関東炊き
下ごしらえを丁寧にすれば、あとは煮るだけ。みんなで鍋の中をのぞきながら、次は何を食べようと話し合うのも、楽しいものです。
写真: 澤井 秀夫
*鍋をおいておく時間は除く。
材料
(4~6人分)
- ・大根 800g
- ・じゃがいも 4コ(400g)
- ・牛すじ 400g
- ・ちくわ 2本(200g)
- ・こんにゃく 1枚(340g)
- ・厚揚げ 3枚(640g)
- ・ごぼう天 4コ(180g)
- ・卵 4コ
- 【餅巾着】
- ・油揚げ 2枚
- ・餅 2コ
- ・かんぴょう 適量
- 【だし】
- ・水 3リットル
- ・うす口しょうゆ カップ1
- ・酒 カップ1/2
- ・砂糖 50g
- ・削り節 (さば) 30g
- ・削り節 (かつお) 20g
- ・練りがらし 適量
- ・七味とうがらし 適量
- ・塩
つくり方
大根は3cm幅の輪切りにし、皮を厚めにむく。米のとぎ汁に入れて火にかけ、煮立ってから約15分間ゆで、竹串が通ったら水にとって洗う。
皮は厚めにむかないと、大根が柔らかく煮えたとき、筋が残ることも。皮はしょうゆ漬けに!
じゃがいもは洗い、皮ごと水からゆでる。煮立ったら弱火にして15分間ほどゆで、竹串が通るくらいになったら、熱いうちに皮をむく。
牛すじは熱湯で色が変わる程度にサッとゆでてざるに上げ、一口大に切る。4~5コずつ竹串に刺す。
牛すじが柔らかくなったときに広がらないよう、折りたたむようにして串を刺していきます。
ちくわは斜めに2~3等分に切る。こんにゃくは三角形に切って厚さを半分にし、熱湯で下ゆでする。
厚揚げは三角形に切る。厚揚げ、ごぼう天は、熱湯にサッと通して油抜きをする。
卵は水から火にかけ、沸騰してから弱火で10分間ゆでる。冷水にとり、殻をむく。
【餅巾着】をつくる。油揚げは長い辺を半分に切り、口を袋状に開いて、半分に切った餅を1コずつ入れる。かんぴょうを水でサッと洗い、塩適量でもんで洗い流し、油揚げの口を結ぶ。熱湯をかけて油抜きをする。
【だし】の材料をすべて鍋に入れて強火にかけ、アクを取りながらよく煮立てる。だしが澄んできたら、布巾を敷いたざるにあけ、こす。
大きな鍋に1~6の具を半量ずつ重ねて入れ、残りの半量も同様に入れる。
半量ずつ入れて、どの具も取り出しやすく。餅巾着はあとから加えます。
【だし】をたっぷり注いでふたをし、1時間ほど弱火で煮る。一度火を止めて数時間おき、食べる前に餅巾着を加えて再び弱火にかけ、1時間ほど煮る。器に盛り、練りがらしと七味とうがらしを添える。
はじめに1時間煮たところまでが「仕込み」です。一度ねかせて、食べる前にもう一度煮て仕上げます。連続して2時間煮るより、冷めるときに味がしみて、ずっとおいしくなりますよ。もちろんストーブの上に置くような穏やかな火加減で、"ぼんやり"と3時間ほど煮てもいいですよ。
《おでんの煮汁で「うどん」》
おでんを食べすすんで具が少なくなったら、うどんを入れて煮込みます。刻んだ細ねぎを添えれば、なかなかおいしい煮込みうどんのでき上がり。
《大根の皮で「しょうゆ漬け」》
大根の皮を食べやすい大きさに切って、酒としょうゆ1:1をヒタヒタに注ぎ、半日間ほどおきます。大根の辛みも残ってポリポリと歯ごたえもあり、よい味の即席漬けに。これがありますから、おでんの大根は、遠慮なく皮を厚くむいてください。
このレシピをつくった人
土井 善晴さん
おいしいもの研究所代表。長年にわたる多様な食の経験から、和食文化の伝統を踏まえた一汁一菜を提案。新しい発想で料理を楽しくするきっかけをつくったと評価され、2022年度 文化庁長官表彰に選ばれる。各大学にて教授、講師も務める。
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