黒豆
日本は農耕民族で、黒豆は黒く日焼けするほど「まめ」に働く、という縁起です。黒々とまめに、健康に働けるようにという祈りを胸に、じっくりと煮含めましょう。
写真: 久間 昌史
*全量
*全量
材料
(つくりやすい分量)
- ・黒豆 カップ2(約280g)
- ・重曹 小さじ1/2
- 【みつ】
- ・砂糖 カップ2(240g)
- ・水 カップ1+3/4
- ・うす口しょうゆ 小さじ2
- ・塩 少々
- ・ちょろぎの赤梅酢漬け 適宜
- *市販。
つくり方
黒豆は洗って鍋(直径20cm)に入れ、重曹と熱湯カップ6、さびくぎ5~6本を加えて一晩おく。
◆さびくぎ◆
黒豆の色止め用。市販のだし用パックに入れて使う。ない場合は、市販の鉄材を使用しても。
色の出た水のまま強火にかけ、沸騰して吹きこぼれそうになったら火を弱め、アクをすくう。これを3~4回繰り返し、アクが少なくなってきたら弱火にして5~6時間、時々アクをすくいながら煮る。途中で豆が見えるくらい煮汁が減ってきたら湯カップ1程度をそのつど足す。
最初の沸騰はあふれるので、目を離さないこと。
豆が指で軽く押さえてつぶれるくらいになったら、弱火でヒタヒタになるまで煮汁を煮詰めて色をさらに黒くする。火を止めて人肌程度の温度になるまでおき、さびくぎを除く。
豆の色は濃くなったり薄くなったりのリズムを緩やかに繰り返しているので、よく見て濃くなったタイミングで火を止める。
別の鍋に【みつ】の材料を入れ、中火にかけて砂糖を溶かし、人肌程度の温度になるまで冷ます。
3の鍋に徐々にぬるま湯を加えて、豆の皮を破らないように注意して重曹の入った煮汁を洗い流す。破れた豆は取り除く。
煮汁が澄むまでぬるま湯を注ぎ、重曹の煮汁をすべて入れかえる。湯が直接当たって皮が破れないよう、手のひらで湯を受けてかける。
豆をざるに上げ、かぶるくらいのぬるま湯をはったボウルにつける。2~3時間おきに水をかえて2~3回繰り返し、重曹けを抜く。
6の豆の水けをきって4の鍋に加える。和紙や厚手の紙タオルで紙ぶたをし、煮立てないように弱火で3~4分間煮て(煮すぎるとしわが寄る)、そのまま一晩おく。
黒豆を取り出し、【みつ】だけを弱めの中火にかけて、5分間ほど煮詰める。人肌程度の温度に冷めたら豆を戻し、そのまま味を含ませる。できれば数日間おくとよい。器に盛り、ちょろぎをあしらう。
【保存】
煮汁ごとホウロウやガラスの保存容器に入れ、冷蔵庫で8日間ほど。黒豆を瓶に入れ、みつを注いでふたをし、煮沸して脱気すれば半年間ほど保存可能。
このレシピをつくった人
柳原 一成さん
(1942~2022)江戸料理を伝える懐石料理の宗家。東京赤坂で料理教室を主宰。全国各地の郷土料理や伝統行事食に造詣が深い。
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