自分の適正エネルギー摂取量を知ろう~「健康を維持するための食事」Vol.2
健康と食にまつわる情報をお届けする「健康キッチントピックス」。
5回にわたり、「健康を維持するための食事」について女子栄養大学短期大学部 教授 松田早苗さん(以下=松田)にお聞きします。第2回は【自分の適正エネルギー摂取量を知ろう】です。
エネルギー必要量を知る
Q, 献立を考える上で、どんなことに気をつけたら良いですか?
松田まずは、自分に適したエネルギー摂取量を知ることが大切です。必要なエネルギー量は、個人によって異なります。1日に必要なエネルギー量を計算してみましょう。
1日に必要なエネルギー量を計算するには、目標体重(kg)と身体活動量(kcal)が目安になります。
松田目標体重を求めるには、まず自分のBMIを把握します。
BMI(Body Mass Index)はボディマス指数と呼ばれ、体重と身長から算出される肥満度を表す体格指数です。健康を維持するためは日頃からBMIを把握することが重要です。
■ BMI = 体重(kg) ÷ 身長(m)2
BMIが算出できたら、下記から目標体重を求めます。
■目標とするBMIの範囲(日本人の食事摂取基準2020年版より)
年齢(歳) | 目標とするBMI(kg/m2) |
---|---|
18~49歳 | 18.5~24.9kg/m2 |
50~64歳 | 20.0~24.9kg/m2 |
65~74歳 | 21.5~24.9kg/m2 |
75歳以上 | 21.5~24.9kg/m2 |
■目標体重の求め方
・BMIが、目標とするBMI範囲内であれば、現体重
・BMIが、目標とするBMI範囲の下限値未満であれば、身長(m)2 ×目標とするBMIの下限値
・BMIが、目標とするBMI範囲の上限値以上であれば、身長(m)2 ×目標とするBMIの上限値
エネルギー必要量の計算方法
目標体重が把握できたら、身体活動量をかけて、1日のエネルギー必要量を計算します。
【1日に必要なエネルギー量の計算方法】
1日のエネルギー必要量=目標体重(kg)×身体活動量(kcal)
★身体活動量の目安
■軽労作(デスクワーク中心、家事など) 25〜30kcal
■普通の労作(立ち仕事が多い職業) 30〜35kcal
■重い労作(力仕事が多い職業) 35kcal〜
★例:50歳で身長165cm、体重60kg、軽労作で身体活動量30kcalの場合
BMI=60(kg)÷1.65(m)2 =22.0(kg/m2)
BMIが目標とするBMIの範囲内なので、目標体重は現体重を用いる
1日のエネルギー必要量は、60(kg)×30(kcal)=1,800(kcal)
松田例えば、1日に1,800kcalのエネルギーを摂りたい場合、1食の目安は600kcalということになります。
計算で算出したエネルギー量は、あくまでも目安です。そのエネルギーが自分に合っているのかどうかは、体重の増減を見て調整する必要があります。毎日、体重を測定し、体重が減ってくるようであればエネルギー量を多くし、体重が増えるようであればエネルギー量を減らしましょう。
健康キッチンのレシピに記載されているエネルギー量を参考に、献立を考えてみて下さい。
次回は「栄養バランスの良い献立づくりのポイント」です。お楽しみに!
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