たいのアラ炊き
ていねいな下処理をすることで、独特なくせがぬけ、養殖のたいのアラも、味わい深い一品に仕上がります。
写真: ハリー 中西
*1人分
材料
(2人分)
- ・たいのアラ (頭の部分) 1匹分(約500g)
- ・ごぼう (土付き) 120g
- 【煮汁】
- 【A】
- ・酒 350ml
- ・水 350ml
- ・砂糖 100g
- ・たまりしょうゆ 40ml
- ・昆布 (適当な大きさに切っておく) 10g
- ・木の芽 適量
- ・ごま油 小さじ2
つくり方
半分になっているたいの頭は、大きさに合わせて1つを2つから3つに切る(顔とカマの2つに分け、3つに切るときは、さらに顔を目の下に包丁を入れて切るとよい)。難しい場合は、お店で切ってもらうとよい。
鍋に熱湯を沸かし、1を5~10秒間通して(霜降り)、すぐに氷水につける。流水で洗って表面のぬめり、血、ウロコを隅隅まできれいに取り、ざるに上げて水けをきっておく。
熱湯で魚の身や骨の表面に火を通すことを霜降りという。これで余分な脂が取れ、生臭みを抑える。霜降り時間を長くするとウロコは取りやすくなるが、皮がむけてしまうので注意すること。
ごぼうはたわしで軽くこすって、表面の土を流水で洗い流す。
約5cm長さに切り、さらに約1cm角の太さにそろえて切る。水につけてアクをぬき、洗い流しておく。
太すぎると堅く仕上がる。
厚手の鍋に昆布を入れ、ごぼうを並べ、その上に2のアラをのせる。
鍋は薄いと焦げやすくなる。【煮汁】を加えたときにヒタヒタになるくらいの大きさがよい。
【A】を合わせて加える。ヒタヒタぐらいになればよい。砂糖を加え、落としぶたをして強火にかける。火は強いほうがよいが、鍋の横に炎が強く当たると、焦げやすいので注意。【煮汁】は甘いと感じるくらいでよい。
煮立って、アクが少し多めに出てきたら、アクをすくう。さらにもう一度アクをていねいにすくい、落としぶたをしたまま、さらに4~5分間煮る。
たまりしょうゆを加えてさらに煮立て、玉じゃくしで煮汁をアラにかけながら煮詰めていく。鍋の内側が焦げないように、時々鍋全体を回すとよい。
【煮汁】が1cm深さくらいになったら味見をする。味が足りない場合は、砂糖・たまりしょうゆ各適宜(分量外)でしっかりめの味に調整する。ごま油を加えて、もうひと煮立ちさせる。【煮汁】がトロリとしてくればよい。
煮上がり。照りつやよく仕上がればよい。器にアラ、ごぼうを盛り、木の芽をのせる。
【たいのアラ】
頭の部分を半割りにしたものや中骨などがパック詰めなどになって売られている。目の部分が澄んだ鮮度のよいものを選ぶ。アラ炊きには主に頭の部分を使い、中骨などの残りの部分は、「たいの潮汁」に使うとよい。
【たまりしょうゆ】
大豆を主原料としたしょうゆで、とろみと濃厚なうまみ、独特な香りがある。料理に使う
と、しっかりとした色とコクが出る。
◆こちらのレシピも参考に◆
たいの潮汁
このレシピをつくった人
中村 元計さん
天龍寺で修行後、24歳より生家の料亭に入り、伝統の味を伝える。日本ならではの食材を生かした料理も提案。和食を科学的な視点で分析したわかりやすい解説も好評。NPO法人「日本料理アカデミー」でも活躍中。
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