おはぎ
お彼岸には欠かせない「おはぎ」。小豆を煮る、もち米を蒸す、そうして手間ひまかけてつくるのは、家族皆で、日々への感謝の気持ちを確認するためです。
写真: 蛭子 真
*1コ分
*小豆ともち米を一晩浸す時間は除く。
材料
(10コ分)
- ・小豆 100g
- ・砂糖 70g
- ・もち米 120g
- ・塩 一つまみ
- *お好みで。
下ごしらえ・準備
前日の準備
1 小豆はサッと洗い、たっぷりの水に一晩浸しておく。
2 もち米はサッと洗い、たっぷりの水に一晩浸しておく。
つくり方
水に浸した小豆を流水で洗って鍋に入れ、たっぷりの水を注ぐ。水分が2/3~半分になるくらいまで中火で煮立てる。
ゆで汁を半分ほど捨て、水を注いでぬるま湯程度の温度にする(びっくり水)。再び火にかけ、アクが出てくるまで中火で煮立てる。
小豆の皮と中心部分の温度を均一にすることで、柔らかく煮ることができる。
ゆで汁をいったん捨て(渋きり)、小豆をきれいに洗う。
渋きりをすればするほどくせのない味わいになる。小豆の野性味を楽しむなら一度でも十分。
再びたっぷりの水を注いで中火にかけ、温まってきたら火を弱める。表面がわずかに揺らぎ、鍋底から小豆が2〜3粒上がっては落ちる状態を保つ。
小豆が動かず、鍋中が落ち着いたら、いったん火を強め、また弱火にする。
火加減に注意して、途中ゆで汁が半分くらいになったら水を足しつつ(差し水)、2時間煮る。
煮上がったら小豆とゆで汁を分ける。ゆで汁はうずらもちに使うため、こしてとっておく。
小豆に砂糖と、好みで塩一つまみを加え、やさしく混ぜ合わせてから中火にかける。
火にかける前に小豆と砂糖をなじませる。さらに火にかけるまで1時間ほどおくと、余分な水けが吸収され、煮詰めやすくなる。
木べらで、小豆の粒をくずしすぎないよう注意しながら、手早く水分をとばすようにして煮る。
鍋底で一まとまりになるくらいの堅さが目安。
バットに移し、粗熱が取れたら冷蔵庫に入れて落ち着かせる。
水に浸したもち米を流水で洗う。蒸気の上がった蒸し器にぬれ布巾を敷き、もち米を広げてふたをする。ふきんの端はふたを覆うように上げて、30分間蒸す。
もち米をボウルに移し、熱湯カップ1/4を注いで手早くきるようにして混ぜる。
ラップで覆い、粗熱が取れるまでおいて蒸らす。
手をぬれ布巾などで覆い、もち米をつぶす。
粒が少し残り、なおかつ粘りが出てくるくらいを目安に。
20gずつにまとめて10コつくる。
9のあんを室温に戻し、30gずつにまとめる。
あんを手のひらにのせ、その上に14のもちをのせて口を閉じるようにして包む。裏返して形を整える。残りも同様にして包む。
このレシピをつくった人
太田 達さん
老舗京菓子店の4代目当主。茶人。工学博士でもあり、菓子づくりの所作を科学的に分析するなどの新たな試みにも挑戦している。菓子文化にとどまらない、いにしえの文化継承・保存のため講演活動などに東奔西走する日々。
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