新たまねぎのスープ
自然のチキンブイヨンと、新たまねぎのうまみの間合いを、大麦がつなぎます。
写真: 小林 庸浩
*全量
*干ししいたけと昆布を水に浸す時間は除く。
材料
(つくりやすい分量)
- ・新たまねぎ (直径5~6cmのもの) 16コ
- *厚手の直径24cmの鍋の底一面に敷ける個数。
- 【鶏のブイヨン】*10カップ
- ・鶏の首骨 5本
- *手に入らない場合は、鶏手羽先を5本増やす。
- ・鶏手羽先 5本
- ・レモン (国産/輪切り) 2枚
- 【A】
- ・たまねぎ 1コ分(150g)
- *皮をむいて丸ごと。
- ・にんじん 75g
- *皮をむいて丸ごと。
- ・セロリ 75g
- ・ブーケガルニ 1束
- *パセリの軸数本とローリエ1~2枚などをたこ糸で縛ったもの。
- ・粒こしょう (白) 約10粒
- ・昆布 (5cm角) 5枚
- ・干ししいたけ 3~4枚
- ・水 カップ13
- ・エクストラバージンオリーブ油 大さじ3
- ・昆布 (5cm角) 4~5枚
- ・梅干し 1コ
- ・ローリエ 1~2枚
- ・塩 小さじ1+1/2
- ・大麦 (押し麦) 50~100g
- ・イタリアンパセリ (生/みじん切り) 適量
下ごしらえ・準備
【鶏のブイヨン】をつくる
1 昆布と干ししいたけをヒタヒタの水(分量内)に最低1時間浸す。この間に以下の鶏の下ごしらえをする。
2 鶏手羽先を、関節より上下に切り離す。
3 深めの鍋に湯を沸かしてレモンを入れ、鶏の手羽も首骨も湯引きする。
! ポイント
《湯引き》
具材を煮立った湯に投じ、再び煮立つまでを限界として引き上げる。煮え湯に塩を入れる場合と、必要としない場合がある。注意すべきは、具材を一度に多量に入れてはならない。具材は10~15秒数えるほどで引き上げ、冷水でよく洗う。
つくり方
湯引きによって凝固させた鶏の首骨の脂をしごき除く。
鶏の首骨に重い包丁で割れ目を入れる(肉の味がだしに浸出しやすいようにする)。
湯引きした鍋をきれいに洗い、鶏のすべての部位と【A】を入れ、下ごしらえの昆布としいたけを戻し汁ごと加え、残りの分量の水を注ぎ、強めの中火にかける。
【鶏のブイヨン】に使用するにんじん、セロリは、たまねぎの半量使用。
煮立ったら弱火にし、途中でアクを取る。10分程度で手羽中に火が通ったら取り出す(手羽中も、なかなかよいうまみを出す)。さらに約20分たったら、昆布、しいたけ、野菜類を除き、約30分間コトコトと煮出す。
火を止めて、すぐに玉じゃくしで1杯ずつ紙タオル(不織布タイプ)を敷いた目の細かいざるでこす(雑味を取り除く)。粗熱を取って、【鶏のブイヨン】は完成。
【鶏のブイヨン】は、冷凍用の密封保存袋に入れ、冷凍庫で1か月間保存可能。
新たまねぎを煮る。新たまねぎは、先端から皮をむき、先端と根付きの部分を、切りすぎないよう浅く切る。大麦はサッと洗い、約10分間水に浸し、ざるに上げる。
直径24cmの厚手の鍋に、先端を上にして新たまねぎを並べ、エクストラバージンオリーブ油をかけ回す(先端を上にすると堅い部分が下になり、形がくずれにくい。オリーブ油は新たまねぎのえぐみやくせを和らげ、甘みを引き出す)。
昆布、梅干し、ローリエと塩の半量を加え(昆布は滋養とスープを透明にするために、梅干しは防腐とさわやかさを出すためにそれぞれ加える)【鶏のブイヨン】カップ10を注ぎ、強めの中火で煮る。煮立ったらアクを取り弱火にし(軽くフツフツと泡が出るくらいの火加減でコトコトと煮る)、紙の落としぶたと鍋のふたをして新たまねぎが柔らかく、すっぺりとするまで煮る。
新たまねぎが七ぶどおり煮えたら昆布を取り出し(新たまねぎがぷっくりとして、竹ぐしを刺して途中まで通るくらいになったら昆布を引き上げる)、6の大麦を加える(大麦は、スープと新たまねぎの取り持ち役となり、深みと食べごたえを加える)。
新たまねぎがぽったりとして、竹ぐしがスッと通るくらいまで炊き、最後に残りの塩で味を調える。器に盛り、新たまねぎにイタリアンパセリと、好みでこしょう(分量外)をふる。
スープのだしとして使った鶏手羽中をほかの料理に展開
鶏のマリネ カタルーニャ風
このレシピをつくった人
辰巳 芳子さん
1924年生まれ。料理研究家の草分けだった母、浜子氏のもとで家庭料理を学ぶ一方、西洋料理の研さんも重ねる。父親の介護を通じてスープに開眼。高齢者へのスープサービスにも力を注ぎ、鎌倉の自宅などでスープ教室を主宰している。食育も実践し、児童が種をまき、育て、食べる「大豆100粒運動」を提唱し、広めている。
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