「実家の倉庫に、きょうの料理を録画した古いビデオテープがたくさんあるんです…」
連絡をくれたのは、弘農功さん。ビデオテープには、1970~80年代にかけて「きょうの料理」の講師として活躍された中国料理の研究家、楊萬里さん(弘農さんの父)が出演された放送が、録画されていると言います。
「きょうの料理」の放送が始まったのは、1957(昭和32)年。今年11月には、放送開始65周年を迎えます。が、しかし、実は古い映像があまり残っていないのです…
番組開始当初、放送はすべて「生放送」。当時はVTRというもの自体がNHKにはありませんでした。VTR収録が出来るようになってからも、そのまま保管された1970年代以前の「きょうの料理」の映像は数えるほど。「これはお宝に違いない!」と、早速、NHKアーカイブスの「番組発掘プロジェクト」に連絡をとり、弘農さんからビデオテープを送っていただけることになりました。
発掘プロジェクトでビデオテープを検証してもらった結果、その中には、貴重な「1970年代のきょうの料理」の映像が、なんと18本!さらに「料理研究家」の楊萬里さんが「俳優」としてゲスト出演された大河ドラマ「花神」の映像も。こちらもNHKには残されていたなかったそうで、思いがけないお宝発掘となりました。
楊萬里さんは、日本の中国料理研究家の草分けのひとり。今回は発掘された映像の中から、今も日本の家庭で愛され続ける、中国料理の定番おかずを5品紹介します。
どのレシピも、楊さんがコツや応用を丁寧に説明してくれているので、役立つこと間違いなし。初めて挑戦する方や、基本をもう一度見直したい方にもぴったりです。
昭和の懐かしい中国おかず、是非、再現してみてください!
発掘!懐かしレシピ 楊萬里さんの定番中国おかず
シューマイ (焼売・ショウマイ)
どなたにもよく知られている‟シューマイ”を紹介します。蒸(チェン)の調理法は、材料を蒸し器(せいろう)に入れてふたをし、蒸気で蒸す方法で、形をくずさず、材料の持ち味をいかした調理法の一つです。(1979年2月12日)
ピーマンと牛肉の炒めもの(青椒牛肉糸・チンジョウニウロウスウ)
どなたの口にも合う、よく知られている中国料理の一つです。おいしくつくるには、材料の個性をよく理解して調理にかかるのがコツです。(1979年2月19日)
麻婆豆腐 (マーボードウフ)
どなたもよくご存じの、辛くて、熱くて、柔らかい豆腐料理です。仕上げの時にとろみをつけるあんかけは、料理が冷めにくく、口当たりがなめらかで、煮汁もむだなく調理できる合理的な調理法です。(1979年2月26日)
揚げだんごの甘酢あん (炸肉丸・ヅアロウワン)
揚げる動作のことを<炸(ヅア)>といいます。"炸"の字の示すとおり、「火力に気をつけ乍(なが)ら」行うことです。 (1979年3月12日)
春巻き (炸春巻・ヅアーチョンヂョン)
‟揚げもの”に最もたいせつなことは、でき上がりの料理に‟香ばしさ”がともなわなければなりません。常に火加減の調節に気を配ることがたいせつです。(1979年3月12日)
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