2024/05/13

大原千鶴さんインタビュー「家庭料理で家族も自分も健康に」

母として二男一女を育てた経験を生かした、シンプルでつくりやすい家庭料理が評判の大原千鶴さん。料理研究家として、雑誌やテレビ、講演会など幅広く活躍中です。
そんな大忙しの大原さんに、家族の健康と料理について伺いました。

大原千鶴

家族の健康を守るための工夫

いつも、とてもお忙しい大原さん。家族の健康を守るために、これまで何か工夫をされてきたことはありますか?

大原家庭料理は、身体と心が休まるための料理だと思っています。
つくりこんだ料理ばかりでは、自分も家族も疲れてしまうので、なるべくシンプルなものにしてきました。野菜をただ蒸しただけ、肉を焼いただけ。つくりこまなくても、蒸したり焼いたりして、しょうゆやポン酢をかければ、お皿の上で完成する、そんな料理。
家で食べると健康になれる気がする、そんなものが良いと思っています。

キャベツの鍋蒸し
大原さんの「キャベツの鍋蒸し」のレシピはこちら

大原我が家では、忙しくてもコンロの上には、あたためて食べられるものが必ず何かあって、冷蔵庫には常備菜があるようにしていました。
すると家族は、わたしがいなくても自分が帰ってきたら、あたためて工夫して食べるようになり、「食の習慣」が徐々に身についていったようです。
子どもたちには、好きなようにやらせました。指図されずに自由に失敗したいタイプでしたから放置して(笑)。やらせてあげることが大事やね。

食の習慣をつくるポイントは?

食の習慣を身につける際にポイントとなることはありますか?

大原インスタントもコンビニ弁当も良いけれど、それが続くと身体がつらく感じませんか?
そうならないように、食のサイクルを考えるのが大切。
体調がすぐれない時、栄養的に何が足りないのかわかる。子どもたちのそんな感覚が育つように意識してきたように思います。
例えば、野菜が足りないなと思ったら、きゅうり1本をかじるのでも良い。
体を整えるバローメーターを持つことがポイントになるんじゃないかなって思います。

大原さんの健康の秘けつは?

大原特に何をしているということではありませんが、ストレスを感じないようにしています。それが一番の秘けつかな。
自分の気持ちがふさぎそうな、マイナスのことを考えないように、忙しくしています。
人間暇だと、しょうもないことしか考えないんですよ(笑) 忙しくすることが大事やね。
自分の気持ちが前に向くというか、ウキウキするような仕事をしたいですね。
それには、なんでも面白がることかな。

名前のない料理こそ、家庭料理

大原料理をつくるときのアプローチはいろいろありますよね。冷蔵庫に何が残っているか、今日は何を食べたい気分かで献立を考えたり。
わたしのおすすめは、いつもの料理を季節の食材に変えてみること。季節の食材にするだけで、合わせる食材は少なくても、調味料の種類が少なくてもおいしい料理ができます。いらない手間が省けて、料理がラクになって、どうやってもおいしくできるなんていいこと尽くし!
ぜひ野菜のおいしい時期に 季節の野菜をふんだんに使って料理をつくってみてください。
味のついていない野菜を食卓に出して、ほかの料理と合わせながら食べると、減塩にもつながります。舌がリセットされて、素材寄りの味覚になります。

「名前のない料理こそ、家庭料理」だとわたしは思うので、家庭料理にはメニュー名はいらないって思ってるんです。
その日に家にある食材とか、使ってしまわなければいけない食材でつくるからこそ、家庭料理は安心した味になります。
二度とできない料理がいっぱいある家庭料理を、大事にしてほしい。
そして、うまくできたときは「わたしって天才」って思う気持ちが大事やね。

自分や家族の健康を維持するためにも健康キッチンのレシピをぜひご活用ください。

大原千鶴さんに勇気をいただきました。ありがとうございました。

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