
きょうの料理レシピ
小豆粒あん
日本のお菓子に欠かせない、あんこ。昔はどこの家庭でも、コトコトと豆を煮て手づくりしていました。難しく考えず、まずは手を動かしてみましょう。

写真: 日置 武晴
エネルギー
/2180 kcal
*全量
調理時間
/120分
*あんを練ったあと、冷ます時間は除く。
材料
(つくりやすい分量)
- ・小豆 300g
- ・グラニュー糖 300g
- ・塩 一つまみ
つくり方
豆をゆでる
1
小豆はざるに入れ、サッと洗って水けをきる。ほこりを落とす程度でよいので強くこすらないこと。
2
厚手の鍋に水カップ3と1を入れ、ふたをして強めの中火にかける。沸騰したらふたを取り、水カップ1を加え(差し水)、ふたをせずにゆでる。
! ポイント
沸騰した湯の温度を下げるために加える水を「差し水」という。差し水をして急冷すると、豆の芯まで湯が浸透しやすくなる。
3
再び沸騰したら、そのまま強めの中火で2分間ほどゆでて火を止める。ざるにあけ、流水でサッと洗う。
! ポイント
ゆで汁の色が変わってきたら、豆からアクが出てきたしるし。こうして渋みを出して除く作業を「渋きり」という。
4
もう一度渋きりをする。鍋に水カップ4を入れて豆を鍋に戻し、強めの中火にかける。沸騰したら、そのつど少しずつ差し水をし、10~15分間ゆでる。
5
小豆のしわがのびたら火を止めてざるにあけ、流水でサッと洗う。
! ポイント
ゆでる前の豆と比べると、1.5倍ほどに大きくなり、ふっくらしていることが分かる。
6
鍋に戻して水カップ4を加え、ふたをして強めの中火にかける。沸騰してきたら弱めの中火にし、小豆が軽く躍るくらいの火加減に調節しながら30~40分間ゆでる。
! ポイント
常に小豆に水がかぶっているよう、3回ほどふたを開けて様子を見る。水が少なければそのつど足す。ゆでる途中、鍋の中をかき混ぜないこと。
ゆで具合を確かめる
7
よい香りがしてきたら、少量をへらにのせてスプーンでつぶす。抵抗なくつぶれればゆで上がり。ゆですぎて煮くずさないこと。小さじ1杯ほどを食べて確かめてもよい。
皮まで柔らかくゆでる
8
小豆が躍らないよう、オーブン用の紙でつくったふたをかぶせ、鍋のふたをし、ごく弱火で30~40分間、煮くずさないように注意してゆでる。この間、差し水はしない。
! ポイント
ガスの火と鍋の間に焼き網などをはさむと、火の当たりをやわらげられる。
9
ボウルでざるを受け、ざるの上にさらしの布巾を広げておく。8が皮まで柔らかくなったら、布巾の上にそっとあけながら流水をかけ、冷ますと同時にアクなどを落とす。
グラニュー糖を加えて練る
10
9を布巾ごと持ち上げ、そっと水けを絞る。
11
鍋に移し、グラニュー糖を加えて強めの火にかける。鍋底から木べらで大きく混ぜながら練り、塩一つまみを加えて混ぜる。
! ポイント
なるべく強めの火で手早く練るのがコツ。熱いあんがはねるので、作業用手袋をするとよい。
12
冷めると少し堅くなるので、好みの堅さよりやや柔らかめになったら火を止める。
! ポイント
あんこでご飯を包むおはぎ、ご飯であんこを包むおはぎの両方をつくりたい場合は、まず柔らかめに練って半量を取り出し、残りを堅めに練り上げる。
13
へらですくい、バットの上にのせて冷ます。堅めのあんこは小分けに山にしておくと効率よく冷める。
全体備考
《あんこの保存》
あんこが冷めたらジッパー付きの保存袋に平らに入れる。冷凍庫で約3週間保存可能。使う前日に冷蔵庫に移し、自然解凍する。
《あんこづくりの道具》
【側面の丸い鍋】
あんこを練るには、寸胴型ではなく底に近い側面がカーブした和製の鍋が向く。
【木べら、シリコン製のへら】
あんこを練るときに使う。木べらは面積が大きくて丸みがあり、持ち手が長いものがおすすめ。鍋肌をこそげたりあ
んこをすくうときは、耐熱シリコン製のへらが便利。
【工作用のへら】
あんこや和菓子の生地を切り分けるには、薄手で鋭いへらがよい。なければスケッパーや包丁でも。
【さらしの布巾】
ゆでた豆の水けをきったり、絞ったりするとき、紙タオルでは破れてしまう。水けをよく通すさらしが最適。60cm四方くらいの大きさに縫い合わせておくとよい。
【バット】
上にあんこを広げて効率よく冷ます。なければ平皿などで代用を。
《あんこの練り加減は使い方に合わせて》
【柔らかめのあんこ】
おはぎのご飯を包むあんこは、柔らかめのほうがのばしやすく、きれいな仕上がりに。すくい落とすと、ぽってりと積もるが山にならず、すぐにだらりとするくらい。
【堅めのあんこ】
おはぎのご飯やまんじゅうの中心に入れるあんこは、少し長めに練り続け、少し堅めに。すくい落とすと山になるが、すぐにおじぎをするくらい。
このレシピをつかった料理はこちら
粒あんおはぎ
黒ごまおはぎ 青のりおはぎ
雑穀おはぎ
あんこ玉と小串だんご
きょうの料理レシピ
2013/03/19
ニッポンおいしい手仕事
このレシピをつくった人

金塚 晴子さん
製菓学校で和菓子を学び、茶会や料亭の依頼菓子をつくるうちに、センスと味のよさが評判を呼ぶ。東京都内で和菓子教室を主宰。やさしくておいしい和菓子が評判を博している。
こちらのレシピで作った粒あんで、あんぱんを作りました。お砂糖は豆と同量ですが、それでも市販のあんこよりはずっと優しい甘さです。説明通りに作るのが成功のポイントで、このレシピはすごくわかりやすいので超おすすめです。
2024-03-25 10:52:56

前の工程までで割れもあり、皮まで柔らかく煮る手順は省きました。皮の食感はすっごく気になる程ではなかったです。それでもおいしくできました。甘さはちょうど良かったです。
2024-01-08 03:01:01
今回も香り良く炊けました。古豆だったので長めに煮て砂糖は翌日に加えたら皮まで柔らかくできました。気持ち砂糖を減らしてみましたが、やっぱりレシピ通りにした方が美味しかったです。次はケチらずに入れます。
2023-01-18 11:06:14
粒あんが好きで色んなレシピで作りましたが、金塚先生の作り方が一番おいしいです。誰に出してもお店より美味しいと言われるので、きっと間違いない笑
砂糖は控え過ぎないほうがいいようです。
砂糖は控え過ぎないほうがいいようです。
2022-11-30 08:38:53
お正月のあん餅を作るために、初めて小豆から餡子を作りました。レシピ通りに時間も計って作りました。とっても美味しく好評でした。
パンを焼いて、余った餡子を使って、あんバターパンを作りました。
パンを焼いて、余った餡子を使って、あんバターパンを作りました。
2021-12-30 04:43:15
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