赤飯
日本の食。慶事を祝う特別なご飯として、ハレの日の食卓を彩ってきた赤飯。手づくりだからこその蒸したてのおいしさをぜひ味わってみてください。
写真: 久間 昌史
*全量
*全量
*ささげ、もち米を一晩おく時間、冷ます時間、粗熱を取る時間は除く。
材料
(つくりやすい分量)
- ・もち米 600ml(カップ3)
- ・ささげ (乾) 60g
- 【ごま塩】
- ・黒ごま 大さじ1
- ・塩 小さじ2/3
つくり方
ささげは水で洗い、水カップ2とともに鍋に入れて強火にかける。沸騰したら中火にし、5~6分間ゆでてゆで汁に少し色がついたらざるにあけ、ゆで汁を捨てる(渋きり)。
ささげを鍋に戻して水カップ3を加え、火にかける。沸騰したら中火にして9分間ほどゆで、ゆで汁が透き通ったワイン色になったらボウルで受けたざるにあけ、ゆで汁とささげに分ける。ゆで汁はとっておく。
ゆで汁を玉じゃくしですくい上げてボウルの中に落とす。これを十数回繰り返し、さらに鮮やかな色のゆで汁にして冷ます。
汁を空気に触れさせることで、発色がよくなる。
2のささげを鍋に戻し入れ、水カップ3を加える。15分間ほど煮て、柔らかくなったら火から下ろして冷まし、そのまま一晩おく。
もち米は洗い、水けをきって3のゆで汁に浸して一晩おく。
気温の高い時季は、冷蔵庫に入れるとよい。
翌日、4はざるにあけ、水けをきる。5はボウルに重ねたざるにあけ、ゆで汁ともち米に分ける。ゆで汁は手水(てみず)に使うのでとっておく。
蒸し布を水でぬらし、固く絞って和せいろに敷く。6のささげともち米を合わせて入れ、中央をすり鉢状にくぼませる。
中央をくぼませることで、蒸気が均一に回り、ふっくらと蒸し上がる。
鍋に湯を沸かして7の和せいろをのせ、蒸し布をもち米の上にかぶせ、ふたをして強火で40分間ほど蒸す。
途中でふたを開け、蒸し布の端を持ち上げながら菜箸で天地を返すように混ぜ、6のゆで汁を手のひらでたっぷりすくって全体にふり(手水)、すり鉢状に戻してふたをする。これを蒸している間に4~5回ほど繰り返す(やけどに注意)。蒸し上がったら盤台に広げて粗熱を取り、器に盛る。
【ごま塩】をつくる。小鍋に黒ごまを入れて焦がさないようにいる。火を止めてから塩を加え、余熱でごく軽くいり、小皿にあけて赤飯に添える。
【ささげ】
赤飯をつくるとき、関東ではささげ、関西では小豆を使うことが多い。小豆は蒸している途中に割れやすく、切腹を連想させることから、武士の多い江戸では避けられたとか。見分けるときは、「へそ」の色に注目。白いものは小豆、周りが黒いものはささげ。
このレシピをつくった人
柳原 一成さん
(1942~2022)江戸料理を伝える懐石料理の宗家。東京赤坂で料理教室を主宰。全国各地の郷土料理や伝統行事食に造詣が深い。
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