モヒート
ラム酒とミントをベースにしたキューバ生まれのカクテルです。適度なガス抜きが、ミントの清涼感を引き立てるコツ。
写真: 高橋 栄一
材料
(1人分)
(360ml容量のグラス)
- ・ミントの葉 約20枚
- *スペアミント、またはペパーミント。葉が大きいものを選ぶ。
- ・ライム (搾り汁) 15ml
- ・シュガーシロップ (市販) 10ml
- *砂糖を水で溶かし、煮詰めたもの。
- ・炭酸水 適量
- ・ラム酒 (ゴールド) 60ml
- *さとうきびの糖蜜を樽で熟成させてつくる、淡い褐色の蒸留酒。
- ・ミントチェリー (市販) 1コ
- *さくらんぼをシロップ漬けにして着色したもの。
つくり方
まずミントを入れて軽くつぶし、香りを出す。グラスにミントの葉、ライムの搾り汁、シュガーシロップを順に入れ、ペストルでつぶして香りを出す。
ミントのかさが減る程度につぶします。つぶしすぎると苦味が出るので注意。
炭酸水をグラスの半分ほど注ぎ、バースプーンで50~60回混ぜる。全体が混ざるよう、底から起こすようにして混ぜる。
グラスの底のほうから材料を軽く持ち上げるようにして混ぜ、ガス抜きをします。微炭酸にするのがポイントです。
ラム酒を加え、軽く混ぜる。氷を入れ、ミントチェリーを浮かべる。
《ペストル》
ハーブや果物をつぶすための小さなすりこ木。
【プロの技法1】あらかじめよく冷やす。
カクテルは冷やすほどにおいしくなる。冷たさを持続させてゆっくり味わうために、ベースの蒸留酒やグラス(冷凍庫で耐冷性のあるもの)は冷凍庫で冷やすとよい。
【プロの技法2】「ビルド」と「ステア」
飲むグラスに直接、氷や材料を入れてカクテルをつくる技法が「ビルド」。材料の比重の関係で混ざりにくいことがあるので、グラスに注ぐ順番を守ることが大切。ミキシンググラスに氷と材料を入れ、バースプーンでかき混ぜる技法が「ステア」(全体備考参照)。材料を混ぜながら冷やし、混ぜたらストレーナーを使ってグラスにこし入れる。材料の比重が同じくらいのときには、ステアの方法でつくることが多い。
【プロの技法3】おいしい果汁を搾る。
ライムやレモン、オレンジなどかんきつ類を多く使うカクテルは、果汁のおいしさによって味が決まるともいえる。横半分に切り、切り口をスクイザーに押し付け、ぐっと握って搾る。このとき薄皮を破ると苦みや渋みが出るので注意。一回一回持ち上げ、残りの果肉部分を押し付けて同様に搾る。薄皮を破らずに搾ることで、香り高い果汁がとれる。
【プロの技法4】ステアは繰り返し練習してマスター
バースプーンは、中央のらせん状の部分を中指と薬指の間にはさみ、親指と人さし指をその上部に添えて持つ(親指と薬指が手前、人さし指と中指が向こう側になる)。ステアするときは、親指の腹と中指の腹で持つ、人さし指の腹と薬指の背で持つ、という指の動きを繰り返し、バースプーンのねじれを利用して回転させる。この方法なら、上下まんべんなく混ざる。難しい技術なので、指の動きに慣れるまで割り箸などで練習するとよい。
【プロのアドバイス】ジンにドライベルモットを混ぜて冷凍
ステアに自信がないときは、ジンにドライベルモットを混ぜて冷凍庫に入れておくといいですよ。750ml容量の瓶からジンを少し減らし、ドライベルモット15~20mlを加えてよく振り、冷凍庫で冷やします。カクテルをつくるときに再び瓶を振り、ミキシンググラスに入れます。この場合、ステアは20~30回でOKです。
《おいしい果汁を搾る》
ライムやレモン、オレンジなどかんきつ類を多く使うカクテルは、果汁のおいしさによって味が決まるともいえる。横半分に切り、切り口をスクイザーに押し付け、ぐっと握って搾る。このとき薄皮を破ると苦味や渋みが出るので注意。一回一回持ち上げ、残りの果肉部分を押し付けて同様に搾る。薄皮を破らずに搾ることで香り高い果汁がとれる。
このレシピをつくった人
毛利 隆雄さん
日本を代表する名バーテンダー。東京会館のバーで働いたことがきっかけでこの道へ。数々の名店で腕を磨いたのち、バーの聖地、東京・銀座に店を構える。カウンターに立つかたわら、後進の育成にも力を注いでいる。
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