登紀子ばぁばの太巻き
いろいろな具が入り、手に取ったときのずっしりとした重みもまたうれしい太巻きです。すし飯はさっぱり、具はこっくり。たまらないおいしさですよ。
写真: 鈴木 雅也
*1本分
*ご飯を炊く時間は除く。
材料
(3本分)
- 【すし飯】
- ・米 800ml(カップ4)
- ・昆布 (10cm四方) 1枚
- 【すし酢】
- ・酢 カップ1/2
- ・砂糖 大さじ4
- ・塩 小さじ1+1/2
- ・干しのり (全形) 4+1/2枚
- *破れにくくおすすめ。なければ焼きのりでも。
- 【かんぴょうの甘煮】*太巻き3本分。全量使う。
- ・かんぴょう (乾。20cm長さ) 12本
- ・だし カップ1
- ・砂糖 大さじ3
- ・みりん 大さじ3
- ・しょうゆ 大さじ2
- ・塩 適量
- 【干ししいたけの甘煮】*つくりやすい分量。(大)8枚使う。
- ・干ししいたけ 12枚
- ・だし カップ3/4
- ・砂糖 大さじ3
- ・みりん 大さじ2
- ・しょうゆ 大さじ1+1/2
- 【卵焼き】*太巻き3本分。全量使う。
- ・卵 5コ
- ・砂糖 大さじ3
- ・塩 少々
- ・サラダ油 適量
- 【梅酢しょうが】*太巻き3本分。全量使う。
- ・梅酢しょうが (市販) 2枚
- 【みつば】*太巻き3本分。全量使う。
- ・みつば 1ワ
- ・塩 少々
- 【たらのでんぶ】*つくりやすい分量。適量使う。
- ・生だら (切り身) 2切れ
- ・砂糖 大さじ1
- ・塩 一つまみ
- ・酒 大さじ1
- ・水に溶いた食紅 少々
- ・酢
つくり方
かんぴょうは洗い、たっぷりの塩をふってよくもむ。塩を流し、水に30分間つける。戻し汁ごと爪が立つまでゆでて洗い、水けを絞る。
鍋でだし、砂糖を煮立て、かんぴょうを加えて、弱火で4〜5分間煮る。さらにみりん、しょうゆを加えて落としぶたをし、中火で汁けがなくなるまで煮る。
干ししいたけはたっぷりの水につけ、しいたけが浮かないように皿をのせて一晩おく。水けを絞って軸を除く。
鍋でだし、砂糖を温め、3を4〜5分間煮る。みりん、しょうゆを加え、落としぶたをして弱火で汁けがなくなるまで煮る。バットにあけて冷まし、5mm幅に切る。
ボウルに卵を入れて、箸ですくい上げて卵白をざっと切り、箸を横に動かして、あまり空気を入れずにほぐす。砂糖、塩を加えて混ぜ合わせ、こし器などでこす。
卵焼き器を強火で熱し、サラダ油を薄く塗る。卵液を3回に分けて、流し入れて焼き、3等分に細長く切る。
【梅酢しょうが】(市販)2枚は、細長い拍子木形に切る。
【みつば】はサッと塩ゆでし、水にとって、水けを絞る。
鍋にたらとたっぷりの水を入れて強火にかける。表面に泡がブクブクと浮いてきたら、1〜2分間待って火から下ろす。たらはくずれやすいので直接水が当たらないように、蛇口に布巾をかけて水を流し入れ、粗熱を取る。血合い、皮、骨を取り除き、粗くほぐす。
さらしに包み、水けを絞る。たらをすり鉢に入れ、すりこ木で繊維をつぶさないよう、する。すり身を平鍋にあけ、砂糖、塩、酒、食紅を加える。4〜5本の菜箸でざっと混ぜて弱火にかけ、さらに箸でかき混ぜる。たらが鍋底にくっつくようになってきたら、たっぷりとぬらした布巾の上に鍋を置いて冷まし、これを繰り返しながらふんわりとなるまで、いる。
米は洗って鍋に入れ、水880ml強を加えて1時間おく。昆布を加えて強火にかけ、沸騰したら昆布を取り出して、あとは普通に炊き上げる。この間に【すし酢】の材料を混ぜ合わせておく。水でぬらした布巾で盤台をよく湿らせ、鍋からご飯を一気にあける。ご飯が山になっているところに、しゃもじで【すし酢】を受けながら、手早く回しかける。初めはしゃもじをねかせて上からご飯をなでるようにし、全体に【すし酢】を行き渡らせる。
ご飯の間に空気が入るように、うちわであおぎながら、しゃもじをねかせて斜めに動かす。こうすることで、ご飯につやが出る。
水カップ1に酢大さじ1を加えて酢水をつくる。巻きすの上にのり1+1/2枚を少し重なるように置き、2〜3粒の米をつなぎにし、3か所を留める。適宜、手に酢水をつけながら、【すし飯】の1/3量をのりの上にのせる。手前は縁ぎりぎりまで、奥は2cmほどあけて、均等に広げる。
さらにご飯をのりに押しつけるように、両手で強めに押さえる。具を置く溝を、手で等間隔に4本つける。
いちばん手前の溝から、【かんぴょうの甘煮】4本、5mm幅に切った【干ししいたけの甘煮】約2+1/2~3枚分、【卵焼き】1/3量を順に並べ、卵の手前に【みつば】1/3量、【梅酢しょうが】1/3量を置く。いちばん奥の溝に、【たらのでんぶ】適量を置く。
両手の人差し指を手前の【すし飯】の縁に置き、中指でかんぴょうを押さえて、向こうののりの部分まで、一気にかぶせるように持っていく。
のりの接着部分が下にくるように半回転させて、上からギュッと押さえて形を整える。
さらに片手で巻きすの上を押さえて、反対の手で巻きすの下部分をぐっと引くようにして、しっかり締める。
いったん巻きすをはずし、太巻きを片側に寄せ、はみ出している具を酢水をつけた手でやさしく押し込む。反対側も同様にする。残りの2本も同様につくる。巻きすをはずし、太巻きを2~3cm厚さに切り分ける。
このレシピをつくった人
鈴木 登紀子さん
(1924~2020)青森県生まれ。都内で料理教室を主宰。本格懐石から毎日の惣菜まで、味わい深く凛とした盛りつけの和食を伝える第一人者。テレビのバラエティー番組でも活躍。
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