65g
- ・卵黄 (L) 2コ分
- ・薄力粉 30g
- ・強力粉 25g
- ・ピスタチオナッツ (製菓用/スライス) 4~5枚
- *手に入らなければ、冷凍の枝豆を砕いて使ってもよい。
- ・ラズベリー (冷凍) 3コ
- ・粉砂糖 適量
- ・ココアパウダー 少々
- 【いちごのババロア】
- ・板ゼラチン 7g
- ・生クリーム 180ml
- *乳脂肪分35~40%のもの。
- 【ベリーのビュレ】*いちごは190g、ラズベリーは35g、合計225gのピュレを使用。
- ・いちご 200g
- ・ラズベリー (冷凍) 50g
- 【アングレーズソース】
- ・卵黄 (L) 2コ分
- ・グラニュー糖 65g
- ・牛乳 大さじ2
- ・生クリーム 大さじ2+1/3
- *乳脂肪分35~40%のもの。
- ・レモン汁 1/5コ分
- 【飾り用】
- 【ホイップクリーム】
- ・生クリーム 50ml
- *乳脂肪分35~40%のもの。
- ・グラニュー糖 小さじ1
- ・バニラエッセンス 少々
- *あれば。
- ・いちご 適量
- ・ラズベリー (生) 適量
- ・ブルーベリー 適量
- ・粉砂糖 適量
下ごしらえ・準備
下準備
1 薄力粉と強力粉は合わせてふるっておく。
2 オーブンを200℃に予熱しておく。
3 絞り袋に直径1cmの丸口金をつける。
4 板ゼラチンは冷水につけてふやかしておく。
5 ババロア用の生クリーム(180ml)は八分(ぶ)立てに泡立て、冷蔵庫で冷やしておく。
つくり方
ボール紙を切り抜き、【ビスキュイ】を納める枠と生地の型紙をつくる。
【A】…【ビスキュイ】を納める枠=8cm×22cm×8cmの直方体
【B】…切り株表面=22cm×22cm
【C】…底面=22cm×6cm
【D】…ババロアの中央部分=22cm×4cm
【E】…切り株側面=8cm×8cmのドーム形(持ち手をつける)
【A】の枠を組み立て、しっかりとテープで固定する。【B】~【E】の型紙はオーブンの天板に並べ、オーブン用の紙をのせる。
【A】の枠には、山折り線に浅く切り込みを入れておくと、きれいに組み立てられる。
ボウルに卵白とグラニュー糖少々を入れ、氷水に当てながらハンドミキサーで泡立てる。全体がしっかり泡立ってきたら残りのグラニュー糖を少しずつ加えながら泡立て、ピンとツノの立ったメレンゲをつくる。
グラニュー糖が溶け、量が8倍に増えるのが目安。しっかり泡立てておかないと生地がだれ、かさも減るので注意。
卵黄を溶いて加え、泡をつぶさないように、ゴムべらで軽く混ぜ合わせる。少し黄色い筋が残る程度でOK。
ふるった小麦粉を2~3回に分けて加え、そのつどサックリと混ぜる。
泡がつぶれてかさが減らないよう、手早く、軽く合わせること。
口金をつけた絞り袋に入れ、2の型紙の上に絞り出す。
【B】…上下の端はまっすぐ横に絞り出し、その間は波状に。隙間はあとから埋める。
【E】…輪郭から中央に向かってグルグルと。1枚分絞ったら、型をずらしてもう1枚分絞る。
【C】、【D】…まっすぐ横に絞り出す。
きのこのかさ…直径2~3cmの円形を3コ絞り出す。
真下に向けると生地がつぶれてしまう。口金を横に向け、絞り袋を寝かせるように絞ると生地に厚みが出る。
少々間があいても、焼けばふくらんでくっつく。【ビスキュイ】はぎりぎりの分量なので、絞りすぎないように!
【B】の生地に、ピスタチオナッツとラズベリーをちぎって散らす。茶こしで全体に粉砂糖をふる。
きのこのかさにはたっぷりと粉砂糖をふり、ココアパウダーを手でつまんでふる。
型紙を抜き取り、200℃に予熱したオーブンで10分間焼く。乾燥しないよう、すぐ天板からはずしてラップで覆う。
2段で焼く場合は、5分間焼いたら上下の天板を入れ替え、さらに5分間焼く。
焼きすぎると水分がとんで堅くなり、【ビスキュイ】が割れやすくなるので注意!
