七福煮
お正月には縁起のよい7つの具をひと鍋で煮た煮物をどうぞ。青のりや白ごまの衣を着せて絹さやと柚子(ゆず)をあしらい、一層にぎやかに仕上げます。
写真: 今清水 隆宏
*全量
*干ししいたけを戻す時間、煮物を冷ます時間は除く。
材料
(つくりやすい分量)
- ・鶏もも肉 1枚
- ・干ししいたけ 8枚
- ・ごぼう 1/2本(80g)
- ・にんじん 1/2本
- ・ゆでたけのこ (小) 4本(250g)
- ・れんこん 1/2節(80g)
- ・こんにゃく 1/2枚(150g)
- 【煮汁】
- ・昆布 (5cm角) 1枚
- ・削り節 15g
- 【A】
- ・水 カップ4
- ・酒 カップ1/2
- 【B】
- ・砂糖 大さじ3
- ・みりん 大さじ3
- ・しょうゆ 大さじ3
- ・うす口しょうゆ 大さじ3
- ・絹さや 適量
- ・柚子の皮 適量
- ・白ごま 適量
- ・青のり粉 適量
- ・削り節 (粉) 適量
- ・一味とうがらし 適量
- ・サラダ油
- ・塩
つくり方
干ししいたけは水につけて戻し、軸を除く。
ごぼうは皮をこすって洗い、7mm幅の斜め切りにして水にさらし、水けをきる。にんじんは7mm厚さの輪切りにし、梅型で抜く。たけのこは根元を輪切りにし、穂先は四つ割りにする。れんこんは7mm幅の半月形に切る。こんにゃくは両面に2mm幅の切り目を格子状に入れ、2cm角に切る。
ごぼうは笹、にんじんは梅、たけのこは竹、しいたけは松かさ、こんにゃくは宝箱に見立てて。「先を見通す」れんこんは、縁起がよいといわれる。
鶏肉は一口大に切り、サラダ油少々を中火で熱したフライパンで両面をこんがりと焼く。
鶏肉は福を「とり込む」。フライパンで表面をこんがり焼くと香ばしくなり、余分な脂や臭みが落とせる。
昆布に数か所切り目を入れて鍋に敷き、1、2をのせ、【A】を加えて中火にかける。沸騰したらアクを取り、【B】を加え、厚手の紙タオルで落としぶたをして削り節をのせる。弱火にして約30分間、時々アクを取りながら煮る。
底に昆布を敷いた鍋に野菜をのせる。種類ごとブロック状に並べると、あとで仕分けやすい。厚手の紙タオル(不織布タイプ)を落としぶたにし、その上に、同じく厚手の紙タオルで包んだ削り節をのせると、煮ている間にだしが出る。
紙タオルの下に3の鶏肉を加え、さらに10分間煮る。紙タオルを削り節ごと持ち上げ、煮汁を絞る。火から下ろし、そのまま冷ます。
絹さやは筋を除き、サッと塩ゆでして水にとり、水けをきる。柚子の皮は1cm四方に切る。
5の具の汁けをきって取り出し、ごぼうに白ごま、にんじんに青のり粉、たけのこに削り節(粉)をまぶし、こんにゃくに一味とうがらしをふる。彩りよく器に盛り、6の絹さやと柚子の皮を飾る。
かつおの削り節は「勝つ」、ごまは「栄養豊か」、青のり粉はもえ出る「新芽」を表す。まぶす衣も縁起よく。
このレシピをつくった人
斉藤 辰夫さん
大阪あべの辻調理師専門学校を卒業後、同校で教職員として日本料理の教授となる。パリ、スイス、ワシントンでも料理に携わる仕事をした国際派の料理家。
その後、エコール辻東京で専任教授を務める。
枠にはまらないユニークで新鮮な発想とわかりやすい指導に、幅広い層のファンがたくさん。現在は東京・国立で料理教室『斉藤辰夫料理スタジオ』を開いているほか、テレビや雑誌、講演などで忙しい毎日を送っている。著書に『煮もの』・『焼きもの』『全プロセスつき!基本の和食!』(ともに主婦と生活社)、『おいしい和食の大事典200』『和英つき 和食の辞典』(ともに成美堂出版)、『斉藤辰夫のいちばんかんたんな和食』(NHK出版)など多数。
現在、『NHK WORLD 』 “DINING WITH THE CHEF“に出演中。
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