フルーツケーキ
ドライフルーツをたっぷりとちりばめたぜいたくなケーキ。焼いてから少しねかせると生地がなじみます。
写真: 野口 健志
*全量
*レーズンをラム酒につける時間、バターを室温に戻す時間、ケーキを冷ます時間は除く。
材料
(8cm×18cmのパウンド型1台分)
- ・バター (食塩不使用) 90g
- ・グラニュー糖 (細粒) 90g
- *製菓材料店で手に入る。目の粗いグラニュー糖だと溶けにくいので、フードプロセッサーにかけて細かくしてもよい。または上白糖。
- ・溶き卵 75g
- 【A】
- ・薄力粉 90g
- ・ベーキングパウダー 小さじ1/3~1/2
- 【フルーツ類】*種類がそろわないときは、その分ほかのドライフルーツを増やしてもよい。オレンジピールはスライスしていないものを選ぶとよい。
- 【B】
- ・レーズン 50g
- ・ラム酒 20ml
- ・オレンジピール 40g
- ・ドライアプリコット 30g
- ・ドライクランベリー 20g
- ・生くるみ 40g
- 【シロップ】
- ・グラニュー糖 15g
- ・水 大さじ2
- ・キルシュ 大さじ2
- *さくらんぼのブランデー。
下ごしらえ・準備
1 レーズンは湯で戻して紙タオルで水けをふき取り、ラム酒を注いで保存容器に入れ、3日間以上冷蔵庫に置いておく。
2 オレンジピール、アプリコット、クランベリーは、それぞれぬるま湯でサッと洗い、紙タオルで水けをふき取っておく。
3 バターはラップで包んで室温に戻しておく。
4 【A】の粉類は合わせてふるっておく。
5 型の内側に、四隅に切り込みを入れたケーキ用の敷き紙(またはオーブン用の紙)を敷いておく。
6 オーブンは180℃に温めておく。
つくり方
アプリコットは1.5cm角、クランベリーは半分に切る。オレンジピールは5~7mm角に切る。くるみは1cm角程度に粗く切る。レーズンは汁けをきる。
ボウルにバターとグラニュー糖を入れ、ゴムべらでなじむまですり混ぜる。
ハンドミキサーを高速にして、絶えず大きく回しながらかくはんする。白っぽいふんわりとしたクリーム状にする。約5分間が目安。
溶き卵の1/4量を加えて、約2分間かくはんする。残りの卵も3回に分けて加え、そのつど約2分間かくはんする。3のバターに比べて、かさが2倍くらいになっていればOK。
ふるった【A】の粉類を再度ふるって一度に加える。
ゴムべらで全体をよく混ぜる。ゴムべらの広い面を進行方向に向け、ボウルの斜め上から中心を通って斜め下に底をこするよう動かす。ボウルの側面に沿ってゴムべらを持ち上げて生地を中央に落とす。そのとき同時にボウルを手前に少し回転させる。これを約30回繰り返す。
粉が見えなくなるまで混ぜたら、さらに60~80回混ぜる。生地全体がよりなめらかになる。
1とレーズンを加えて軽く混ぜ、全体が均一に混ざった状態にする。
型に8の生地を入れる。型の中央はへこませ、両端は型の縁の高さに合わせ、表面をならす。180℃のオーブンで45~50分間焼く。
ケーキを焼いている間に、シロップをつくる。グラニュー糖と水を小鍋に入れて火にかけ、煮溶かす。火から下ろして冷まし、キルシュを加える。
9が焼き上がったらすぐに型から出し、紙をつけたまま2~3分間おく。
熱いうちに紙をはずし、10の【シロップ】を残さずに、全体にまんべんなくぬり、冷めたらラップで包んで冷蔵庫でねかす。3日後からおいしくなり、2~3週間が食べごろ。
【バターの状態をチェック!】
生地づくりの重要なポイントの一つがバターのかくはん。堅かったり柔らかすぎると十分に気泡ができず、ふくらみが悪くなります。季節の寒暖によってバターの状態が違ってくるので、温度で状態を見極めるのが小嶋さんのおすすめ。室温に戻すときの適温は、春と秋は20℃前後、夏は18℃、冬は約22℃を目安にするとよいでしょう。また加える卵も夏は冷やし(約15℃)、冬は湯せんで温める(約30℃)ようにすると、生地づくりの途中の温度が20℃前後に保たれます。これくらいの温度だとバターに空気をしっかりと含ませることができるので、よりよい仕上がりにつながるのです。
【失敗しない生地のコツ】
バターのかくはんが少なかったり、粉が見えない程度に混ぜるだけでは、焼き上がりが重くなり、ふくらみも悪くなってしまいます。バターをハンドミキサーで泡立てるようにして、気泡を含ませ、粉を加えたら90~110 回混ぜることがコツ。回数に驚かれるかもしれませんが、これくらい混ぜることで、生地のきめが細かく、口どけのよい焼き上がりになります。
このレシピをつくった人
小嶋 ルミさん
都内で洋菓子店、お菓子教室を経営。日本の女性パティシエの草分け的存在。シンプルで本物の味、心温まる味を追求したお菓子が評判。
中国語の本も多数出版され、中国のお菓子愛好家の間でも広く知れ渡る。最近では、中国人やタイ人を対象に、日本の菓子づくり教室も開催している。
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