ブルーベリーのタルト
藍に色づいたブルーベリーを、たっぷりタルトにのせて。独特の甘酸っぱさと芳香を楽しめるお菓子です。
写真: 日置 武晴
*全量
*バターを凍らせる、生地を休ませる時間は除く
材料
(直径20cmのタルト型1台分)
- 【タルト生地】
- ・バター (食塩不使用) 50g
- ・薄力粉 100g
- ・塩 小さじ1/8
- ・グラニュー糖 小さじ1/4
- ・冷水 40ml
- 【カスタードクリーム】
- ・卵黄 3コ分
- ・牛乳 カップ1
- ・グラニュー糖 60g
- ・薄力粉 20g
- ・バニラビーンズ 1/2本
- ・ブルーベリー 300g
- ・ブルーベリージャム 30g
- *市販
- ・レモン汁 大さじ2
- ・キルシュ 大さじ1
- *さくらんぼのリキュール。なければオレンジ系のリキュールでもよい
- ・生クリーム 大さじ2
- ・粉砂糖 適宜
- ・強力粉
- *打ち粉用
下ごしらえ・準備
つくる前にしておくこと 前日
1 バターは1cm角に切って、冷蔵庫に6時間以上おいて、芯まで凍らせる。
つくる前にしておくこと 当日
2 氷を入れた冷水を準備する。
タルト生地を焼く30分前にオーブンを200℃に温め始める。
カスタードクリームの薄力粉はふるっておく。
つくり方
フードプロセッサーに薄力粉、塩、グラニュー糖、凍ったバターを入れる。ガッガッガッと小刻みに回し、バターの大きな塊がなくなったら、ガーッと続けて回す。
米粒の半分くらいの大きさになったバターが、細かい粉の中で7割ぐらいを占めている状態になればよい。
2に冷水を回し入れて、再びガッガッガッと小刻みに5~10秒間ほど回す。全体が黄色っぽくなり、ポロポロとまとまってきたら、ガーッと続けて回す。一つにまとまったら、生地の完成。
四角形に形を整えて、ラップでぴったりと包み、冷蔵庫で3時間以上休ませる。
この状態で2週間は冷凍保存可能。
打ち粉をした台に4をのせ、生地が堅いうちは、めん棒で上からたたいて生地の厚みを減らす。柔らかくなってきたら、生地の真ん中にめん棒をおき、向こう側と手前に均等に転がして生地をのばす。2mm厚さでタルト型より一回り大きくなったらOK。
途中でべたついてきたら、生地を平らなものにのせてラップをかけ、冷蔵庫でしばらく冷やす。
生地をめん棒に巻きつけてタルト型の上に移動し、型の向こう側からゆとりを持たせて生地をのせる。
生地を引っ張らないように気をつけながら、型の底の隅に透き間ができないように生地を指で押さえる。
型の上でめん棒を転がし、縁からはみ出た余分な生地を切り取る。
側面の波形の部分にもしっかり生地が入るようにする。強力粉をつけた親指の腹で生地をそっと持ち上げるようにして押さえる。焼き縮んだときに高さがちょうどよくなるように、生地が型から少し出るようにする。
底一面にフォークの先を刺して空気穴をあける。このまま冷凍庫に入れて約10分間冷やす。
この状態でラップをかければ、1週間は冷凍保存可能。
冷凍庫から出した生地にアルミ箔をかぶせ、おもしをのせてならす。200℃に温めたオーブンで25分間焼く。
生地の縁に焼き色がついてきたら、いったん取り出してアルミ箔ごとおもしをはずす。オーブンの温度を180℃に下げて、さらに15~20分間焼く。
全体にこんがりと焼き色がついたら焼き上がり。粗熱が取れたら型からはずし、ケーキクーラーにのせて冷ます。
この状態でラップをかければ、1週間は冷凍保存可能。
ボウルに卵黄を溶きほぐし、分量の牛乳から大さじ1、グラニュー糖の半量、薄力粉を入れ、そのつどよく混ぜる。
バニラビーンズを縦に裂き、中身をこそげ入れる。
厚手のなべに残りの牛乳とグラニュー糖、15のバニラのさやを入れて中火にかけ、混ぜながら沸騰直前まで温める。15のボウルに注ぎ、手早く混ぜ合わせる。
16の厚手のなべにこして戻し、強めの中火にかける。
木べらを立て、底の隅→真ん中の順に繰り返し、絶えず混ぜる。とろみがつき、次にもったりとしてきて、底のほうでブツブツと2~3回泡が立ったら火を止める。つやのあるなめらかなクリーム状になっていればよい。
すぐにバットに入れてならし、ぴったりとラップをはる。粗熱が取れたら冷蔵庫で30分間ほど冷やす。
ブルーベリージャムを裏ごしし、レモン汁と混ぜ合わせる。
19の【カスタードクリーム】をボウルに入れ、泡立て器でほぐし、キルシュ、生クリームを加え、そのつど混ぜる。
冷ました【タルト生地】に21のクリームを入れ、表面をゴムべらなどでならす。
20のブルーベリーソースをスプーンなどでクリームの表面全体に散らす。ブルーベリーをたっぷりとのせ、仕上げに茶こしを通して粉砂糖をふる。
タルト生地のサクサクした食感を楽しむためには、できたてを食べるのがよい。
・砕き方が粗くても、細かすぎても、タルト生地が堅く焼き上がる原因になります。つくり方3で、水を入れ、フードプロセッサーを回したときに、すぐ生地がまとまったら、砕きすぎたと考える目安になります。
・サクサクとした食感は、バターがすばやく沸騰し、蒸発してできた透き間によって生まれます。低温と焼き時間不足はその透き間ができにくくなる原因に。高温で焼き、あわてずによい焼き色がつくまで待ちましょう。
・中火で短時間に熱を通すと粉臭さのないサラッとしたクリームができます。焦げないようにと弱火や遠火にすると、のりのように粘った仕上がりに。焦げつきにくい、厚手のなべを使うのがコツです。
このレシピをつくった人
加藤 千恵さん
東京都内で洋菓子教室を主宰。国際線のフライトアテンダントを経て、フランス、ドイツで菓子づくりを学ぶ。わかりやすくていねいな指導と、洗練された美しいお菓子にファンが多い。
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