アップルパイ
サクサクのパイ生地とバターの香り、ジューシーなりんごの味が口の中で一体となる、とびっきりのアップルパイです。
写真: 尾田 学
*1/8切れ分
*パイ生地用のバターを冷やす時間、生地を冷蔵庫でねかせる時間、焼き上がったパイの粗熱を取る時間は除く。
材料
(直径23cmのパイ皿1枚分)
- ・りんご 4コ
- *紅玉は水分が少なく、程よい酸味があるので望ましい。手に入らなければ、ジョナゴールドやあかねなどでもよい。
- ・バター (食塩不使用) 30g
- ・グラニュー糖 80~90g
- ・レモン汁 小さじ2
- 【パイ生地】
- ・薄力粉 110g
- ・強力粉 110g
- ・塩 3g
- ・グラニュー糖 5g
- ・バター (食塩不使用) 185g
- ・牛乳 28g
- ・水 56g
- ・シナモン (粉末) 小さじ1/2
- 【溶き卵】
- ・卵黄 1コ分
- ・牛乳 小さじ1/2
- ・あんずジャム 30g
- ・強力粉
- *打ち粉用。
下ごしらえ・準備
【パイ生地】の下ごしらえ
1 薄力粉と強力粉は合わせてふるい、塩、グラニュー糖と混ぜておく。使う直前まで冷蔵庫または冷凍庫で冷やしておく。
2 生地に使うバターは1.5cm角に切り、冷凍庫で凍らせておく。
3 生地に使う牛乳と水は合わせておき、冷蔵庫で冷やしておく。
つくり方
りんごは皮をむき、8等分のくし形に切って芯を除く。厚手の鍋にバターを溶かし、りんごを強めの中火で炒める。しんなりしたら、グラニュー糖の半量を加えて炒める。全体になじむまで炒め、残りのグラニュー糖も加えて強火でさらに炒める。水分が出てきたらレモン汁を加え、ふたをして中火で約7分間煮る。
ふたを取り、しんなりしていたら、水分をとばすように強火で煮る。汁けがほぼなくなり、りんごを竹ぐしで刺してスッと通るようになったら、火を止め、そのまま冷ます。
牛乳と水以外のパイ生地の材料をフードプロセッサーに入れ、バターが小豆粒くらいの大きさになるまで攪拌(かくはん)する。
牛乳と水を一度に加え、さらに少しずつフードプロセッサーにかけてパラパラの状態にする。ラップで包み、手で押しつけるようにしてまとめ、10×20cmの長方形に平たく形を整えて冷蔵庫で4~5時間冷やす。
4の生地を冷蔵庫から取り出してラップをはずし、打ち粉をした台に縦長になるように置き、めん棒で力強くたたく。のばしやすい堅さになったら、縦50cm、横15cmになるようにのばす。生地を三つ折りにし、重なった部分(左右および前方の3か所)の縁をめん棒で押さえ、しっかりとじる。
三つ折りの際、生地にバターがにじみ出ている面を中に折り込み、にじみ出ていない面が表面になるよう折り返すとよい。また、作業中生地が柔らかくなったら、冷蔵庫で冷やしてから作業を続けること。
続けて三つ折りをする。5の生地を時計回りに90度回転させ、打ち粉をした台に置く。縦方向にめん棒で何度か押さえたら、5と同じ要領で生地を縦45cm、横20cmにのばす。さらに、縦15cm、横20cmになるよう三つ折りにし、重なった部分の縁をめん棒で押さえ、しっかりとじる。ラップで包み、冷蔵庫で3時間以上ねかせる。
6の生地を冷蔵庫から取り出してラップをはずし、打ち粉をした台にのせ、縦15cm、横10cmになるよう、生地をスケッパーなどで2つに分ける。1つはすぐに冷蔵庫に入れる。もう1つの生地は24×24cm、厚さ約4mmの正方形にのばす。これは上にかぶせるものなので、使うときまで冷蔵庫に入れておく。冷やしておいたもう1つの生地を冷蔵庫から出して同じようにのばし、パイ皿に敷き込む。
2のりんごを、生地を敷いたパイ皿にグルリと透き間なく並べ、シナモンをふる。パイ皿の縁に溶き卵適量をぬり、冷蔵庫で冷やしておいた生地をかぶせ、軽く押さえてとじる。
パイ皿からはみ出た余分な生地は切り落とす。ナイフの背で、パイ皿の縁に約5mm間隔の模様をつける。生地の表面全体に溶き卵適量をぬる。
9で切り落とした生地を飾り用に木の葉の型で4~5枚抜く。9の表面に等間隔に並べ、溶き卵適量をぬり、ナイフの先で葉脈模様をつける。
飾りの葉と葉の間に、ナイフで約8cm長さの切り込みを、りんごに当たるまで深く入れる。生地の中心部にも空気が抜けるよう、×印の切り込みを入れ、竹ぐしで全体に穴をあける。200℃のオーブンで20分間焼き、さらに190℃に下げて約40分間きつね色になるまで焼く。焼き上がったら、パイ皿から出して金網などの上に置き、粗熱を取る。
あんずジャムは小鍋に入れて沸騰寸前まで温める。粗熱を取ったパイの表面に適量をまんべんなくぬり、つやを出す。
バター、粉類は使う直前まで冷やすのが大切。作業中の生地も十分に冷やしながら使うこと。そうしないと、生地がだれてしまい、作業しづらくなるうえ、パイ特有の層がうまくできない。生地をのばす室温は涼しく、作業はつめたくするよう心がける。
りんごの水分が多い場合、汁けがほぼなくなるまで煮上げようとすると、煮ずれてしまいがち。そういうときは竹ぐしで刺してみて、りんごが柔らかく煮えた時点でいったん取り出すこと。煮汁を鍋底が見えるまで煮詰めてから、りんごを戻し、からめるとよい。
このレシピをつくった人
小嶋 ルミさん
都内で洋菓子店、お菓子教室を経営。日本の女性パティシエの草分け的存在。シンプルで本物の味、心温まる味を追求したお菓子が評判。
中国語の本も多数出版され、中国のお菓子愛好家の間でも広く知れ渡る。最近では、中国人やタイ人を対象に、日本の菓子づくり教室も開催している。
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