カヴァティエッディの魚介のラグーあえ
南イタリア・プーリア地方の手打ちパスタ「カヴァティエッディ」。時季の食材を使った魚介のラグーソースと合わせて、春らしく、軽やかな一皿に仕上げます。
写真: 今清水 隆宏
*カヴァティエッディの生地をねかせる時間は除く。
材料
(2人分)
- 【カヴァティエッディ】*つくりやすい分量/約4人分できる
- 【A】
- ・セモリナ粉 120g
- ・強力粉 100g
- ・エクストラバージンオリーブ油 大さじ1
- ・塩 二~三つまみ
- ・ぬるま湯 (60℃) カップ1/2
- 【あさりのだし】*つくりやすい分量
- ・あさり (殻付き/砂抜きしてあるもの) 300g
- ・水 カップ1+1/2
- ・イタリアンパセリ 1~2枝
- 【魚介のラグー】
- ・帆立て貝柱 100g
- ・えび (殻付き/無頭) 90g
- ・いか 70g
- ・新たまねぎ 1コ(100g)
- 【B】
- ・にんにく (半分に切る) 1かけ分
- ・エクストラバージンオリーブ油 大さじ2
- ・赤とうがらし (ヘタと種を除き、半分にちぎる) 1本分
- ・アンチョビ (フィレ/粗みじん切り) 2枚分(6g)
- ・バター (食塩不使用) 大さじ1(12g)
- *あれば。
- ・ブランデー 大さじ1+1/2
- *白ワインでもよい
- ・グリーンアスパラガス (塩ゆでして、1cm幅の乱切り) 2~3本分
- ・イタリアンパセリ (刻む) 適量
- ・塩
- ・エクストラバージンオリーブ油
つくり方
【A】を大きめのボウルに入れ、ざっと混ぜる。ぬるま湯を注ぎ、手で混ぜてよくなじませる。
ひとまとまりになったらまな板に取り出し、手のつけ根を使って、10分間ほどよくこねる。
生地のきめが細かくなり、表面がツルツルして、耳たぶよりも柔らかいくらいの堅さになったら、ラップをかけて2時間ねかせる。
ここでグルテンを落ち着かせます。途中から冷蔵庫に入れてもかまいませんが、初めはしばらく常温においてください。
生地を麺棒で2cm厚さにのばす。7mm幅の薄切りにし、さらに7mm幅の細切りにする。
生地を少しずつとって直径7mmの棒状にのばしてもいいですが、切るほうがよりスピーディーにできます。
4を手のひらで軽く転がし、直径7mmの棒状にする。
5を2cm幅に切る。
人さし指と中指をそろえて6を押さえ、少し前に押すようにしてから、ぎゅっと手前に引く。くるんと丸まればよい。残りも同様に形づくる。
セモリナ粉(分量外)を敷いたバットに入れ、上からもセモリナ粉をかけて混ぜておく。
セモリナ粉を混ぜるのは、カヴァティエッディ同士がくっつかないようにするため。この状態で、冷凍保存することもできます。
【あさりのだし】の材料を鍋に入れ、強火にかけてふたをする。
沸騰したら弱火にし、あさりの口が開いたらそのまましばらく煮立て、こす。あさりはむき身にし、とっておく。
あさりのだしは冷凍保存することができます。
帆立ては1.5cm角、えびは殻をむいて1.5cm幅、いかは1cm角に切る。新たまねぎは縦半分に切り、薄切りにする。
【B】をフライパンに入れて強火にかけ、香りがたったら弱火にして赤とうがらしを加える。にんにくが色づいたら火を止め、アンチョビとバターを加えて弱火にかける。新たまねぎを加え、ふたをして蒸し炒めにする。
蒸らすことで新たまねぎの甘み、コクを引き出します。
新たまねぎがしんなりしたら、にんにくと赤とうがらしを除き(赤とうがらしは好みのタイミングで取り出してよい)、塩二つまみをふる。
別のフライパンにエクストラバージンオリーブ油適量を熱し、帆立て、えび、いかを入れて強火で炒め、焼き色をつける。一度火を止めてブランデーを加え、アルコール分をとばして13に加える。
フライパンに、10のあさりのむき身と、あさりのだしカップ1/2を加え、なじませて火を止める。
鍋に湯をたっぷり沸かし、1%弱の塩(湯1リットルに対して10g弱が目安)を入れ、セモリナ粉をはたいたカヴァティエッディ160gを入れる。3分間ほどゆで、火が通って弾力が出てきたら湯をきる。
カヴァティエッディはアルデンテを気にしなくてもよいパスタなので、多少長くゆでても大丈夫。凍った状態のものは、そのまま湯に入れ、5~6分間ほどゆでます。
15のフライパンに、アスパラガス、16、エクストラバージンオリーブ油大さじ2を加えて火にかけてあえる。味をみて足りなければ塩適量で味を調える。器に盛り、イタリアンパセリを散らす。
《プロの技法1》
「あさりを選別する」
今回ラグーのベースになるのが、あさりのだし。悪くなったあさりが1コ混ざるだけで、味が台なしになってしまうので、以下の方法で悪いあさりを除いてから、計量します。
(1)音を聞く
あさりを5~6コ両手にとり、耳元で転がして音を聞きます。悪くなっているものはにぶい音やカラカラと空虚な音がします。
(2)においをかぐ
悪くなっているあさりは、異臭がします。
《プロの技法2》
「香ばしさを加える」
帆立て、えび、いかは別のフライパンで炒めてからソースに入れることで、香ばしさを加えます。炒めるときはすぐ混ぜずに、じっくり焼き色をつけてください。この香ばしさで、全体に軽やかなソースに深みが加わります。
このレシピをつくった人
濵﨑 龍一さん
東京・神宮前にあるイタリア料理店オーナーシェフ。素材の持ち味を生かした、温かみのある洗練された料理が人気。郷里・鹿児島県の薩摩大使、日本イタリア料理協会副会長を務める。
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