くりご飯
秋になったら一度は食べたい、くりご飯。ホックリとしたほんのり甘いご飯を楽しみます。
写真: 原 ヒデトシ
*全量
*全量
*くりをみょうばん水につける時間、米をざるに上げる時間は除く。
材料
(つくりやすい分量)
- ・くり 300g
- ・みょうばん水 カップ3
- *焼きみょうばん(全体備考参照)小さじ2を水カップ3に溶かしたもの。くりをむきはじめる前に用意しておく。
- ・米 500ml(カップ2+1/2)
- ・みりん 大さじ1
- ・ごま塩 適量
- *全体備考参照。
つくり方
くりは平らな面を下にしてまな板に置き、手のひらの付け根をまな板に密着させてしっかりと持つ。座付き(底のザラザラとした部分)をそぐように、まっすぐに切り落とす。下側の鬼皮は、切り離さなくてよい。
くりは乾いているほうが、滑りにくいので安全。むく前に水や湯につけたり、ぬらしたりしなくてよい。
◎くりを持つ手はまな板に密着◎
堅い座付きを切り落とすときは、くりが指から外れたり、包丁の刃が滑って指を傷つけたりしないように、必ず手のひらの付け根をまな板に密着させて支えながら、しっかりと持つ。
鬼皮は完全に切り離さずに包丁で押さえておき、くりを転がすようにして引っ張りながら1か所をむき上げる。
くりを持ち上げ、2でむけた部分に隣り合うところから、鬼皮の下側の端に包丁の刃を入れて引っかけ、スーッとはがすようにしてむく。
3を繰り返し、半分ほどむけたら、残りは手で取り除く。
◎親指と親指を付けてむく◎
皮に包丁の刃を入れていくときは、親指と親指を付けた状態で。くりを持つほうの手の親指で、刃を進める勢いにブレーキをかけながらむくと安全。
座付きのほうから包丁の刃を入れ、側面の渋皮を1/6ずつなるべく均等にむき上げていくと、形よく6面にむける。用意したみょうばん水につけ、残りのくりも同様にむく。
このむき方を「六面むき」という。このときも、親指と親指はぴったりと付けた状態で。
すべてのくりをむいてみょうばん水につけ、30~40分間アクを抜く。
長くつけすぎるとえぐみが出るので、1時間以上おかないこと。
米は洗って30分間ほどざるに上げておく。6のくりはサッと洗い、水けをきって7~8mm角に切る。
厚手の鍋に、7の米とくりを入れ、水570mlを加える。みりんを加えてよく混ぜ、ふたをして強火にかける。
みりんを加えると、くりの甘みが引き出される。同様にして、炊飯器の早炊きモードで炊いてもよい。
沸騰してきたら中火にし、ふたの隙間から泡が出てきたらごく弱火にして15分間ほど炊く。火を止めて10分間ほど蒸らし、ぬらしたしゃもじで底からサックリと混ぜる。器に盛り、ごま塩をふる。
●焼きみょうばん●
水に溶かして野菜のアク抜きや変色防止、煮くずれ防止などの下ごしらえに使う。薬局や乾物店などで手に入る。
●ごま塩のつくり方●
収穫後に洗ったごまを乾かしただけの「洗いごま」をいるのが理想的。市販の「いりごま」の場合は、軽くいりなおして使う。
~材料~ 洗いごま(黒):小さじ2、塩:小さじ2
1. 鍋を中火で十分に熱し、洗いごま(黒)を入れて、からいりする。
◎フライパンでは油っぽくなってしまう。熱伝導のよいアルミ製の鍋が最適。
2. やけどに注意をして少量をとり、指でひねりつぶして、いり具合を確かめる。
◎指で簡単につぶれ、皮の中身がきつね色になっていればOK。
3. 火を止めてから塩を加えて混ぜ、サラサラになったら取り出す。
◎ごまと一緒にいると塩が灰色になってしまうので、火を止めてから混ぜる。
このレシピをつくった人
柳原 一成さん
(1942~2022)江戸料理を伝える懐石料理の宗家。東京赤坂で料理教室を主宰。全国各地の郷土料理や伝統行事食に造詣が深い。
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