ぬか漬け
冷蔵庫で漬けられる、気楽で手軽な奥村流“健康ぬか漬け”です。米こうじや昆布、削り節などでうまみを加え、塩分を減らしました。ぬかの香りがやさしく漂い、まろやかで食べやすく、爽やかです。
写真: 蛭子 真
*本漬けした野菜1回分の全量を計算。
*本漬けした野菜1回分の全量を計算。
材料
(つくりやすい分量/3リットルの保存容器1コ分)
- ・いりぬか 500g
- 【A】
- ・粗塩 50g
- ・水 カップ2+1/2
- 【B】*混ぜ合わせて約30分間ふやかしておく。自然発酵した甘酒(米こうじでつくったもの/ストレートタイプ100gでもよい。
- ・米こうじ (乾) 50g
- ・湯 (60~70℃) カップ1/4
- 【C】
- ・昆布 1枚(約10g)
- *2cm四方に切る。
- ・削り節 (細かくもむ) 4g
- ・にんにく (薄切り) 4g
- ・赤とうがらし (ヘタと種を取って2~3等分に切る) 1本分
- ・試し漬け用の野菜 適量
- *全体備考参照。
- ・本漬け用の野菜 適量
- *全体備考参照。
つくり方
大きなボウルにいりぬかを入れ、中央をくぼませる。【A】はよく混ぜて塩を溶かし、ぬかのくぼみに注ぎ入れる。
ボウルの底からぬかをすくい上げるようにして混ぜ、ぬかの粉っぽさがなくなり、全体が塩水となじむまでしっかり混ぜ合わせる。
2に【B】、【C】も加え、しっかり混ぜる。
保存容器の底に3のぬか床を半量敷き、試し漬け用の野菜を並べる。
奥村さんのぬか漬けは、減塩のため捨て漬けの野菜も食べられる。奥村さんは「試し漬け」と呼んでいる。
野菜にぬか床を重ね、表面を押しながら平らにならす。容器の縁と内側についたぬかを指で拭(ぬぐ)ってから紙タオルできれいに拭き取り、ふたをして冷蔵庫に入れる。
2~3日後、試し漬け用の野菜を取り出し、野菜についたぬかはしごいて戻す。ぬか床の上下が入れかわるように軽く混ぜ、新たに試し漬け用の野菜を4~5と同様に漬ける。これを約1週間で2~3回繰り返すと発酵がはじまり、味がなれてくる。
2週間くらいたつとよりおいしくなる。試し漬け用の野菜は刻み、レモンやすだち、しょうが汁をかけて食べる。
大根は皮をむいて二~四つ割りにする。なすはヘタを除き、皮をしまむきにして二つ割りにする。きゅうりはヘタを取って皮をしまむきにする。にんじんは皮をむき、二~四つ割りにする。セロリはピーラーで筋を取る。
6のぬか床に野菜を埋め込み、表面を平らにならす。5と同様に容器をきれいに拭き、ふたをして冷蔵庫に入れる。大根は1~2日間、きゅうり、なす、セロリは2~3日間、にんじんは3~4日間漬ける。食べるときは、野菜のぬかをしごき取り、水で洗う。なすは皮が堅ければ切り目を入れる。食べやすく切って皿に盛る。
【試し漬け用の野菜(1回あたり)】
・きゅうり(ヘタを切り落とし、皮をしまむきにする)1本
・大根(先端部分/皮をむいて四つ割りにする)約10cm
・大根の葉(四つ割りにする)1本分 など
【本漬け用の野菜(1回あたり)】
・大根10cm
・なす1コ
・きゅうり2本
・にんじん・セロリ(葉は除く)各1本
【ぬか床の手入れ】
●3~4日に1回混ぜる●
本漬けをしたら3~4日に1回、ぬか床の上下が入れかわるように混ぜる。味が均一になり、乳酸菌や酵母などのバランスが整い、腐敗を防ぐ。
●容器は常に清潔に●
混ぜたあとは、容器の縁と内側についたぬかを必ず指で拭い、紙タオルできれいに拭く。汚れを残すと雑菌の原因に。
●ぬか床の状態をチェック●
水分が出てぬか床がゆるくなったら紙タオルをのせて水分を吸い取り、ぬか床の材料の1/5量を補う。また、発酵が進みすぎて酸っぱくなったときは、重曹大さじ1/2を加えて混ぜると酸味がやわらぐ。
※長期間休ませるときは、ぬか床の表面をならしたあと、1cm厚さの粗塩で覆う。再開するときは粗塩を除き、ぬか床の材料の1/5量を補う。
このレシピをつくった人
奥村 彪生さん
(1937~2023)全国の郷土料理から世界各地に伝わる伝統料理まで、幅広く復元・研究した。洒脱な話術で、関西を中心にメディアで活躍し、多くのファンをもつ。日本と中国のめん、ならびに日本食文化史の研究家。
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