クイックブイヤベース
魚のアラやえびの殻をつかって、濃厚なスープをつくります。
写真: 吉田 篤史
*1人分
*アラを水にさらす時間は除く。
材料
(2人分)
- ・たいのアラ 800g
- ・えびの殻 8~10匹分
- *全体備考参照。
- ・ねぎ 50g
- ・たまねぎ 50g
- ・セロリ 50g
- ・トマト 2コ
- ・トマトペースト 大さじ1
- *トマトピュレより濃く、コクがある。小分けタイプが便利。
- 【A】
- ・水 カップ3
- ・白ワイン カップ1/2
- ・ローリエ 1枚
- ・にんにく (つぶす) 2かけ
- ・パセリの茎 2~3本
- ・タイム (生) 少々
- ・オレンジの皮 1/4コ分
- *全体備考参照。
- ・アニス酒 小さじ2
- *あれば。
- 【にんにくソース】
- ・一味とうがらし 小さじ1/2
- ・熱湯 小さじ1
- ・マヨネーズ 70g
- ・にんにく (すりおろす) 1/2かけ分
- ・バゲット (薄切り/トースターで焼く) 適宜
- ・塩
- ・オリーブ油
- ・こしょう
つくり方
たいのアラは身の多い部分(具)と少ない部分(だし用)に分け、具のほうは全体に塩少々をふる。だし用はたっぷりの水につけ、時々水をかえながら30分間ほどさらして水けをきる。
アラは具とだし用に分ける。アラといっても身の多い部分と、ほとんど骨と皮の部分があるので、料理ばさみで切り分ける。身の少ない部分は血抜きをして、だしをとるのに使いましょう。
具に使うアラにふった塩が溶けてなじんだら、たっぷりの熱湯にくぐらせて、冷水にとる。皮に残っているウロコを水の中でこすり落とし、水けを拭き取る。
「霜降り」をして身をきれいに!この下処理は日本料理の手法で「霜降り」という。残っていたウロコや汚れを水の中で落とせば、魚臭さが軽減。和食のテクニックでフランス料理のおいしさをアップ!
ねぎ、たまねぎ、セロリは5mm幅の薄切りにする。トマトはヘタを取ってザク切りにする。
中火で熱し、えびの殻を入れ、赤くなって香りが出るまで炒める。ねぎ、たまねぎ、セロリ、塩小さじ1/3を加えて炒める。
えびの殻で香りを出す。炒めたえびの殻でスープやソースのだしとるのは、西洋料理でよく使われる手法。殻は冷凍したまま加えてOK。
だし用のアラを加えて炒め、身が白っぽくなったら、トマトペーストを加えて混ぜ合わせる。
トマトと【A】を加えて強火にし、煮立ったら弱めの中火にして5分間ほど煮る。アクを取り、さらに15分間煮る。
ボウルにのせた万能こし器に移し、木べらで押しつけるようにしてこす。鍋に戻して再び中火にかけ、塩小さじ2/3、こしょう少々を加えて味を調える。
しっかりこして、おいしいだしを絞り取る。万能こし器で汁を取り分けるだけでなく、こし器に残った骨や殻をしっかり押しつけるようにして余さずだしを集める。
沸騰したら2のアラを加え、弱めの中火で8分間ほど、煮立てないように静かに煮る。
【にんにくソース】の一味とうがらしに熱湯を加えて溶き、マヨネーズ、にんにくを加えて混ぜ合わせる。8を器に盛り、【にんにくソース】とバゲットを添える。
【ここをマスター】
・魚のアラは具とだし用に分けて下処理をしよう。
・おいしいだしの出る、えびの殻を賢く活用するべし!
・煮込んだ骨や殻に残っただしも、余さずしっかり絞り取ろう。
・スープでアラを煮るときは、煮立てず弱めの火加減で。
【アニス酒とオレンジの皮で南仏風の香りに】
アニスというスパイスで香りづけしたリキュール(アニス酒やパスティス)は、南フランス地方の名産。薬草のような強い香りが特徴。ブイヤベースには、このリキュールと、丁寧に洗って薄くむいたオレンジの皮を加えると、清涼感のある香りのおかげで、濃厚なスープがとても食べやすくなる。ミニチュアボトルでも売られているので、ぜひ使ってみて。
【えびの殻】
えびの殻は、油で炒めると、身よりもいい香りがたつ。これに香味野菜と水を加えて煮出せば、上質のスープに。えびをよく洗って殻をむいたら、すぐにジッパー付きの保存袋に入れて冷凍しておくとよい。炒めるときは解凍せず、凍ったままでOK。
カリカリに焼いたバゲットを浸し、赤とうがらし風味のにんにくソースをつけたり少しずつ溶いて食べるのが、ブイヤベースの本場・南フランス式。
このレシピをつくった人
脇 雅世さん
約10年フランスに滞在し、パリの料理学校やレストランで料理を習得。帰国後はテレビや雑誌でフレンチのエスプリをベースにしたレシピを提案している。料理のジャンルは和洋中からお菓子まで。神楽坂で主宰する料理教室は35年以上続いている。2014年フランス政府より農事功労章を受勲。
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