ばぁばのぬか漬け
ぬか床は何よりも「手入れ」が大事。ぬくもりのある手でよく混ぜることです。野菜からうまみが出て少しずつおいしくなっていきます。
写真: 鈴木 雅也
材料
(つくりやすい分量)
- ・生ぬか 2kg
- ・粗塩 150g
- ・粉がらし 大さじ4
- ・赤とうがらし 4本
- ・昆布 (10cm長さ) 2枚
- ・水 カップ約13
- ・捨て漬け用野菜 適量
- *キャベツの外葉・かぶの葉・にんじんの皮など。
- ・キャベツ 適量
- ・かぶ 適量
- ・かぶの茎 適量
- ・きゅうり 適量
- ・なす 適量
- ・にんじん 適量
- ・みょうが 適量
- ・粗塩 適量
つくり方
かめに生ぬか、粗塩、粉がらし、赤とうがらし、昆布を入れて、水を加えながらよく混ぜる。
ぬか床の材料は、すべて半量にしてもよい。
かき混ぜながら、水がぬか全体に回るまで加える。ぬかの粉けがなくなると、かき混ぜたときに水分を含んだ音がする。野菜になじんでまとわりつくような堅さにする。
水分が多いキャベツの外葉5~6枚、かぶの葉、にんじんの皮などを入れる。2日目には野菜をすべて取り出して、ぬかをよく混ぜ、キャベツ1/2コを丸ごと入れる。葉がしんなりしたら外側の葉から除く。3日目には、全部取り出して新たに捨て漬け用野菜を入れる。4日目から、きゅうり、にんじん、なすなども入れて、食べはじめる。
捨て漬け用野菜、本漬けにする野菜ともに、漬かりやすいように切る。
●キャベツは1枚ずつ水で洗い、芯を三角形に切り取る。芯も漬ける。
●かぶは茎の付け根で切り、大きいものは縦2つに切って皮を薄くむく。茎はよく水で洗い、バラバラにならないように気をつけ、付け根の周りをきれいにむく。
●きゅうりは水で洗い、天地を切り落とし、なり口の側をクルリとむく。
●なすは水で洗い、ヘタを落とす。粗塩でみがくと色よく漬かる。
●にんじんは縦半分に切って皮をむく。
●みょうがは洗い、さらしの袋などに入れる。
ぬか床をよく混ぜて、なすをいちばん下に、顔を出さないように入れる。キャベツは2枚ずつ重ねて入れ、ぬかをかぶせる。かぶ、きゅうり、にんじん、みょうがも、それぞれくっつかないように順に入れ、最後にかぶの茎を入れて、しっかりとぬかをかぶせる。
なすは約1日、ほかは一晩で程よく漬かる。暑いときは早く漬かるので、様子をみて時間を変える。なすを短時間で漬けたいときは、縦半分に切る。取り出すときは、野菜についているぬかをていねいに落としてから水で洗う。かぶの茎、キャベツの葉は、細かく切る。ほかの野菜は、食感が楽しめる適度な大きさに切る。
野菜を水で洗うときには、目の細かいざるなどでこして、ぬかが流れないように気をつけ、生ごみとして捨てる。
【ぬか漬けQ&A】
Q.何日か留守にするときは?
A.数日なら、ぬか床を冷蔵庫に入れる。かめごと入らない場合は、ぬかを漬かっている野菜ごと、密封できるポリ袋などに入れるとよい。
Q.しばらく休むときは?
A.ぬかから野菜をすべて取り出してきれいにならし、表面全体を覆うように粗塩をのせる。かめの口を紙で覆って縛り、さらにかめのふたをして、暗くて涼しいところに置く。ぬか床を起こすときは、捨て漬けを1週間ほどする。飲み残しのビールを加えると、発酵が促される。
【手入れのポイント】
◆かき混ぜ方◆
ぬか床は、毎日よく混ぜることが肝心。捨て漬け、本漬けともに、一日3回が望ましいが、朝晩の2回でもよい。野菜を取り出し、隅々まで手を入れて指の一本一本を動かしてかき混ぜることで、空気を通し、発酵を促す。素手のぬくもりも、発酵の手助けに。
◆ぬかと塩を足す◆
野菜をつけるうちに、ぬか床がゆるくなったり、量が減ったりするので、2週間に1度ぬかと塩を足す。塩の加減はぬか床をなめて確かめる。塩けはきつくないほうが、ゆっくりと漬かっておいしい。ぬかの塩加減が薄いと感じたら、野菜を塩でみがいて入れてもよい。
◆手入れが終わったら◆
表面を平らにならし、かめの内側をきれいにふいて、ふたをする。
◆ばぁばのぬか漬けでこんなレシピも◆
かくや
このレシピをつくった人
鈴木 登紀子さん
(1924~2020)青森県生まれ。都内で料理教室を主宰。本格懐石から毎日の惣菜まで、味わい深く凛とした盛りつけの和食を伝える第一人者。テレビのバラエティー番組でも活躍。
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