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きょうの料理レシピ

リ・ド・ヴォーのタブレ

高級食材リ・ド・ヴォーと庶民的な食材スムールを組み合わせ、鮮やかな冷製パスタサラダ「タブレ」をつくります。驚き、楽しさ、美しさが盛り込まれた究極の逸品に。

リ・ド・ヴォーのタブレ

写真: 今清水 隆宏

エネルギー /250 kcal

*1コ分

調理時間 /40分

*野菜スープを冷ます時間、 スムールを1日おく時間は除く。

材料

(4.5×4.5×4.5cmの型4コ分)

・リ・ド・ヴォー 約120g
*全体備考参照。
・スムール 110g
*全体備考参照。
【野菜スープ】*つくりやすい分量。約400mlのスープがとれる。
【A】
・たまねぎ 80g
・にんじん 80g
・セロリ 80g
・にんにく 10g
・干ししいたけ 5g
・水 500ml
【B】
・セルフィーユ 5g
・イタリアンパセリ 5g
【C】
・ルッコラ 30g
・イタリアンパセリ 3g
・ディル 3g
・セルフィーユ 3g
【D】
・塩 (細かいタイプ) 二つまみ
・エクストラバージンオリーブ油 大さじ1
【E】
・サワークリーム 5g
・マヨネーズ 10g
・エクストラバージンオリーブ油 大さじ1
・レモン汁 1/2コ分
【F】
・セロリ 15g
・ルッコラ 15g
・レタス 15g
・あさつき 3g
・ハーブ 適宜
*セルフィーユ、ディルなど好みで。
・こしょう 少々
・塩 少々
・強力粉 適量
・揚げ油

つくり方

【野菜スープ】をつくる
1

《火の入れ具合に注意し、香り豊かなスープをつくります。》【A】はすべて薄切りにする。水とともに鍋に入れ、弱めの中火にかける。

! ポイント

香味野菜に、にんにくと干ししいたけを加えてうまみを足す。

2

10分間煮出し、火から下ろす直前に【B】を加えて火を止める。粗熱が取れたらこし、氷水でしっかり冷ます。

タブレをつくる
3

《冷製のパスタサラダ=タブレを鮮やかな緑色に仕上げます。》【C】は葉の部分を摘み、2のスープ100mlとミキサーで形がなくなるまで15秒間ほどかくはんする。

! ポイント

葉は香りがよく、繊維が残らないので、そのまま使える。

4

ボウルにスムールを入れ、3を加えて混ぜ合わせる。

5

【D】を加えて全体を混ぜ、ラップをして冷蔵庫で1日休ませる。

! ポイント

1日休ませることで、スムールと野菜のスープがなじみ、味が落ち着く。

6

冷蔵庫から5を取り出し、【E】を加えて調味する。

! ポイント

味をみながら調味料を加える。サラダ感覚なので、オイルっぽさ、酸味の加減に気を配る。

7

【F】のセロリは筋を取ってみじん切りにする。ルッコラは葉を摘み、レタス、あさつきとともに粗みじんに切る。6に加えて混ぜ合わせる。

! ポイント

細かく切りすぎると風味がなくなる。

リ・ド・ヴォーを揚げる
8

《中はなめらか、外側はカリッと揚がるように、丁寧に処理をします》リ・ド・ヴォーの薄皮を取り除く。1cmほどの細切りにし、さらに1cm角程度に細かく切る。

! ポイント

薄皮を取り除くことで、より舌ざわりがなめらかになる。

9

バットに8を重ならないように並べ、全体にこしょう少々をふってから粒の細かい塩少々をふる。

! ポイント

こしょうは内臓特有の臭み、くせをやわらげる。塩は下味。

10

別のバットに強力粉適量を入れ、9を移す。まんべんなくまぶしたらざるに移し、余分な粉をしっかりはらう。

! ポイント

強力粉を使うことで、香ばしさが増し、カリッと仕上がる。

11

180℃の揚げ油に10を1コずつ重ならないように入れる。こんがり揚がったら火を止め、取り出す。

仕上げ
12

《手早く重ねて形を整え、きれいに仕上げます。》7を4等分する。皿に型をのせ、半量をスプーンなどで敷き詰める。

! ポイント

端のほうまで詰めて土台をつくる。スムールとリ・ド・ヴォーを交互に重ねることで、冷×温、プチプチ感×しっとり感が同時に楽しめます。異なる温度と食感が混在する驚き、色や形の美しさは、おいしさをつくる大切な要素です。

13

11のリ・ド・ヴォーを4等分する。半量を散らす。

! ポイント

全体に敷き詰めすぎないように。

14

7の残り半量を重ね、パレットナイフなどで軽く押さえて形を整える。

15

14の上からおもしなどでしっかり押さえて形をつくり、型を抜く。リ・ド・ヴォーの残り半量をのせ、好みのハーブを飾る。残り3コも同様につくる。

全体備考

◆リ・ド・ヴォー
仔牛(こうし)の胸腺(きょうせん)部分。生後2~3か月のものを使用。インターネットなどで購入できる。
◆スムール
硬質小麦からつくられた粒状のもの。世界最小のパスタともいわれ、クスクスの名でも知られる。発祥地といわれる北アフリカや中東、ヨーロッパなど広い地域で、サラダや煮込み料理、つけ合わせ、デザートなどに使われる。

【プロの技法 1 】《色鮮やかに決める》
色や香りはとても繊細。熱の加えすぎは、色を濁らせ、香りがとぶ原因になるので気をつけたい。例えば、つくり方1、2で【野菜スープ】をつくるとき。煮すぎると香りがとび、スープの色も悪くなる。最後に加えるハーブも爽やかな香りづけなので決して煮ないこと。また、3では、ミキサーを回すことで熱が発生するので、決してかくはんしすぎないこと。わずかな熱でも色が濁り、変わりやすい。

【プロの技法 2 】《調味料にこだわる》
材料はもちろん、それ以上にこだわりたいのが調味料。なかでも塩は基本調味料として欠かせない。同じ種類の粒が細かいタイプと粗いタイプをそろえ、使い分ける。細かいタイプは溶けやすいので、混ぜたり、ゆでたり、味をつけるときに使う。粗いタイプは散らすことで味に濃淡がつき、塩の食感が楽しめる。店ではフランス・ブルターニュ産の海塩を使用。ミネラル分が豊富で口当たりもやさしく、味に複雑さが出る。

きょうの料理レシピ
2015/02/19 谷原章介のザ・男の食彩

このレシピをつくった人

岸田 周三

岸田 周三さん

ホテル、都内フランス料理店を経て渡仏し、フランス各地のブラッスリーから三ツ星レストランまで、さまざまな店で修業。帰国後、最年少で三ツ星を獲得するなど、新進気鋭のシェフとして常に注目を集めている。

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