かれいの煮つけ
身のふっくらとしたかれいに、あっさりとした煮汁がからんで絶妙な味わい。魚のおいしさそのものを味わうための工夫が満載です。魚はもちろん、ごぼうやしいたけからもうまみが出ます。
写真: 野口 健志
*1人分
*1人分
*かれいに塩ふっておく時間、休ませる時間は除く。
材料
(2人分)
- ・かれい (切り身) 2切れ(240g)
- ・生しいたけ 2枚(30g)
- ・ごぼう 10cm
- 【A】
- ・水 カップ2/3
- ・酒 カップ2/3
- ・みりん 大さじ2+2/3
- ・しょうゆ 大さじ1+1/3
- ・砂糖 10g(約大さじ1)
- ・しょうが (薄切り) 1かけ分
- ・柚子(ゆず)の皮 (せん切り) 適宜
- ・塩
つくり方
かれいは両面に十文字に切り目を入れて軽く塩をふり、20分間おく。
塩をふると余分な水分が抜け、味が入っていくための通り道=「味の道」ができる。
しいたけは軸を落とす。ごぼうはよく洗い、皮付きのまま長さを半分に切って二つ割りにする。空き瓶や麺棒などでたたき、ごぼうに割れ目を入れる。
空き瓶など重さのあるものでたたくと、力を入れなくても割れ目が入る。たたくと味がしみ込みやすくなる。
1のかれいを網じゃくしで80℃(鍋底に小さな泡が出はじめる程度)の湯に入れ、表面が白くなったら引き上げる(霜降り)。
霜降りで魚の独特なくさみを取る。かれいは皮が柔らかく、熱湯だと破れてしまうので80℃の湯がおすすめ。
引き上げたらすぐに氷水にとって冷やす。
すぐに冷やして、魚の皮のゼラチンが余熱で溶けるのを防ぐ。
爪を立てるようにして、ウロコや汚れを手でよく洗い落とす。氷水から上げて紙タオルで水けを拭く。
皮を傷つけない程度の力加減で、やさしく表面をなでるようにして洗う。
フライパンに【A】の煮汁とかれい、2のしいたけ、ごぼうを入れる。
煮汁が冷たいうちから魚を入れ、煮ながら少しずつ温度を上げる。たんぱく質が固まりはじめるときに魚のうまみが引き出される。かれいは黒い皮の面を下にして入れる。フライパンを使うと魚が取り出しやすい。
落としぶたをして中火にかけ、煮立ったら弱めの中火にして7~8分間煮る。
煮汁が3割ほど減ったらしょうがを加え、サッと煮て火を止める。器に盛って少し休ませ、好みで柚子の皮をあしらう。
煮すぎると身が堅くなったり、煮くずれたりするので注意。少し休ませると、味が落ち着く。しょうがは最後に加えると苦みが出ない。
◆プロの技◆
1.魚は下ごしらえで「味の道」をつくり、「霜降り」でくさみを取る。
2.だしは使わず、新鮮な素材のうまみを楽しむ。
3.煮魚は煮込まない!煮すぎないためのひと工夫で、身を柔らかく仕上げる。
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