【ベリーのピュレ】をつくる。いちごはヘタを取ってハンディープロセッサーなどでつぶし、重さを量り、190gを使う。
ラズベリーもピュレ状につぶし、茶こしでこして種を除く。重さを量り、35gを9と混ぜ合わせる。
合わせたピュレのうち190gをババロアに使い、残りの35gは【ビスキュイ】に塗る分としてとり分けておく。
【アングレーズソース】をつくる。ボウルに卵黄とグラニュー糖を入れ、泡立て器で手早くすり混ぜる。
卵黄にグラニュー糖を加えたらすぐに混ぜないと、固まってダマができるので手早く!
牛乳と生クリームを加えて厚手の鍋に移し、ごく弱火にかける。木べらで絶えず混ぜながら温め、傾けたとき、底にうっすら膜が張るくらいとろみが出たら、火から下ろす。
温める適温は80℃程度。焦げやすいので、湯気が上がったら火からはずして混ぜ、再び火にかける作業を繰り返すとよい。
【アングレーズソース】が熱いうちに、ふやかしておいたゼラチンの水けを絞って加える。完全に溶けるまで混ぜ、こし器でこしてダマを除く。
【ベリーのピュレ】190gを3回に分けて加え、そのつどゴムべらで混ぜる。ボウルを氷水に当てて混ぜ、レモン汁を加えて混ぜる。
ピュレに熱が入って色が悪くならないよう、氷水で手早く冷やす。
八分立てにして冷やしておいた生クリームを冷蔵庫から出し、泡立て器で大きく混ぜ合わせ、泡立て器でやっとすくえるくらいの堅さにする。
泡立てておいた生クリームは油分が分離しているので、均一に混ぜてから使う。
15の生クリームのボウルに14を3回に分けて加え、そのつどボウルを回しながら大きく混ぜ合わせる。
とり分けておいた【ベリーのピュレ】(35g)を【C】と【D】の【ビスキュイ】の裏面に塗る。
【B】の【ビスキュイ】は、周囲のオーブン用の紙を切り離してから上に型紙を当て、はみ出した部分を切り落とす。上にラップを2枚、中央で5cmほど重ねてかぶせる。
このラップでケーキ全体を覆うので、ラップの1辺が【ビスキュイ】の1辺の2倍くらいになるように。
ラップごと上下を返してオーブン用の紙をはがし、型紙ごと、組み立てておいた枠に納める。
【ビスキュイ】の下の型紙をカーブさせて納めると、上下を返したときドーム状になる。
左右の端に【E】の【ビスキュイ】を1枚ずつ、年輪の模様を外側に向けてはめる。
【B】の【ビスキュイ】を少し手前に引き、隙間をつくったところに納めるようにするとよい。
ババロアの1/2量弱を別のボウルにとり分け、氷水に当てながら混ぜる。ゴムべらですくって、もったりと落ちるくらいにとろみがついたら、20に流し入れる。
表面を平らにならし、ピュレを塗った【D】の【ビスキュイ】をのせる。残りのババロアも氷水で冷やしてとろみをつけ(21よりも少しゆるめでよい)、上に流す。
【C】の【ビスキュイ】を、ピュレを塗った側を下にしてかぶせる。枠をしっかり押さえて中身を中央に寄せ、ラップを引っ張りながらぴったりと覆って形を整える。
さらに枠ごと外側からラップで包み、冷凍庫で半日以上(冷蔵庫なら1日)冷やし固める。きのこのかさの【ビスキュイ】は、別のラップで包み、同様に冷やして保存する。
冷凍した場合は、飾り付けをする前日の夜から冷蔵庫に移して解凍する。
【飾り用】の【ホイップクリーム】の材料をボウルに入れ、八分立てに泡立てる。直径1cmの丸口金をつけた絞り袋に入れ、一方の端に絞り出し、好みのベリー類や市販の飾りなどをあしらう。
きのこを飾りたい場所に【ホイップクリーム】を絞り、きのこのかさの【ビスキュイ】をのせる。上から雪を降らせるように、粉砂糖をふる。
表面のところどころにババロアがしみ出て固まっても、ピンク色のきれいな模様になる。
このレシピをつくった人
望月 完次郎さん
都内の老舗ホテルでペストリー部門のシェフを務め、国内外のコンクールでも数々の受賞歴を持つ、日本を代表するパティシエの一人。伝統の味を守りつつ、重厚さと軽やかさ、甘みと酸味をバランスよく合わせる細やかな心配りで、誰にでも愛される味わいを追求している。
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