アップルパイ
パイ生地にキャラメルでコクを加えたりんごを使って簡単につくるレシピです。こんがり、サクサクに焼きあげましょう。
写真: 坂上 正治
*1コ分
*パイ生地を冷蔵庫で冷やす時間は除く。
材料
(直径約10cmのもの3コ分)
- 【パイ生地】
- ・強力粉 90g
- ・薄力粉 90g
- ・塩 小さじ1/4
- ・バター (食塩不使用) 150g
- ・冷水 60~80ml
- 【りんごの甘煮】
- ・りんご 2~3コ(正味450g)
- ・グラニュー糖 90g
- *りんごの重さの20%
- ・キャラメル (市販) 25g
- *りんごを煮るときに加えると、手軽にコクをプラスできる。市販品は一般的な固形のもののほか、ソフトタイプや生タイプなどもあるが、いずれを使ってもよい
- ・レーズン 大さじ1+1/2
- ・シナモン (粉) 適宜
- ・カステラ (市販) 30g
- *またはスポンジ生地
- 【卵液】
- ・卵黄 1コ分
- ・冷水 小さじ1
- ・強力粉
- *打ち粉用
下ごしらえ・準備
1 厚紙で14cmと9cmの円形を1枚ずつ切り、パイの型紙をつくっておく。
2 バターは2cm角に切って冷蔵庫で冷やしておく。
3 パイ生地、卵液で使う水は軽量カップなどに入れて冷蔵庫で冷やしておく。
4 カステラは目の細かいざるに通すか、フードプロセッサーで、そぼろ状にしておく。
5 パイ生地の強力粉、薄力粉、塩は合わせてふるっておく。
つくり方
ボウルに合わせてふるった粉類と、冷やしておいたバターを入れる。フォークやスケッパーなどでバターを粉の中に細かく切り込む。
粉が黄色くなってきたら、バターが溶けているので、すぐにラップをして冷蔵庫で約20分間冷やす。バターが溶けてしまうと層ができなくなるので、柔らかくなったら、そのつど冷蔵庫で冷やすのが【パイ生地】のコツ。
バターと粉がなじんで、米粒ぐらいの大きさのそぼろと、大豆くらいの大きさのそぼろが混ざるくらいになったら、中央にくぼみをつくり、冷水を少しずつ加える。そのつど混ぜて、粉と水をなじませていく。冷水を加えるときは、粉っぽいところに注いでまとめるようにするとよい。
水の量は粉の様子を見て加減する。夏は水分は少なめ、冬は多めに加えないとまとまりにくい。最後は手で混ぜると感触がつかみやすい。
生地がポロポロしないでしっとりとし、ひとつにまとまるようになったら丸くまとめる。練りすぎないように注意すること。乾燥しないようにラップで包んで、冷蔵庫に1時間以上ねかせる。
りんごは皮をむき、八つ割りにしてしんを除く。
ステンレス製などの鍋に4のりんごとグラニュー糖、キャラメルを入れ、弱火にかける。水分が出てきたら中火にし、りんごが透き通って汁けがなくなるまで15~20分間煮る。
レーズンとシナモンを加えて混ぜ、バットに移して広げ、そのまま冷ます。
台に打ち粉少々をふり、ラップをはずした3の【パイ生地】をのせる。生地の表面にも打ち粉少々をふり、めん棒で手早く長方形にのばす。
ここでオーブンを190℃に温め始めるとよい。
7の生地を3等分に切り、それぞれ約2:1の大きさに切り分ける。1枚ずつ3mm厚さにのばし、大きいほうは直径14cmの円形の厚紙を当ててナイフで切り抜く。小さいほうは直径9cmの厚紙に合わせて切り抜く。
一度に大きくのばすのは難しいので、生地を切り分けながら作業する。バターが溶けないよう、生地を冷蔵庫で冷やしながら行うとよい。
大きい【パイ生地】はフォークで数か所穴をあけ、小さい生地は中央に長さ約3cmの十文字の切り込みを入れる。
切り込みを入れてパイが割れてしまったりするのを防ぐ。切り込みが大きすぎると、中身が吹き出てきてしまうことがあるので注意。
天板にオーブン用の紙を敷き、大きい生地3枚をのせる。生地の中央にカステラ、6を順に均等にのせる。【卵液】の材料を合わせ、【パイ生地】の切り口につけないように注意し、りんごの周囲にはけでぬる。小さな生地を上にのせ、下の生地の縁を約1cm間隔でひだを寄せながらかぶせる。上面に残った【卵液】をしっかりとぬる。
【卵液】は生地の断面にはぬらないこと。【卵液】が固まって層をふさぐので、ふくらみにくくなる。
190℃に温めたオーブンに入れ、35~45分間、こんがりとしたきつね色になるまで焼く。アツアツでも冷めてもおいしい。
《パイ生地を上手につくるコツ》
パイの失敗例の多くは、ふくらまない、層ができないということ。ポイントはバターが溶けないようにすること。柔らかくなりそうなときは、こまめに冷蔵庫で冷やしましょう。さらに焼き方にもコツがあります。オーブンの庫内の狭いものは、扉を開けると温度が急激に下がったりするので、温めるときは記載されている温度+20℃くらいにしておくと、ちょうどよくなります。焼くときは温度を記載どおりにして大丈夫です。
このレシピをつくった人
上田 悦子さん
神戸市内で30年以上お菓子教室を主宰し、洋菓子店をもつ。新しい素材を使ったお菓子や、基本のお菓子をよりおいしく進化させる研究も欠かさない。
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