茶わん蒸し
卵の味を生かすために、卵はこさないのがコツ。ていねいな下ごしらえで、仕上がりも美しく。
写真: 大山 克巳
*1人分
*昆布を水につけておく時間は除く。
材料
(2人分)
- ・卵 (L) 1コ
- 【だし】*つくりやすい分量。
- ・昆布 10g
- ・水 カップ3
- ・削り節 20g
- 【A】
- ・塩 一つまみ
- ・みりん 小さじ1/2強
- ・うす口しょうゆ 小さじ1/2強
- 【具】
- ・鶏もも肉 (そぎ切り) 約15g
- ・えび (冷凍。ブラックタイガー。殻付き) 2匹
- *解凍する
- ・かまぼこ (1cm厚さ) 1枚
- ・生しいたけ (軸を除き、薄切り) 1枚
- ・ゆり根 3枚
- ・ぎんなん (水煮) 4コ
- ・みつばの茎 (2~3cm長さに切る) 5~6本
- ・ゆずの皮 少々
- ・うす口しょうゆ 少々
つくり方
鍋に【だし】の水と昆布を入れてつけておく(夏は30分間、冬は1時間が目安)。昆布を取り出してから火にかける。縁に泡が立ち、対流してきたら削り節を中心に入れる。こうすると削り節がスッと中に沈む。火を止めて、そのまま1分間おいてからこす。
【具】の鶏もも肉は2枚にそぎ切りにし、うす口しょうゆをふってもむ。そのまま15~20分間おいておく。えびは殻をむき、背ワタを除いて2つから3つに切る。
かまぼこは半分に切り、熱湯でサッとゆでる。食感が柔らかくなるうえ、かまぼこが温まるので、蒸したとき周りに加熱むらができにくくなる。
生しいたけは軸を除いて薄切りにし、水につけて絞る。こうすると、蒸したときにしいたけの色が卵に移らず、黒ずまない。
ゆり根は1枚ずつはがして、熱湯でサッとゆで、半分に切る。ぎんなんは指の先で軽くつぶしてホクッとした食感に。みつばは2~3cm長さに切る。
ボウルに卵を割り入れる。卵液をこさないので、口当たりがよいようにカラザ(白いひも状の部分)を除き、はしでよく溶きほぐす。
1の【だし】140mlに、【A】を加えて混ぜる。6に少しずつ静かに加えながら、泡立てないように混ぜ合わせる。混ぜすぎると風味もコシもなくなってしまうので、手早くしっかり、がコツ。
器に2~5の【具】を均等に彩りよく入れ、7の卵液を静かに注ぎ入れる。はしで軽く混ぜて、具がくっつかないように散らす。
蒸気の上がった蒸し器に8を並べ、紙をはさんで2つに折った巻きすをのせる(ラップや器のふたでもよい。巻きすと紙の場合は蒸気が抜けるので、水滴が茶わん蒸しに落ちたりしない)。蒸し器のふたをきちんと閉めて強火で約3分間蒸し、卵液の表面が固まってきているのを確認したら、蒸し器のふたをずらして中火にする。そのまま約10分間蒸す。
茶わんを揺らしてみて、固まっていれば蒸し上がり。食べるときにゆずの皮をのせる。
(蒸し方のコツ)
生地にポツポツと「す」が入ってしまうと、食感が悪くなる。ツルンとした卵のおいしさを味わうには、蒸し方が大事。ポイントは、表面が固まるまではふたをして蒸し、その後は温度が上がりすぎないように、ふたをずらすか火力を弱めること。こうすることで、中心まで柔らかく熱が入って、なめらかに蒸し上がる。また、固まり具合は、目で見て確認することも大事。蒸し時間はあくまでも目安と考えて、様子を見ながらつくる。
このレシピをつくった人
神田 裕行さん
パリの日本料理店で料理長を務め、帰国後、徳島と東京の料亭で研鑽を積み、東京で独立。
世界的なレストランガイドの東京版では最高評価を得、多忙な毎日を送っている。
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