かつおと昆布のだし
和食の礎(いしずえ)ともいえる「だし」。目指すのは、高い香りと深いうまみをたたえた、澄んだだしです。昆布も削り節も加熱しすぎに注意。まろやかで自然の甘みを感じるだしになります。
写真: 野口 健志
*全量
*全量
*昆布を水に浸す時間は除く。
材料
(でき上がり約1.5リットル分)
- ・昆布 30g
- ・削り節 (かつお) 30g
- ・水 カップ9(1.8リットル)
つくり方
昆布はぬらした紙タオルで汚れをサッと拭き取る。表面の白い粉はうまみ成分なので取り除く必要はない。鍋に入れ、分量の水を注いで涼しい場所に一晩(5時間程度)おく。
◎先にに昆布は水に浸して◎
昆布のうまみはゆっくりと水に溶け出す性質があるので、沸かす前に必ず水に浸し、うまみを引き出しておく。普段はすっきりと品のある利尻昆布を使っているが、濃厚なだしの出る真昆布もおすすめ。
1を中火にかけ、出てきたアクを取る。丁寧に取り除くことで香りのよい澄んだだしになる。
昆布の周囲にプツプツと気泡が付き、煮立ちはじめたら昆布を引き上げる。そのまま沸騰直前まで温める。
◎昆布は長時間煮出さないこと◎
昆布を長時間入れたままにすると、特有の昆布臭やぬめりが出てしまう。だしをとったあとの昆布はつくだ煮にしてもよいが、煮物のときの落としぶたに使うとおいしい煮物ができる。
削り節をほぐすようにして加え、手早く菜箸でさばく。
◎削り節で香りとうまみをさらに豊かに◎
昆布のうまみ成分はグルタミン酸。そこにかつおの削り節のイノシン酸が加わることで、2種のうまみの相乗効果でおいしいだしがとれる。削り節が鍋の中でだんご状に固まったままだと中心部に火が入らず、濁る原因になるので手早くさばく。
再びグラッと沸いたら火を止める。ざるに紙タオル(不織布タイプ)を敷き、静かに一気にこす。鍋に残った削り節もざるにのせる。
そのまましばらくおく。水分が落ちなくなったら削り節を紙タオルで包み、上から箸で押さえる。
◎最後の一滴までこしとる◎
料亭などでは押さえて絞りとることはしないが、家庭料理なので最後の一滴まで大切にこしとって、力強いだしにする。料理のたびにだしをとるのは大変なので、小分けにして冷凍保存する。冷凍庫で1か月間ほど保存可能だが、早めに使いきる。
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このレシピをつくった人
後藤 加寿子さん
茶道の家元の家に生まれる。日本料理の奥深い知識に裏打ちされた、シンプルかつ現代的な和食のレシピを提案。食育にも力を入れ、和食文化国民会議副会長を務める。
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