栗の渋皮煮
風味豊かな渋皮煮は、丁寧な下ゆでがおいしさの秘けつです。時間と手間をじっくりかけて手づくりした味は、まさに格別。
写真: 浮田 輝雄
*全量
*全量
*くりを熱湯・水に浸す時間、冷ます時間を除く。
材料
(つくりやすい分量)
- ・くり 1kg
- ・砂糖 1kg
- ・重曹 小さじ3
- ・ブランデー 大さじ1
- *あれば。
つくり方
ボウルに熱湯を入れ、くりを浸す。粗熱が取れるまで、約20分間おく。
水から取り出し、鬼皮をむく。縁の底(ザラザラとした部分)のほうの鬼皮を少し削り取る。
削り取った部分を手がかりにして、渋皮に傷がつかないように注意しながら、鬼皮をむいていく。
鬼皮をむくときは、最初に「手がかり」をつくると、あとはスイスイむける。
ボウルに水を入れ、3を浸して軽く汚れを取る。
くりの水けを軽くきって鍋に入れ、ヒタヒタの水と重曹小さじ1を加えて強火にかける。沸騰したら中火にしてアクを取り、約10分間ゆでる。
鍋ごと流し台に移し、鍋に流水を加えながら、水をかえる。くりに流水が直接当たると渋皮が傷ついてしまうので、流水をへらなどに当てながら水をかえる。
渋皮に残っている大きな筋を竹串を使って取る。細かな筋は手でやさしくこすって取り除く。
水と重曹を新しくして、5、6をさらに2回繰り返す。7の作業は一度だけでよい。最後に重曹を抜くために、水だけで5分間煮て6と同様に水をかえる。
何度もゆでこぼしてアクを抜く。この手間をかけてこそ、おいしい渋皮煮になる。
鍋からくりをやさしく手ですくい、別の鍋(内径23cmが目安)に並べ入れる。
鍋にヒタヒタの水と砂糖の半量を入れる。
紙タオル(不織布タイプ)で落としぶたをして火にかけ、煮立ったら弱火にして5分間コトコトと煮る。紙タオルを一度外して、残りの砂糖を加えて軽く混ぜ、再び紙タオルで落としぶたをして、さらに10分間コトコトと煮る。
火を止め、あればブランデーを加えて混ぜる。そのまま冷まし、煮汁と一緒に保存する。一晩おくとさらにおいしくなる。
【くりの保存】
くりは水につける前なら比較的日もちする。新聞紙で丁寧に包んで、ジッパー付きの保存袋に入れ、冷蔵庫で約1週間保存可能。
【くりの渋皮煮の保存】
保存容器に入れて、冷蔵庫で10日間保存可能。煮沸消毒した保存瓶に煮汁に浸った状態で入れた場合は、冷蔵庫で3~4か月間保存可能。
このレシピをつくった人
大原 千鶴さん
京都・花背の名料亭で生まれ、里山の自然に親しみながら和食の心得や美意識を育む。料理研究家、また二男一女の母として培った、家庭的かつ美しい料理に定評がある。
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