桜ご飯
鯛(たい)の身で「桜そぼろ」、鯛の骨のスープで「鯛ご飯」を炊きます。「桜と鯛」を一つの料理にして、春を満喫しましょう。
写真: 澤井 秀夫
*1人分/桜ご飯(桜そぼろ、鯛ご飯、木の芽)のみ。
*1人分/桜ご飯(桜そぼろ、鯛ご飯、木の芽)のみ。
材料
(6人分)
- 【桜そぼろ】*約300g。
- ・たい (三枚におろしたもの) 300g
- *全体備考参照。
- 【A】
- ・砂糖 大さじ3
- ・みりん 大さじ2
- ・塩 小さじ1
- ・食紅 (水で溶いたもの) 少々
- 【鯛ご飯】
- ・米 600ml(カップ3)
- ・たいの中骨 1匹分(約160g)
- ・昆布 (10cm四方) 1枚
- 【B】
- ・うす口しょうゆ 大さじ1+1/2
- ・塩 小さじ1
- ・えんどう豆の青煮 適量
- *全体備考参照。
- ・花びらしょうが 適量
- *全体備考参照。
- ・木の芽 適量
- ・菜の花の一夜漬け 適量
- *全体備考参照。
- ・べったら漬け (市販品) 適量
つくり方
米は洗ってざるに上げ、40分間ほどおいて洗い米にする。
【鯛ご飯】用のたいの中骨を適当な大きさに切り分けて鍋に入れ、昆布、水カップ5を加えて中火にかける。煮立ったらアクを取り、【桜そぼろ】用のたいを入れて弱火で煮立てないように10分間ゆでる。
ここでは中骨と身を一緒にゆでているが、別々にゆでてもよい。
2のたいは水にとって冷ます。中骨は取り出し、ゆで汁はこして粗熱を取る。
3のたいはざるに上げて水けをきり、皮、血合いを取り除き、手で身をほぐしながら、残った小骨なども取り除く。3の中骨に残っている身をほぐし取る。
皮はテーブルナイフや包丁を使ってはがすように取り、身は色よく仕上げるために血合いを取り除く。この皮(食べやすく切る)と血合いは、【鯛ご飯】に加える。
鍋にたいを入れ、菜箸4~5本を持ってほぐしながらいりつける。ある程度細かくなったところで【A】を加えて味を調え、食紅を加えて色づけして、さらに細かくさばきながらいりつける。水分がとんでパラパラになったら火から下ろし、バットに広げて粗熱を取る。【桜そぼろ】の完成。
食紅はごく少量を水で溶き、色を見ながら少量ずつ加える(少しうすめに調整する)。
【鯛ご飯】を炊く。1の洗い米と同量の3のゆで汁に【B】を加え味を調える。炊飯器の内釜に洗い米を入れ、ゆで汁を加え、4で取り除いた皮と血合いを加えて軽く混ぜ、普通に炊き上げる。
【鯛ご飯】が炊けたら器に盛って【桜そぼろ】をたっぷりかけ、えんどう豆の青煮、花びらしょうが、木の芽をあしらう。食べやすく切った菜の花の一夜漬けとべったら漬けを盛り合わせて添える。
【たい】
桜の花が咲くころ、産卵期前で脂ののったたいは「桜だい」と呼ばれ、春の季語にもなっています。姿美しく、日本の魚食文化を象徴する食材です。
◆えんどう豆の青煮◆つくり方(つくりやすい分量)
1.さやから出したえんどう豆130gを塩適量を入れた熱湯でゆでて水にとる。
2.二番だし(※)カップ1に塩小さじ1/2を入れて溶き混ぜ、水けをきったえんどう豆を加えて1時間ほどおいて味を含ませる。
※鍋に水カップ5と昆布(8cm四方)1枚、削り節20gを入れて中火でゆっくり煮立てる。アクが出れば取り除き、固く絞ったぬれ布巾をざるに広げてこし、昆布を除いて絞る。
◆花びらしょうが◆つくり方(つくりやすい分量)
1.しょうが(大)1かけはかつらむきの要領で円柱形にむき、側面にV字の切り込みを入れる。小口から丸くそぎ取るようにむいて花びら形にする。
2.熱湯でゆでて水にとり、水けをきって甘酢(酢・昆布だし各カップ1/3、砂糖大さじ2、塩大さじ1/2を合わせる)につける。
◆菜の花の一夜漬け◆つくり方(つくりやすい分量)
1.菜の花2ワ(360~400g)は茎元の堅い部分を切り落とし(ここで菜の花の重量を量り、その3%分の塩を用意する)、熱湯で色よくゆでる。水にとって冷まし、水けを絞る。
2.用意した分量の塩をまぶして即席漬物容器に入れ、昆布(5cm四方)1枚を加えて軽く圧力をかけて一晩おく。
このレシピをつくった人
土井 善晴さん
おいしいもの研究所代表。長年にわたる多様な食の経験から、和食文化の伝統を踏まえた一汁一菜を提案。新しい発想で料理を楽しくするきっかけをつくったと評価され、2022年度 文化庁長官表彰に選ばれる。各大学にて教授、講師も務める。
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