家でもおいしい親子丼
親子丼専用の鍋がなければ、小さいフライパンでも作れます。底に敷いたたまねぎは、程よい甘みを出すだけでなく、煮上がった卵をスムーズにフライパンからすべらせてくれます。
写真: 野口 健志
*1人分
つくり方
鶏肉は皮を取り、脂肪を丁寧に除いて小さめの一口大に切る。
手に入りやすい肉ほど筋は少ないが脂肪が多いので、丁寧に取り除く。
たまねぎは繊維と垂直に薄切りにする。
繊維を断つように切ると口当たりもよく、甘みが出る。
鍋に割り下と鶏肉を入れて弱めの中火にかける。静かに煮立つ程度の火加減で、2~3分間煮て七分~八分どおり火を通し、火から下ろす。
加熱してもパサつきにくいもも肉のみを使用。1種類だけなら下ごしらえも簡単です。
卵はボウルに2コを割り入れてほぐす。丼にご飯200gをよそい、平らにならしておく。
丼は面が広く、高低差が少ないものを。浅鉢などでもよい。
ここからは1人分ずつつくる。
直径15~18cmのフライパンにたまねぎの半量を広げて入れ、3の割り下と鶏肉を半量ずつ加えて弱めの中火にかける。
たまねぎを敷いておくことで卵に伝わる熱がやわらぐ。卵が底にくっつきにくくなるというメリットも。
煮立ってきたら、溶いた卵の3/4量を中央から外側へ円を描くように回し入れる。生の部分を少しすくい取り、煮立っている部分にかけながら火を通す(「老舗の親子丼」の10参照)。
半熟状になったらすぐ火から下ろし、4のご飯の上にのせて、残りの卵を全体に回しかける。「老舗の親子丼」の11のように、仕上げの卵をかけてから火から下ろすタイミングは熟練の判断。ご飯にのせてから仕上げたほうが失敗が少ない。
ラップで覆ってしばらく蒸らし、表面の卵を余熱でふんわりとさせる。もう1人分も4からと同様につくる。
ふた付きの丼がなくても、ラップをふた代わりにすればよい。
【鶏肉について】
親子丼の主材料は、ご飯と鶏肉、卵だけ。だからこそ、鶏肉は、信頼のおける小売店やデパートなどで、できるだけ良質なものを選ぶことが大切だ。のびのびと放し飼いされ、長期間かけて育てられた鶏の肉は、一般的な若鶏と比べると、その大きさや色、質感からも、いかに筋肉質で体格がよく、水分や脂肪が少なくてうまみが濃いかが分かる。
このレシピをつくった人
山田 耕之亮さん
江戸時代中期から続く老舗鶏料理店の8代目店主。伝統の味を守りつつ、時代に即したスタイルを取り入れ、元祖の名にふさわしい最高品質の親子丼を追究し続けている。
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